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個性(詩)

僕は今歩いている。

立ち止まる恐怖から逃れるように、ただひたすら歩いている。

まわりの景色は風とともに過ぎ去り、新たな景色が風とともにまた現れる。

もしかしたら僕は景色になることから逃れるために歩いているのかもしれない。

ビルも人も車も、まわりの景色すべてが僕を無視して消えていく。

僕の存在など必要としない世界で、僕はたった一人で歩いている。

歩くのをやめたとき、僕はこの景色と同化してしまうのだろう。

そして、景色と一緒に消え去るのだろう。

だから僕は歩いている。

この道の先に何があるのかわからないまま、僕はただひたすらに歩いている。

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