ブラジルのBlack Lives Matter 「リオのカーニバル」 : Salgueiro2018 全人類の母たち
世界最大級のお祭り・リオのカーニバル。本質は「民衆蜂起」。メッセージ性に富んだパレードが繰り広げられます。今回ご紹介するのは、名門サンバチームSalgueiroが2018年に披露したテーマ。そのテーマとは?
■Senhoras Do Ventre Do Mundo
「アフリカ」から始まった我々。古くから文明が栄えてきました。
「アフリカの女性性」をオマージュしたパレード
クシュ:紀元前2600年ごろに興り、主にヌビア(現在のエジプト南部からスーダンに至る地域)を支配した国。ナイル川流域の最初期の文明の一つ。
イシス神:古代エジプトで「良き妻・良き母」として信仰された豊穣の女神。兄弟であるオシリスを夫に持ち、弟セトに殺され遺体をナイル川に流されたオシリスを探し出し復活させ、また、オシリスとの間にできた息子ホルスを育て、父オシリスの仇討ちをさせたという話です。
ホルスはファラオ王権の正統性の根拠とされたそう。「支配者にも存在理由が必要」ということですね...
「古代エジプト人は黒人である」という説もあります。
それによれば「エジプトは黒人の土地」。
ネイト神:古代エジプトで信仰された「戦いと狩猟の女神」。「知恵の女神」であり、先述のホルスとセトの争いの仲裁を行った「知恵の女神」。エジプト創世神話の「原初の水」の擬人化と見なされる場合の「創世の大いなる母神」。
「最も高貴な女性」を意味するハトシェプスト。紀元前15世紀、古代エジプト三千年の史上で数少ない女王の一人。平和的な外交で国を繁栄させたとされます。死後、事跡を消されていたらしいです。『旧約聖書:出エジプト記」でモーセをナイル川から拾って育てた義母ともいわれます。
シバは紀元前10世紀頃にエリトリアまたは南アラビアに位置したとされる国です。
ゲレデは「世界は壊れやすい」という考えに根差し、外交・思慮・尊敬・調和を元に生きる事を説いているとも。ヨルバは西アフリカ出自のエスニシティ。
黒人・女性差別と闘ったパイオニアで黒人初の州議員(サンタ・カタリーナ州)・ジャーナリスト・文筆家。1934年選出。ブラジルの女性参政権は1932年〜。
「暴力によって命を落とした息子を持つすべての母たちに捧ぐ」
我々の祖先が誕生して500万年、我々が登場して4万年、文字を発明して6千年。我々個人が生きるのはせいぜい百年。より良く生き抜きたいものです。我々が生きていない「歴史」を学ぶと、この百年で活かせる「発見」があるのではないでしょうか。願わくば、その「発見」が我々の子孫にも役立つと良いと思います。
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(おわり)
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