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論文を書くときに役立つサイト2選!

先日インタビューいただいた内容の原稿が上がってきました。話した内容をとても分かりやすくまとめていただいて、プロのライターさんはやはりすごいなと改めて感じました。上手い文章を書く方にはつくづく憧れます。

さて、プロのライターでなくても文章を書かないといけない時があります。大学生や大学院生であれば学位取得のために、卒業論文、修士論文、博士論文を書く必要あがりますし、研究者であれば研究成果を発表するための論文を書かないといけません。

文章を書くことに苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。私もそのひとりです。苦手ながらもなんとか書けるようになったのは、大学時代の先生や先輩の指導のお陰です。そこで、この記事では、私が論文を書くときに役に立ったサイトを2つ紹介したいと思います。

松尾ぐみの論文の書き方

まず紹介したいのが「松尾ぐみの論文の書き方」です。

「松尾ぐみ」とは一体?と思うかもしれないですが、人工知能の研究者として著名な東京大学の松尾豊先生が書いた「論文の書き方」を分かりやすくまとめたサイトです。

松尾ぐみ」とは、現在はもう存在していないのですが、2000年に、その当時は学生だった松尾先生が立ち上げた自然言語処理、Web上の情報処理、推論などの研究を行っている人たちが議論する有志の集まりです。私も2008年に東京大学の知の構造化センターにポスドクとして勤務することになり、松尾ぐみに参加するようになりました。そこで、知ったのがこの「松尾ぐみの論文の書き方」です。松尾先生とも論文を何本か書かせてもらった中で「岡さんはディフェンス力が弱い」と良く言われました(笑。

ディフェンスとは、論文を構成する「前提+主張+ディフェンス」に関するものです。ディフェンスは、主張した点を裏付ける理論や評価実験のことを指します。無謀に大きな主張しようとすると、それを裏付ける理論や評価実験が伴わずに、ディフェンスが弱くなってしまいます。手元の評価実験で裏付けできるように、主張を適切なサイズまで縮小する必要がある、あるいは、きちんと裏付けできるような追加実験をすることが必要ではないか、という指摘です。

その他、「松尾ぐみの論文の書き方」には、トップカンファレンスにいくつも論文を通してきた松尾さんならではの、論文を書くために大切なポイントが詰まっています。2005年に書かれた古いページではありますが、現在でも非常に参考になります。

構造的プレゼンテーション

次に紹介したいのが、私の大学時代の指導教員でもある筑波大の加藤和彦先生が書いた「構造的プレゼンテーション」の作り方について解説しているサイトです。

プレゼンテーションの作り方について述べたサイトですが、文章を組み立てる時にも「構造」を意識することはとても重要です。論文を書く時も、いきなり書き始めるのではなく、まずは論文の「構造」をつくることからはじめます。どのようにその構造をつくればいいのか。このサイトに書かれている手順にしたがって作っていけば、自然と、構造的な論文をつくることが出来きるはずです。論文の構造をきちんとつくることができれば、あとは、各項目を説明する文章を肉付けしていき、推敲することで、読みやすくて分かりやすい論文につながります。

ちなみに、私が大学院生の頃、加藤先生から何度も直接プレゼンテーションの指導を受ける機会に恵まれました。まず用意してきたスライドを一回発表した後、1ページ1ページについて、少なくとも1時間、長いときには2時間も掛けて丁寧なフィードバックをもらいました。そのときのトレーニングで培ったプレゼンテーション能力は一生ものです。

みなさんも加藤先生の「構造的プレゼンテーション」を読んで、構造的な論文執筆や、プレゼンテーション作成をぜひ実践してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
読んでくださった皆様の論文ライフが少しでも快適になりますように。

表紙画像出典:
https://twitter.com/guskamp/status/1512564646091186179/photo/1

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