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沈む船? -救いの手はどこからくるか-

毎日ブログ 131日目(2020/7/8)

「あなたが辞めたなら、新しい人員を補充すればいい」

こんな言葉を投げ掛けられたら、あなたならどう感じますか?

ニュースを観て、唖然としました。

言葉の選択があまりにも考えがなさすぎる。
「相手の感情を逆なですること」を目的としているのではないかと思えてしまう。こんな言われ方をしては、400人の退職志願者に続く401人目が100人単位で増えても仕方がないのではないでしょうか?

同じことを伝えるのであっても、「言い方・伝え方」があるのではないかと、改めて思ってしまいます。

5月3日に、緊急事態宣言前後の県知事の発言に対し、考察を行っていますが、改めて考えてしまうショックなニュースでした。


そして今回の東京女子医科大学のニュース。

夏の一時金(ボーナス)が0円!?
普段からの経営陣にも不満。
400人の看護師が退職意思。


だからと言って…

言い方が適切だったら問題はないのかと言えば、実はそうでもないらしい様で…

私みたいな経営を知らない者でも肌感覚で分かっているようなことを、この経営陣はわかっていません。申し訳ないですが、あの弁護士の発言は正式な代理人としての発言である以上、そのまま経営者の発言と捉えられてしまう。私だったら即刻弁護士には退陣頂いて即刻謝罪ですよ。

これを読んでこの大学(組織)で働き続けようと思える方が一体何人いるのでしょうか?

様々なニュースをまとめてみると、もともとがかなりブラックな体質だったのではないかと浮かび上がってきます。

↑画像をクリックすると拡大できます。

私にはこのTwitterで流れる情報の真偽はわかりません。そんな真偽もわからない情報を引用するのも悩みましたが、あえて乗せたのは、退職意思を示している看護師400人の心中が、ボーナスカットが主な理由だと思えなかったためです。これはきっかけに過ぎないと思っているからです。

この他にも、30億円をかけて新校舎を作ったのに、完成後に「追加予算6億」をかけて、理事長室を新校舎に移動させた、と聞きます。なぜ最初から計画していなかったのか?

それで赤字と言われても…

日々そのような不満が、特にコロナ禍で溜まった不満が、今回爆発するための下地は、残念ですが十分にあったようです。


秒読み開始…?

今回の場合は看護師の皆さんな訳ですが、この皆さんの緊張やモチベーションを支えていたのは、患者さんに対する思い自分の仕事に対する責任とプライドだったのだと思います。

もともとコロナ禍で、医療に携わっている方々に対しての様々な心ない「あれこれ」が飛び交っていたり、自分自身や家族の感染の危険との隣り合わせの日々からくる業務へのストレス。それでも頑張ってきたのに!

自分たちの責任でボーナスカットであればそれはまだ納得できる。しかし

それが、「あんなに頑張ったのに、承認してもらいない(ボーナスゼロ)」でその緊張の糸が切れてしまったのでしょう。
そして追い打ち。

組合)看護師の対処希望者の予想数が400名を超える~
当局)深刻だとは思うが足りなければ補充するしかない。

これで東京女子医大は自分の将来を自らの手で幕引きをした印象を私は受けました。

確かに弁護士の言うことですから、『法的には間違ってはいない』のだとは思います。確かに退職の意思を持つ者をとどめておくこと自体が問題になってしまいます。説得は退職日までは行われるのかも知れませんが、職業選択の自由という自由権に抵触してしまうのですから。
他の事も同様です。法的には間違っていない様に思えるのです。

しかし人道からは外れているようにか思えません。気持ちが悪いです。

何故なら、コロナ禍は全世界の誰もが「痛い」思いをしました。「痛み」の種類・質はそれぞれですが、誰もが何かを我慢してきたのです。

確かにボーナスは「業績配分」だから業績が悪い時は出せない、と言われれば確かにそうかもしれない。しかしそこにあるはずの経営者の責任はどこに行ってしまったのか?
その負担の全てを患者さんたちのために頑張ってきた医師・看護師の方たちに押し付けるのはどうなのかと思います。


組織は人です。

意思を持った人が有機的に集まったのが組織です。
組織にいる理由を、構成する人が見いだせなくなった時、人はその組織を脱するのです。

今回の報道で、知ってしまいました。
今後「補充」されるかも知れなかった、別の現場で働く看護師さんたちが、この大学の考え方を。
後は負のスパイラルが巻き起こります。もう簡単には止まらないでしょう。

経営陣も出てくるなら、すぐに出てこなければ間に合いません。
いえ… もう遅いかも…

まずはせめて、辞められる看護師さんたちにすぐに救いの手が伸びますように願わざるを得ません。
そして一刻も早く入院されている患者さんたちも転院を受け入れてもらえる病院が見つかると良いと思います。



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