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青山美智子『ただいま神様当番』読了

悩みのない人はいない。しかし、悩みを解消するために行動できる人は少ない。白黒はっきり決着をつけたいと思いながらも、人は何も変わらず悩み続ける。

落とし物を拾ったら警察に届ける。日本人の美徳のひとつと言われている。もし、心にモヤモヤがあって、本当に好きなのに買えないモノが落ちていて、周りには誰もいない状態にあったら、私はそれを自分の鞄に入れてしまうに違いない。物欲もあるが、毎日悩んでいるのだから、神様が私にきっと与えてくれたものなのだろう、と都合よく解釈して。

本当はいけないことなのに、神様は罰を与えるためでなく、罪の原因となっていた悩みを解決するために、人に取り付く。その発想が面白い。

バス停で待つ4人がまわりのみんなも「神様当番」になったことがあるのを知らないのを、偉ぶった親父に知らされる場面もいい。

最後にひとつだけご注意を。
落とし物は交番に届けましょう!

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