見出し画像

後悔(詩)

出会わなければ良かったと思う女性(ひと)がいる。
大好きだったのに打ち明けられずに終わった恋がある。

ただ勇気がなかっただけなのに、
自分なんかと付きあったら、僕の不幸を移してしまう、なんて
そんなこじつけた言い訳で自分から逃げた。
そして、卒業式は過ぎ去った。

大学生になって、偶然地下鉄でその女性(ひと)と会った。
相手は気づいていないみたいだった。
彼女が笑顔を僕に向けてくれたなら、
「久しぶり。覚えてる?」
なんて言って、話しかけられただろうけど、
そんなことはなかった。
結局、神様はチャンスを一回しかくれなかった。
たぶん神様もあきれてしまったのだろう。

いつも逃げてばかりで、
いつもくだらない言い訳ばかり考えて、
自分を守ったつもりになって、
それでも胸の奥に重くて、たまに痛くなる何かを抱えてきた。

今、出会わなければ良かったと思う女性(ひと)と、もう一度会いたい自分がいる。

もし出会っても、相変わらず声もかけられないかもしれないけど、
出会わなければ良かったと思う女性(ひと)と、もう一度会いたい自分がいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?