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ブラジルのBlack Lives Matter 「リオのカーニバル」 : Salgueiro2018 全人類の母たち

世界最大級のお祭り・リオのカーニバル。本質は「民衆蜂起」メッセージ性に富んだパレードが繰り広げられます。今回ご紹介するのは、名門サンバチームSalgueiroが2018年に披露したテーマ。そのテーマとは? 

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Juliana Dias / SRzd

■Senhoras Do Ventre Do Mundo

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Image:Juliana Dias / SRzd

「アフリカ」から始まった我々。古くから文明が栄えてきました。

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Image:Alexandre Durão / G1

「アフリカの女性性」をオマージュしたパレード

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“Rainha de Kush”「クシュの女王」
Image:Bruna Prado / UOL

クシュ:紀元前2600年ごろに興り、主にヌビア(現在のエジプト南部からスーダンに至る地域)を支配した国。ナイル川流域の最初期の文明の一つ。

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”Deusa Ísis” 「イシス神」
Image:Alexandre Durão / G1

イシス神:古代エジプトで「良き妻・良き母」として信仰された豊穣の女神。兄弟であるオシリスを夫に持ち、弟セトに殺され遺体をナイル川に流されたオシリスを探し出し復活させ、また、オシリスとの間にできた息子ホルスを育て、父オシリスの仇討ちをさせたという話です。

ホルスはファラオ王権の正統性の根拠とされたそう。「支配者にも存在理由が必要」ということですね...

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Kemet : A Terra Negra e A Riqueza do Egito ケメト:エジプトの肥沃な黒き大地
Image:Alexandre Durão / G1

「古代エジプト人は黒人である」という説もあります。
それによれば「エジプトは黒人の土地」。

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“Deusa Neith” 「ネイト神」
Image:Júlio César Guimarães / UOL

ネイト神:古代エジプトで信仰された「戦いと狩猟の女神」。「知恵の女神」であり、先述のホルスとセトの争いの仲裁を行った「知恵の女神」。エジプト創世神話の「原初の水」の擬人化と見なされる場合の「創世の大いなる母神」

“Rainha Hatshepsut” 「女王ハトシェプスト」
Image:Marcos Serra Lima / G1

「最も高貴な女性」を意味するハトシェプスト。紀元前15世紀、古代エジプト三千年の史上で数少ない女王の一人。平和的な外交で国を繁栄させたとされます。死後、事跡を消されていたらしいです。『旧約聖書:出エジプト記」でモーセをナイル川から拾って育てた義母ともいわれます。

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“Rainha de Sabá e seu séquito” 「シバの女王と随員たち」
Image:Bruna Prado / UOL

シバは紀元前10世紀頃にエリトリアまたは南アラビアに位置したとされる国です。

「シバの女王はソロモンの知恵の噂を伝え聞くと、多くの随員を伴って、香料、大量の金、宝石などの贈り物をラクダで運び、難問を以って彼を試そうとエルサレムを訪問した。女王はソロモンに数々の質問を浴びせるが、ソロモンに答えられないことは何も無かった。また、その宮殿、食卓の料理、居並ぶ臣下、神殿の燔祭などの様子を目の当たりにした女王は感嘆し、ソロモンが仕える神を称え、金200キカルと非常に多くの香料や宝石を贈った。ソロモンも女王に対して贈り物をしたほか、彼女の望むものを与えた。こうして女王一行は故国に帰還した。」

「列王記上」10章および「歴代誌下」9章 『旧約聖書』
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”Geledé” 女性の生殖・母性性を讃えるヨルバのゲレデ信仰
Image:Alexandre Durão / G1

ゲレデは「世界は壊れやすい」という考えに根差し、外交・思慮・尊敬・調和を元に生きる事を説いているとも。ヨルバは西アフリカ出自のエスニシティ。

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Antonieta de Barros(1901-1952)のオマージュ
Image:Alexandre Durão / G1
無題のプレゼンテーション-4
Antonieta de Barros(1901-1952)

黒人・女性差別と闘ったパイオニアで黒人初の州議員(サンタ・カタリーナ州)・ジャーナリスト・文筆家。1934年選出。ブラジルの女性参政権は1932年〜。

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『ピエタ(憐れみ・慈悲)』を模した山車
Image:Alexandre Durão / G1

「暴力によって命を落とした息子を持つすべての母たちに捧ぐ」

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ミケランジェロ『サン・ピエトロのピエタ』
十字架から降ろされたイエスを抱く聖母マリア

我々の祖先が誕生して500万年、我々が登場して4万年、文字を発明して6千年。我々個人が生きるのはせいぜい百年より良く生き抜きたいものです。我々が生きていない「歴史」を学ぶと、この百年で活かせる「発見」があるのではないでしょうか。願わくば、その「発見」が我々の子孫にも役立つと良いと思います。

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Salgueiro 2017 “A Divina Comédia do Carnaval” カーニバルの神聖喜劇-2

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▼参考

テーマ概要
・パレード写真集   

(おわり)

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