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トンニャン#46 大天使ラファエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「ラファエルの巻」のような意。話の位置は前回の「アポロンの巻」の次。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「ラファエル、お客様じゃなくって?」
ラファエルがガブリエルの声に振り返ると、入り口にかすかな気配を感じた。
「ラファエル、行ってみたらどうだ。入り口でためらっているようだぞ」
ウリエルも同様の気配を感じたようで、その隣に座っているミカエルも、ウリエルに同意するように無言で頷いた。
ラファエルは、三人に促されるように、城の入り口に向かった。

【大天使 ラファエル】
神に最も近い四大天使、ミカエル・ラファエル・ウリエル・ガブリエルの一人。天使長・上級天使と呼ばれるセラフィム(熾天使)と思われる。役割は上級三階級のスローンズ(座天使)とも、中級六階級のパワーズ(能天使)とも言われている。
ヘブライ語のミカエルの『神のごとき者』に対し、ラファエルは『癒す者』の意である。
少年と旅をした話を始めとして、人間界に多く現れ、その名の通り人々を癒したという。
また、七大天使という考え方もあり、その場合、この四大天使に加え、大天使であるメタトロン・サリエル・ラグエル・ラミエル・ラジエル・サンダルフォン・ハニエル等から、三人が選出されると言われている。

ラファエルが城の入り口を開けると、珍しい客が立っていた。
「アポロン?どう・・・されたのですか?」
アポロンが自らラファエルの城を訪ねて来た事などあったろうか。

四大天使が顔を合わせる事は珍しくなく、今日はたまたまラファエルの城で、四人が集まっていたが、実際下級天使はもちろん、天帝の息子である別格のアポロンが訪ねてくるのは、初めてかもしれなかった。
「いや、その・・・ちょっと話したい事があって・・・」
アポロンは、言いにくそうに言葉を濁している。

「ラファエル、今日は帰るわ。久しぶりのオフだから、ゆっくりしたいし。ね、ウリエル」
「あぁ、わたしも失礼するよ」
ラファエルの後ろから次々四大天使が現れたので、アポロンは面食らったように、少し後ずさった。

「気にしないで下さい。特別な会議をしていた訳じゃないのです。わたし達四大天使はお互い役割は違いますが、元々生まれた時からの幼なじみのようなものなのです」
「ミカエルの言うとおりですよ。時々近況報告したり、情報交換をしたり、よく四人で集まるんですよ。またすぐ集まる時があるでしょう。だから、お気になさらずに」
ミカエル、ウリエルは、アポロンに微笑みかけた。

「ね、ウリエル、帰りにウリエルのところに寄ってもいい?ウリエルもオフよね?」
「いいよ。ミカエルはどうする?」
「わたしは、まだ仕事があるから今日は遠慮するよ。抜け出してきたからね。じゃ、ラファエル、また」
ミカエルは、そう言うと最初に飛び立った。
それから、ウリエルとガブリエルがアポロンに一礼して一緒に飛び立つと、ラファエルはアポロンを、いつまでも立たせたままだと気づいた。

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン#46 大天使ラファエル

※トンニャンシリーズの「〇〇の巻」noteなら、ほぼ五回。
時間のある時に、一挙に五話アップします。
たまにしかアップできないので、お時間のある時、ゆっくり一話ずつ読んでくださると嬉しいです。

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https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

※トンニャンが全部読めるマガジンはこちら
https://note.com/mizukiasuka/m/mf04f309d9dfc

次回トンニャン#47大天使ラファエルへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n542570cd0624

前回トンニャン#45 太陽神アポロンはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n6ee47163416a

最初からトンニャン#1は
https://note.com/mizukiasuka/n/n2fc47081fc46

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