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【映画】竜とそばかす姫の闇と光

先日ずっと気になっていた竜とそばかす姫を観てきた。評判は賛否両論、しかし、音声と映像はかなり評価されていたのでこちらも前から気になっていたMX4D.IMAXレーザーにて鑑賞。

圧倒的な世界観、音響、確かに素晴らしい。

それはさておき、竜とそばかす姫について話そう。

私は根本的な意味で誰が死ぬ物語が嫌いだ。

そのシーンを入れる事で、感情が同情や悲しみからスタートしてしまう。負の力は凄まじく、そのぽっかりと空いてしまった穴にすっぽりと物語が埋まるのが苦手だ。平面の感情から物語を楽しみたい。

ネタバレするので詳しくは書かないが、主人公のすずは物語の中で悲しみを抱えて生きている。どうする事もできない答えの出ないもどかしさと葛藤して自分と言う存在をオブラートに包んでいる。

そんなすずが、仮想世界《U》でベルとなって自分を解放していく。ずっと歌いたかった歌を思う存分に歌い、いつしか沢山の人に認められていく。

それに比例するかのように、現実の自分も少しづつ前向きになっていく。これが光。win-winな世界。

ベルとして過ごす時間の中で突然竜と言う存在に出逢う。まさに美女と野獣のオマージュ、しかし野獣もまた圧倒的な力を持つ裏で悲しみを抱えている。

これが闇、とても深い闇を抱えている野獣、すずの中に渦巻いている闇とは少し違うが、根本的な所で重なる部分がある。しかし野獣はそれを知らない。

すず、いや、ベルはそんな野獣にどんどん惹かれ、力になりたいと思うようになる。まるでかつての母親のように。あんなにも理解しがたい出来事が、すずの中で溶け始めていく。そして、Uの世界から少しづつ現実がリンクしていく。あと少し、あと少しなのに、野獣に近づいては離れ、その繰り返し、そして最後は‥‥野獣の闇は消えたと信じたい。

気になる部分は色々ある、例えば、幼いすずを置いて危険な川に飛び込む母親の心理、野獣を倒そうと正義をかざしていた男の正体、何故すず1人で危険かもしれない場所に大人達は行かせたのか、幼馴染は何故すずがベルだと気付いたのか、など。

何度も観ればそれらの答えは浮かび上がるかもしれない。映画好きな私としては、観られて良かった。

レビューはあくまで参考に。

評価があまり高くなくても、自分にとっては響く何かがある事もある。感性は人それぞれ違うもの。

やはり百聞は一見に如かずである。


#映画  #レビュー #考察 #IMAX #4D #感想

#竜とそばかす姫








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