女の子と一本の矢(詩)
その女の子には、ちっぽけな幸せの後にはいつも、大きな苦しみがやってきました。
ちっぽけは幸せが三つあれば大きな苦しみも三つあります。
幸せと比べて苦しみの量がどんどん増えてきて、女の子はつらさのあまり泣き出してしまいました。
女の子の心の中は苦しみでパンパンに膨れていました。
もうだめ、私の心は潰れてしまうわ。
そう思ったとき、空から一本の矢が飛んできて、女の子の心を打ち抜きました。
大きな苦しみは粉々に砕け、ちっぽけな幸せはそのままの形で四方に飛び散りました。
女の子はちっぽけな幸せだけを慎重に拾い集め、自分の心にしまいました。
穴は針と糸を使って縫いました。
それからというもの、女の子はちっぽけな幸せを後世大事にしました。
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