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子どもたちが,自ら学ぶ漢字学習

こんにちは,HARuです。今日は,国語の学習では避けて通れない漢字学習の話と私の授業について少し紹介。


漢字練習の目的

国語教師をしている以上,子どもたちに漢字を覚えてもらわなくてはなりません。とは言っても,目的も無しに漢字練習をさせても意味はありません。自分自身,漢字の学習が楽しかった記憶はありません。ただ,同じ漢字を一行分書く作業を繰り返す作業という記憶しかないからです。これでは漢字を覚えないどころか,漢字嫌いを作り上げてしまいます。しかも,相手は中学生。ただ,やってみて!と言ったところでそう上手くはいきません。そもそも漢字練習の目的は何かというと,当然「漢字を覚えること」に尽きます。となれば,その目的達成のための手段は何が適切かを考えれば漢字を覚えてもらえるのではなかろうかと考えました。(これは元麹町中学校校長,現横浜創英中学・高等学校校長の工藤勇一先生の考え方を参考にさせていただいています。)

漢字を自主的に学んでもらう方法

そこで,坂本良晶先生のご著書「さる先生の『全部やろうはバカやろう』」の中の,「テスト最強メソッド」を参考に自分なりにアイデアを考えてみました。それは

漢字テストを事前配布すること

です。テストなのに事前配布?とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。もう少し詳しくお話しすると,私の授業では,毎単元ごとに単元末テストを実施しています。(これは自分で作成すると手間なので,業者テストを活用しています)その際に,事前配布した漢字テストを実施するというものです。(漢字テストは私が範囲を設定し,その中から読み書き計50問をテスト形式で作成したものを使用します)そうすると何が起こるかというと,子どもたちは自主的に漢字の学習を行うようになります。これはある意味日本型教育の優れた点だと思うのですが,「テストでいい点を取りたい」「正解を出したい(ミスはしたくない)」という思いが子どもたちに大変強くあるのです。その心理をうまく活用し,漢字学習をしてもらっています。前述した通り,「漢字練習の目的は漢字を覚えること」であって,100点を取らせないことではないのです。テストでは事前配布した問題と同じ問題を出題します。ですから,漢字練習に取り組んだ子どもたちは難なく100点を取ることが出来ます。国語が苦手だろうと,勉強が嫌いだろうと100点を取ることが出来るということは,子どもたちにとって大きな魅力となるようです。(もちろん,こちらも「(100点が)取れるテストで取っておいた方がいいんじゃないかな?」などと声かけもしますが)そして,この喜びを覚えると,自主的に漢字学習に取り組んでくれます。

このやり方では子どもたちの主体性が育たないというご意見もあると思いますが,主体性は別の場面で育めばいいのです。何も全ての教育活動において全ての教育の目的を達成する必要はありません。この漢字テストの目的は漢字を覚えて,書けるようになることなのですから,それが達成出来るのであれば手段はどんな方法でも問題ないと考えます。

漢字テスト中に丸つけを終える

さらにこれも,前述の坂本先生ご著書を参考にしたのですが,漢字テストを実施している最中に,私が机間指導をして,丸つけをして回ります。と言っても,ミスにチェックを入れるだけですが。これで,子どもたちの100点取得率はさらにUPします。人間誰しも,勘違いや間違いはあるものです。大切なのは,それに気づき,修正できることだと思っています。実際,正解を教えるわけではなく,「これは間違いだよ」とチェックをするだけなので,きちんと漢字を覚えている子は気づいて修正することが出来ますし,そうでない子は結局最後まで正しい漢字を書くことが出来ません。これも目的(漢字を覚えて書けるようにする)達成のために必要なことだと私は考えています。

最終的には相互採点

テストは授業時間を10分程度残して終了とします。単元末テストも漢字テストもそれ程問題量は多くないので,全ての子どもがこの時間で終えることが出来ます。そして,採点です。これは中学生ならではかもしれませんが,採点は相互採点を採用しています。

ねらいは2つ。

1つ目は,不正防止です。どうしても自分で採点をすると惜しい問題や分かっていたのに間違えた問題は直したくなるものです。しかし,不正は子どもたちも教師も幸せになれません。だからこそ,不正防止の仕組みとして相互採点を取り入れています。

2つ目は教師の時短のためです。楽をしていると非難されるかもしれませんが,全ての子どもたちの答案を丸つけしていたのでは,いくら時間があっても足りません。もちろん,最終的な確認はしますが,多くの人間の目を通っていた方が,ミスは少ないものです。

相互採点が終了したら,各個人が自分の点数やミスを確認します。ここで間違いがあれば,採点者に確認をして訂正して良いことになっています。最終的な責任を自分が負うことで,採点者のミスや点数のつけ間違いに気づくことが出来ます。(子どもたちには「採点してある点数通り記録簿に記録する」と伝えてあるため,よく確認してくれます)

以上のような方法を取れば,子どもたちが主体的に漢字の学習に取り組んでくれることでしょう。

これは中学生や学校に限らず,ご家庭でも同じことが出来ると思います。ただし,気をつけなくてはいけないのが,100点を取ることが目的にすり替わってしまわないようにすることです。あくまで,目的は「漢字を覚えて書けるようにすること」です。それさえ意識しておけば,子どもたちの漢字力はぐんぐん伸びること間違い無しです!

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