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安旨ワイン チリカベ 飲み比べ

私の過去と現在のワイン をテーマに、コスパに優れた傑作ワインを飲み比べていきます。

今回のテーマはチリカベ。

わたしの思い出 モンテスアルファ・カベルネソービニオンと
ACワインさんお勧め ユラスリス・マックス・レゼルヴァ・カベルネソービニオン
の飲み比べです。

結論は
モンテスアルファを抜栓後2時間置いて、菊料理との組み合わせは試してみる価値あり。
ユラスリスは抜栓直後からずっと美味しく飲める。
時の流れによる私の味覚の好みの変化を感じさせる飲み比べとなりました。

以下、詳しく見て行きます。

チリカベとは、チリのカベルネソービニオン の略です。元祖安旨赤ワインの代名詞とでもいうべきカテゴリーです。

カベルネソービニオンとは、世界的に有名な赤ワイン用のブドウ品種です。もともと、カベルネソービニオンは、フランスのボルドー地方で作られていたブドウでした。ワインレッドのことをボルドーと呼ぶことからわかるように、ボルドーといえば、フランスを代表するワインの銘醸地ですね。グローバリゼーションの波はワイン用ぶどう品種にも押し寄せ、優れたブドウ品種であるカベルネソービニオンは、今や全世界で栽培されています。

カベルネソービニオンで作られたワインは、豊かな果実味に加えて、チョコレート・ココアなどのカカオ系の香りと、杉・鉛筆削りなどと表現される木の香りが出ることの多い 重厚なワインになります。ただし、タンニン(渋み)が強いので、本家ボルドーでは他の品種のブドウと混ぜて(セパージュ)、熟成させて飲みます。最上級のボルドーワインは、10年以上寝かせてようやくその真価を発揮し、一本10万円以上するものもザラにあるくらいです。

美味しいけど、そのポテンシャルを発揮させるには手間がかかる、高級ワインのためのぶどう品種。そんなカベルネソービニオンのイメージを覆したのがチリワインでした。ブドウは育つ環境(テロワール)で風味が大きく変わる農作物です。1990年代後半にチリのいくつかの地域はブドウにとって理想的な環境であることが発見されました。加えてチリの人件費の安さ・醸造技術の発展も相まって、古典的なボルドーワインのイメージを覆す、新しいタイプのカベルネソービニオンのワインがチリから生み出されました。

チリのカベルネソービニオンワインの特徴は、まず第一にその圧倒的な果実味にあります。渋みと釣り合いが取れているので、それほど熟成させなくとも美味しく飲めます。そして、コストパフォーマンスが抜群にいい。一言でいえば安くてわかりやすく美味しいワイン、それがチリカベなのです。


今回飲み比べるのは

モンテスアルファ カベルネソービニオン・2015
2376円(税込)

実は、このワインは私の思い出のワインになります。ワインにハマり始めた大学時代に知人から勧められて飲んで、なんだこれは。旨い! と衝撃を受けたことを今でも覚えています。
クイーンズ伊勢丹で購入。

対するは
ユラスリス・マックス・レゼルヴァ・カベルネソービニオン・2015 
2160円(税込)

こちらは、現在愛用している ACワインさん お勧めのチリカベです。
ACワインさんについては、以下の記事も参考にしてください。


つまり、私のワイン歴 過去と現在に関する飲み比べ という趣向です。

ツマミとして春菊とローストビーフのサラダ

スーパーで買ってきたサラダ春菊(生食用の春菊。最近はこんなものもあるんですね)をオリーブオイルで和えて、これまた買ってきたローストビーフを乗せました。

クイーンズ伊勢丹の モンテスアルファのPOPに 菊料理とあわせてください とあり、更に赤ワインに合うとされる牛肉も加えれば完璧だろ と思いチョイス。

試飲 実食

モンテスアルファ
濃い赤。濃い果実とローストした樽の香り。口に含むと、強烈な甘み・渋み(タンニン)・酸味。フルーツガムのような香りと深くローストしたコーヒーの香り。タンニンと酸味が強く、何杯も飲むのはちょっときつい。

春菊とのマリアージュ(フランス語で結婚の意。ワインと食べ物の相性のこと)は、さすがに抜群。春菊の渋みとワインのタンニンが釣り合い、渋みを感じなくなる。面白い体験。

ローストビーフとのマリアージュは無難。

抜栓して2時間後がピーク。フルーツガムのような香りが落ち着き、純粋に果実味とローストコーヒーの香りを楽しめる。渋み酸味とも調和して、比較的何杯も飲める味になる。

学生時代に飲んだ時はもっと感動したのだが。私の味覚が変わってしまったのか、ワインの味が変わったのか。具体的にはもっと生クリームの味がして、タンニンと酸味もこれほど突出していなかったような。


ユラスリス
濃い赤。濃い果実と薄い生クリームのニュアンス。口に含むと、強い甘味。更にコンディションの良さからくるものだろうか、比較的穏やかなタンニン・酸味。一面に広がる生クリームのニュアンスがはっきり感じられる。パワフルだがこちらの方が飲みやすい。が、やはり何杯も飲むのは辛い。

春菊のマリアージュは、モンテスアルファに比べると微妙。合わなくはない というくらい。もっと、クリーミーなもの、例えばある種のチーズなどと美しくマリアージュしそう。

ローストビーフとも無難にマリアージュ。

開けたてから美味しく飲めて、時間が経過してもあまり大きな変化はない。強いて言えば生クリームのニュアンスが薄まったかも。


まとめ
モンテスアルファを抜栓後2時間置いて、菊料理とあわせたマリアージュは試してみる価値あり。
ユラスリスは抜栓直後からずっと美味しく飲める。

学生時代と現在の違いを感じさせてくれたテイスティングでした。どちらも美味しいワインと言えますが、正直、もう自分にはチリカベを一本開けるのはしんどい。エレガント寄りのワインに自分の好みが変化してきていることを確認させてくれた そんな飲み比べになりました。
ごちそうさまでした。

#ワイン #酒 #感想

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