マーケティングは総力戦の時代~読書レポート~

皆さん、こんにちは。

だいぶご無沙汰になっていたのですが、今回は読書した内容から感じたことをアウトプットしたいと思います。

今回読んだ本はこちら。

著者は、元博報堂でコピーライターをされていた方です。現在は、自分で会社を立ち上げつつ、企業の社長の代弁者・アドバイザーとして活動をされていらっしゃいます。

そんな方が書かれた3冊目のモノで、マーケティングと経営について、マーケティング組織の苦悩や広告主とエージェンシーの関係について、非常にわかりやすく書かれており、色々と心に刺さった本です。

また、「マーケティングは経営の最高の機能である」と主張をしている自社でマーケティングを担当している身としても、すごく共感できた本でした。
しかも、通常はエージェンシー側の人間というなんとも絶妙な立場でして、、、
さて、どこに共感したのかを少しピックアップしたいと思います。


4P全体でマーケティングを設計する

一つ目は、今までの日本の中の現状を書いていました。

マーケティングというと一番素早く思いつくフレームワークは4Pだと思います。

Product 何を提供するか
Price いくらで提供するか
Place どこで提供するか
Promotion どう届けるか

マーケティングをかじったことがあれば、ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、マーケティングという言葉を使うと、その中でもPromotion(どう届けるか)のところを想像する人も多くいるのではないでしょうか?

さらにPromotionをもっと細分化していくと、ストラテジーがあり、その上に届けたいメッセージがあり、掲載するメディアがあり、PRがあり、、、などなど切り分けられますが、その中のストラテジーの部分をマーケティングと呼ばれていたような感じでした。

マーケティング(全体)の中のマーケティング(Promotion)の中のマーケティング(ストラテジー)というような状態ですね。

それはまさに、現状の会社組織の中の役割やマーケティング担当の方によってバラバラになっている原因の一つかと思います。

それによって、話が出来るレベルや内容が全然変わってきてしまうのでここをきれいにしようとするのであれば、会社の役割や評価の仕方などいろんなレベルで調整が必要かなぁと感じました。また名称もきちんと区分けをすること、そうしないと話がかみ合わない。。。いま巷にマーケターが増えていますが、これのさらにメディアに分けられたマーケティングをマーケタ―ということもあり、頭がついていけません。

そういう意味で、「マーケティング部を、宣伝部に変える、広義のマーケティングは企業経営だからこそ社長がやるべきだ!」という主張はうなずけます。

マーケティングをする組織に全社でする

マーケティング部長が一人で組織を変えようとしても、収益全体を追うことや管理全体の責任を負うのはハードです

そして、マーケティングは経営だからこそ、会社全体に文化として根付かせなければならないということはその通りだと思います。その点において、現在のマーケティング部はコミュニケーションを、その他に商品開発や営業、経営企画部などそれぞれの人が参加するマーケティング会議をすることが実は一番いいのではないかというご提案が本に書かれていました。

これもまさにその通りだと思います。

それぞれの部署を横断するためには、他部署の人達との会話が重要で、さらに言えば、そこからビジョン―ミッション―バリューに向けての各役割がきちんと機能しているか、つまり揚げ足取り、忖度せずに行動できているかというところの管理機能としての会議が日本企業にはあっていそうな気がします。

さらにそういった会議をすることで知見共有が出来たり、データを駆使して再現性を高めることは可能かと思います。

そして何より大事なのは、「直感力」。

いくら再現性をあげても市場の状況や経営にとってみた時に、壊さなければならない時は必ず来ます。しかも、フレームワークを知ったところで自社に置き換わる段階で大きくカスタマイズをかけていかなければならない状態において、この直感力は大きく役に立ちます。理屈ではよくても、なんかよくなさそう、、、というところを大事にできないと生き延びづらくなっています。

そういう形になって初めてマーケティング組織になるといえるのでしょう。
本当に書いてある通り!と思っています。

ミドル・ファネル:自分ゴト化をしてもらうには

マーケティングは知ってもらって終わりではありません。伝えた内容から価値を感じ、行動変容までが設計の中で考えなければならない点です。その点において、ミドル・ファネルのところは確かに重要視しなければならないところだと改めて感じました。

本の中でそれぞれのファネルにおいての役割はこう書かれています。

トップ・ファネル=いかに広く認知してもらうか
ミドル・ファネル=いかに自分にとって価値があると理解してもらうか
ボトム・ファネル=刈り取り

トップファネルは、リーチして気づいてもらうというところですね。ますマーケティングなどがこの領域になりますが、例えば、「あっ、なんかこのCMいいなぁ」「最近、こんな広告多く出てきているなぁ」とかそんな状態ですね。

刈り取りは、営業との連携も関わってくる話かと思いますし、あとはどう買ってもらう状態に、WEBサイトで言えば「注文!」としてもらうかという段階です。

そこにおいて、ミドル・ファネルは知ってもらった人にいかに「いいかも!!」と思ってもらうか、「自分に必要だ!」と認識してもらって行動してもらうかの領域です。

ここの設計が肝で、自社の一番訴えたいポイント、課題解決の手法でピカイチになるところだと個人的に思っています。

そして、ここを設計できれば、新しいニーズ・市場創造も出来ていくのではないかと思っていて、ミドルファネルの効能がいいとトップファネルにもボトムファネルにも影響を及ぼし、顧客体験も分断されずに設計できるようになると思います。

部門「間」での連携が一番マーケティング実装への近道

その他にもたくさんの学びがあり、書きたいこと・メモリたいこといっぱいあったのですが、僕が考えているマーケティングと経営についてやエージェンシーとの関係づくりについては賛同できる良本でした。そして何より日本企業においてマーケティングは全社導入を目指すべきで、一部署がマーケティングをやっているという状態は、”マーケティングをやっていない”状態になっていることを気づいていないということなんだなと改めて認識しました。

マーケティングをするために、顧客の解像度を上げる必要があり、営業にくっついてお得意先に行く、とか商品開発の部分に携わってみる、とか、財務状況やお金の出入りだけでも見てみるということが重要だと思いました。

そして、この本の著者にもお会いしたいということで、イベント申込しちゃったのはここだけの話。別途お話を聞きたいなぁと感じた方の一人でした!


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野北 瑞貴
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