ブラジルのBlack Lives Matter 「リオのカーニバル」Salgueiro2015 裏庭の知恵と味
世界最大級のお祭り・リオのカーニバル。本質は「民衆蜂起」。メッセージ性に富んだパレードが繰り広げられます。今回ご紹介するのは、名門サンバチームSalgueiroが2015年に披露したテーマ。そのテーマとは?
■ミナスの食文化:時代を超えた知を巡る旅
"Do fundo do quintal, saberes e sabores na Sapucaí"
裏庭の知恵と味をサプカイで
パレードに沿ったテーマのご紹介。
・Os primeiros habitantes 先住の人々
先住民・Botocudos
Botocudosの食文化を受け継いだ入植者たち。ヨーロッパにはなかったアメリカ原産の根菜や葉菜、果物の食性や採集、調理法。
Botocudosは昆虫食の習慣もありました。竹の一種につくイモ虫を(おそらくつぶして)クリームのような調味料として用いたそう。乾燥させて粉末にすれば、深い眠りをもたらす睡眠薬になったとも。
メタンガスを多量に排出する牛。脱炭素社会ではいかに。昆虫は「新たな」タンパク源。食糧難や人類の宇宙進出に有効とか。食べられるかな?
Sonho em um Paraíso Delirante 架空の楽園の夢
・A corrida do ouro ゴールドラッシュ
17世紀末、富を求めてブラジル中をさすらう人々がいました。1693年、ミナス・ジェライスで金鉱発見。ブラジル全土から人が殺到しました。
・Os escravos das minas ミナスの奴隷たち
金鉱発見、ミナスへ大量の黒人奴隷が送られました。多くはブラジル各地のサトウキビ畑から。アフリカから直接連れて来られたものもありました。
黒人の人口が急増したミナス。ミナスの文化には黒人の多大な影響が見られます。宗教、音楽、踊り、そして「食」。
富を得た白人たち。都会の流行も取り入れられました。
しかし、農業そっちのけで加熱した炭鉱掘り。やがて食糧価格が高騰し、飢えの時代がやってきました。
「これまで食べてこなかった物で飢えを凌ぐ」
新しい調理法が発明されます。食の幅が広がりました。
ミナスの食文化は「空腹」から生まれました。
・A cozinha ミナスの多様な食文化
その土地を知るには食事を見よう
郷土料理には数多くの知恵が詰まっていますね。
《ミナス料理に欠かせないもの》
ニンニク、塩、コショウ、野草、ケール、ラード、ファリーニャ(乾燥させ粉末にしたキャッサバ芋)、ピンガ(カシャッサ)、ベニノキ、モクキリン...
《代表的なミナスの味》
・Queijo Canastra ミナスチーズ
・Couve Refogada ケールの炒め物
・Quibebe アフリカの影響が色濃いカボチャのキベベ
・Feijão tropeiro ミナスを探検した時代の名残!豆の野営風
どれも美味しそうです。
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▼参考
(おわり)
表紙:Alexandre Brondino on unsplash
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