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ACワインについて

私がワインにハマるきっかけとなったお店、ACワインについて紹介します。
ACワインはコピス吉祥寺地下1Fにある小さなワイン屋さんです。
http://acwine.doorblog.jp
社員2人、アルバイト1人でやっています。私が思うに、ACワインの特長は3つあります。

1 1000円前半から3000円代後半の価格のワインが中心
2 店に置いてあるワインは原則すべてを店員さんが試飲している。
3 ワインのコンディションにこだわる
最後に、特にACワインをお薦めしたい人の特徴を考えてみたいと思います。

1 1000円前半から3000円代後半の価格のワインが中心
この価格を見てどう思いますか。ワインに親しみのない人にとっては、 高い! と感じられるかもしれません。コンビニで売っているビールなら、かなりいいやつでもL当たり半分くらいの値段で買えますし、発泡酒ならもっと安い。ただ、この値段はワインとしては、かなり安い部類になります。音楽に例えるなら、コンビニに売っているビールは音源ダウンロード販売です。同じものを大量に作って安く売るビジネスモデルですね。対するワインはライブ演奏です。1つ1つのワインに物語があり、作業自体も手作業で作っているところが多い。そういっても、味に対するコスパはどうかと言われると、正直微妙です。コンビニに売っているビールはどれも個性はなくとも品質は安定している。ワインは当たり外れが大きい。そうした当たり外れ自体を楽しんで、ワインに関する物語を含めて味わうのがワインの魅力だと思います。また音楽で例えると、ACワインは、無名だけれどキラリと光るアーテイストのライブチケット(=個性的なマイナー生産者の作品)や、有名どころの最後尾の立ち見席(=有名銘柄の入門モデルや型落ち品)をたくさん扱っています。

2 店に置いてあるワインは原則すべてを店員さんが試飲している
原則、と書いたのは、一点物や一本数万円するようなワインは例外ということです。店にある99%は試飲してから仕入れている感じでしょうか。店員さんが試飲して納得いったものだけ店頭に並べるというのは、当たり外れが大きいワインを買う側としては安心感に繋がります。感覚でいうと、項目3:コンディションの良さと相まって、近所の酒屋や高級スーパーでワインを買う時に比べて、当たり外れの割合が倍くらい違います。近所の酒屋さんや高級スーパーで買った場合、ハズレか普通と感じる場合が70%、当たりが30%くらいだったのが、ACワインだとハズレか普通が30%、当たりが70%くらいです。
品質の期待値に加えて、店員さんがすべてのワインを試飲していることで、商品知識が半端なく高いです。買ったワインについて店員さんに聞けば、生産者、産地、品種、気候、味わい、合わせる料理、適した温度…いくらでも語ってくれますし(あまりの熱量にこっちが圧倒されてしまうくらいに!)、今日の夕食のメニューを言って合うワインを提案してもらうなんてのも可能です。ワインを買うと、そのワインのウンチクをまとめた紙をプリントアウトしてくれます。

3 ワインのコンディションにこだわる
ACワインと出会って、実感したのが、ワインはコンディションが大事ということです。どういうことかと言いますと、美味しくないワインの原因の一つに、ワインが劣化しているから、というものが多いということです。ワインは温度変化、直射日光、振動などによって味がどんどん落ちていく飲み物なんです。多くのワインは外国産です。つまり輸入しています。そうすると船の中で味が落ちてしまう。ひどいものになると、あちこちの店、倉庫をたらい回しにされ、その過程で味が落ちてしまう。味が落ちるとはどういうことかと言いますと、恐縮ながらワインを女性に例えると、せっかく元の目鼻立ちは美人なのに、直射日光と風雨に晒され、シミだらけ、日焼けあとで肌がボロボロ、深いシワが刻まれた状態のイメージです。もう少し具体的な味で説明しますと、果実味が失われて、代わりに鉄や銅など金属臭が前面に出てくる、色の濃い香辛料の香りが突出してくる状態です。熟成しているんだけれど、乱暴に熟成させたのでバランスが崩れてしまった状態ですね。あまりに酷いと、商品にならないのでしょうが、多少の劣化なら、もともとこんな味かでスルーしているケースが多いと思うのです。ACワインでは、空輸、蔵出しのワインを優先して仕入れて、顧客におすすめしています。空輸とは、文字通り飛行機で輸出したワインで、蔵出しとは、出荷直前まで製造した蔵元のセラーで保管されて、直でACワインに届いたということで、空輸かつ蔵出しのワインがコンディションとしては最高です。一度、千円ちょいの空輸の赤ワインを飲んで、びっくりするくらい美味しくて、ワインは銘柄よりコンディションで選ぶべきだと実感した次第です。残念ながら、空輸または蔵出しのワインは、ACワインの商品全体の10〜20%くらいですが、空輸または蔵出しでないワインも、良心的なインポーターを選んだり、到着してから数日置いてワインを落ちつかせてから陳列するなど、コンディションに対する努力をしているようです。

ワインはただのアルコール飲料ではなく、購入から試飲、背景の物語の享受に至る体験を楽しむものだと思います。安定して上質のワイン体験をするために、ACワインはとても魅力的なお店だと思います。

最後に、ACワインをお薦めした人の条件を考えて、筆を置きたいと思います。

こんな人にACワインはお薦め!
1ウンチク好き
2コスパ重視
3味にうるさい
の3点です。以下、詳しく説明します。

1ウンチク好き
今、ワインにハマっていなくとも、すでに何かウンチク系の趣味を持っている方にACワインはお薦めできます。初心者の人はその旨を伝えると色々教えてくれます。ワインにハマるきっかけになるかもしれません。ワインに造詣が深い人も店員さんに好みを伝えれば、興味深い提案をしてくれると思います。

2コスパ重視
デフレ時代で、趣味にお金をかけられない、けれどワインを趣味として楽しみたい。そんな人にもACワインはお薦めです。逆にお金をいくらかけていいから最高の品を味わいたいという方には、他の選択肢があるかもしれません。某有名銘柄と同じ中身の無名品、ラベルが汚れていたから大幅値下げ、無名の掘り出し物…。お得感がACワインの強みです。

3味にうるさい
単純に美味しいものを味わいたい、という方にも、ACワインなら満足できる確率が高いです。味はなんでもいいから効率的に酔っ払いたいという方には不向きです。

3つのうち、2つ以上当てはまっていたら、ACワインに足を運ぶ価値があると思います。
本当に素晴らしいお店だと思うので、この記事を読んでACワインに足を運んで、ワインライフを楽しむ人が一人でも増えてくれたら嬉しいです。

#ワイン #酒 #吉祥寺 #ACワイン #自己紹介  

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