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追悼の詩(詩)

安らかに眠る君の入った棺が燃やされる
ゴーっという大きな音を出す炎の中に君は入っていく

休憩をはさんで元の場所に戻ると
君は骨と粉に変わり果てていた
そこに君の面影などどこにもない

家族や親戚たちが骨を箸でつまんで骨壷に入れていく
君との思い出もいつか年月が経つうちに骨と粉に変わってしまうのだろうか

涙に君が映っているようで
拭き取ることもせずに
涙が落ちるままに任せる
さよならは言いたくなかったから
僕は両手を合わせてと心の中でありがとうとつぶやいた

式が終わり、みな帰ってしまった後
僕は一人になってしまったことに気づく

僕は一人河原に行き、「わー」と大声で叫ぶ
太陽のように明るかった君が
夕陽になって沈んでいくのを
僕は最後までじっと見届けた

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