学校での食育指導 担任編
こんにちは,HARuです。今日は,学校での給食や食育について。
全国学校給食週間開催中
1月24日から1月30日までは「全国学校給食週間」となっていることをご存知ですか?少しだけ学校給食の歴史を紐解いてみると,日本の学校給食の発祥は1989年,山形県からだそうです。当時は,弁当を持って来られない子どもたちのために,おにぎりや焼き魚,漬物など簡素な食事が用意されていたそうです。その取り組みが全国各地に広がり学校給食が少しずつ広がっていきました。しかし,その後戦火が広がり,学校給食は一時完全に途絶えてしまいます。第二次世界大戦後,学校給食の再開を求める国民の声が高まり,アメリカの支援などを受けて,学校給食が再開されました。給食用物資の贈呈式が行われたのが12月24日。それ以来,この日を学校給食感謝の人決定したそうです。しかし,多くの学校では,この日から冬休みが始まってしまうため,冬休みと重ならない1月24日から30日までの1週間を「学校給食週間」としたとのことでした。
参照:日本の学校給食,文部科学省「全国学校給食週間について」
栄養教諭
学校では,平成17(2005)年度から,食に関する専門家の栄養教諭が制度化されました。学校では,栄養教諭を中心に,食に関する指導の全体計画に基づいて,全職員で食育指導に当たっています。
栄養教諭については文部科学省からも上記のような動画が出ています。
学校給食の時間はタイト
学校では給食が出ます。今や当たり前のことですが。多くの学校では,当番となっている子どもたちが配膳をするというシステムだと思います。実は,このシステム,かなり時間的にタイトなスケジュールなのです。私の知っている範囲ですが,学校給食における食事の時間は20分〜25分となっています。とはいえ,給食後の時間(例えば休み時間や,清掃,授業など)は決まっていますので,配膳作業が遅くなればそれだけ,子どもたちの食事の時間が減ってしまいます。(この辺りはもっと抜本的な改革が必要だと個人的には思うところですが…)
いかに早く配膳させられるか
ということは,当番の子どもたちの配膳速度が大切です。実はこの活動,先を見通せる子どもたちが配膳するとかなり早くなります。ご飯や汁物をよそったお椀を置く場所を考えたり,どうすれば効率的に早く配膳できるか考えるのです。もちろん,最初は,具体的なやり方を示します。出来れば,認め,出来なかったとしても惜しかったねという程度の声かけをします。その内,子どもたちは私の想定を超えてより素早く配膳ができるようになります。現在,私の担任している学級では,配膳台の準備から全員に配膳が終わるまで(一人一人が各自の給食を取りに来るスタイル)5分で完了できます。もちろん,これは慣れの問題や子どもたちの時間に対する高い意識のおかげでもありますが,30人程度を5分で配膳できれば上出来かなと私は思っています。
完食は全員の協力で
一昔前は,完食指導に力を入れている先生が多くいました。特に小学校で多かった印象です。給食の時間が終了しているにも関わらず全て食べられなかったために,一人残されて食事をしている子がいたという話も聞いています。今更ですが,子どもたちが出歩いたり,清掃している中で食事をするというのは不衛生極まりないですよね。
現在では,個人に対する完食指導は行っていません。アレルギーを持っている子も多くいる時代ですし,何より子どもたちの味覚は変わっていきます。私自身もそうでしたが,読んでくださっているあなたも子どもの頃と現在では味の好みが違うのではありませんか?ですから,子どもの頃に食べられないものがあったとしても,大人になれば食べられるようになるかもしれないし,もし食べられないものがあっても,立派に成長することはできます。その食べられないもので不足した栄養素は別のもので補えばいいのです。現在では,それくらい食事も多様になってきています。
しかし,「学校給食習慣」に残量調査などが入ることが多くあります。残量を減らすことで,調理員の方々へ感謝の思いを表現しようという主旨だそうです。個別には苦手なものがある。でも,調理員さんへの感謝の思いは伝えたい。そんな時に,田中光夫先生(田中光夫(フリーランスティーチャー)@kariageshokudou)に出会いました。最初に興味を持ったのは教育雑誌の連載からでしたが,様々な記事やTwitterでのご発信などに触れていく中で,感銘を受けることが多くありました。前述した,個人の完食指導に関する考え方,味の好みに関する考え方も田中先生から学ばせていただいたものです。田中先生曰く,学級全体で完食をすれば良いと。なるほど!確かに学級の中には食べることが好きな子ども,(多くの子どもは苦手な)野菜が好きな子どももいます。その子たちに食べてもらい,完食を目指せばいいのだと思いました。もちろん,苦手な子たちが一切食べなくて良いという意味ではありません。苦手な子たちには,「アレルギーでないなら,せめて一口は食べてみようね」と声をかけています。子どもたちも自分なりに努力をし,細切りの人参一本とか薄い輪切りのきゅうり1枚とか食べられるものを食べようとする姿を見せてくれます。(個人的にはかなり嬉しい光景です)そのように,学級全体で協力しながら完食を目指します。おかげで,栄養教諭の先生から「HARu先生の学級は残菜がすごく少ないです。PTA向けの資料の比較対象候補として使わせていただきますね。」とお声がけいただきました。これも学級の子どもたちが頑張ってくれたおかげです。
まずい給食はない!
これも田中先生から学んだことなのですが,
給食を食べていると「まずい」と言い出す子がいます。(現在は黙食なので話すことはありませんが)しかし,それは間違っています。栄養教諭の先生も調理員さんたちもまずい給食は作っていません。ただ,あなたの味覚に合わないだけです。
この話を聞いたときに,また目から鱗が落ちました。なるほど…。おっしゃる通り。ある子にとっては苦手でも別の子にとっては美味しいものかもしれない。それに当然,子どもたちに美味しい給食をという思い出作ってくださっている方が大勢いらっしゃる。その思いを踏みにじるような発言は違うと。
では,どのように言えばいいのかというと
「口に合わない」だそうです。
確かに。「自分の好みの味ではない」ということを表現しつつ,誰も傷つけない素敵な言い方だと思います。この考えを学んで以来,私の学級の子どもたちには常に話をしています。
さらに,自分の娘にも教え込んでいます😅ですので,現在4歳の娘は苦手なものを食べると,「これ口に合わない」と言います。(4歳らしからぬ発言ですが💧)
というわけで,今日は学校給食のお話でした。教員をしていると学校給食は当たり前なのですが,多くの方にとって学校給食は久しぶりに食べてみたい昼食のようです。大人になっても良い思い出として残る学校給食の時間を少しでも楽しく過ごせるように学級担任としてサポートしていくことが必要だろうなと感じています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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