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買ってよかったもの 神亀 純米清酒 甘口 について

あけましておめでとうございます。新年1本目の記事として、昨年を振り返って、自分が一番買ってよかった と思う日本酒を紹介します。
神亀 純米清酒 甘口 です。


私が考える神亀 純米清酒 甘口 の特長は3つあります。

1 ありそうでない絶妙の香味バランス
2 合わせるつまみ、温度を選ばない
3 抜栓後の耐久性が半端ない

万人向けとは言い難いが、私にとってとにかく使い勝手がいい。織田信長は、かつて部下の豊臣秀吉(当時の木下藤吉郎)を、どのような仕事をやらせても必ず結果を出す使い勝手のいい部下 という意味を込めて、木綿 と表現したと伝えられていますが、私にとっての神亀 純米清酒 甘口 もまさにそれです。開けたてで飲んでもいいし、抜栓後半年以上放置しても大丈夫。どの温度で飲んでもいいし、なんのつまみと合わせてもいい。とりあえず、棚に置いておいて後悔することはない。抜栓後の特定のタイミング、特定のつまみ、特定の温度にしての瞬間最高風速で 神亀 純米清酒 甘口 を上回る酒ならいくつか思い浮かびますが、この酒ほどあらゆるシュチュエーションでウマイと思わせる酒は他にはちょっと思いつかない。
抜栓後放置しすぎて、ピークを逃した。失敗した。
用意したつまみと合わなかった。失敗した。
冷やしたら/温度を上げたら、良さが消えちゃった。失敗した。
そいうことがない。後悔させない酒。それが神亀 純米清酒 甘口 なのです。

以下、詳しく見ていきます。

1 ありそうでない絶妙の香味バランス
ウマイはアマイから来ています。
日本酒=辛口 と思っていた時期が私にもありました…。
そろそろやめませんか。意地を張るの。
いきなり挑発的な書き出しになりましたが、過去の自分への自戒を込めて書きました。

私自身、神亀 純米清酒 甘口 の存在は、10年ほど前から知ってはいたのですが、上記の どうせ甘口だろ という訳の分からない偏見から、専ら、同じ神亀のレギュラー商品である 神亀 純米清酒 辛口 を飲んでおりました。


神亀の日本酒には、どれも一本筋が通っておりまして、フルーティーさはほとんどない。米の旨味重視。燗向きの酒質。そのために、いい米を使って、手仕事を施し、最低2年は熟成させてから市場に送り出す。商品は全て純米系。と、まことに驚嘆すべき取り組みをしている蔵です。
神亀 純米清酒 辛口 には、糖蜜のようなミルキーな甘みがあり、それを私密かに カメラルドグリーンの香味 と呼んでいた次第なのであります。
ところが、年とともに、私の味覚が変わったのか、造りが変わったのか、神亀 純米清酒 辛口 から、かつてほどの とろりとした甘み を感じなくなってきました。さらりとしてどこか物足りない、私の思う 神亀らしさ が薄まったように思ったのです。
そんな時、ふと購入したのが、神亀 純米清酒 甘口 でした。そこに、かつての私の記憶にある神亀らしさ がはっきりと感じ取れました。現在の神亀のラインナップの中で、一番、 神亀らしさ を表現している銘柄を挙げよ と言われたら、私は、この 純米清酒 甘口 を選びます。

神亀 純米清酒 甘口の味わいはどのようなものでしょうか。
一言でまとめると、
甘口だが、重くはない。フルーティーさはなく、米の旨味がしっかりと出ている。
になろうかと思います。そして、この味わいは、他ではちょっとお目にかかれないものなのです。

折しも今、日本酒は、甘口ブームです。フルーティーで甘い酒はゴマンと出ています。ですが、甘いのにフルーティでない酒はそれほど多くはありません。
さらに、甘いのにフルーティーでない酒は、酒質が重くなりがちです。アミノ酸をいっぱい出して、味噌や醤油、スルメのような旨味を感じさせるパターンですね。個人的には、こうした酒は、割水をして燗にしないと飲むのはちょっとしんどいかなと思うので、あまり好きではありません。神亀 純米清酒 甘口 は、甘口なのに軽いのでスルスルといくらでも飲めてしまいます。

甘さと軽さを兼ね備え、かつ、流行におもねることなく、フルーティーさではなく米の旨味で勝負する。神亀 純米清酒 甘口 は、本物を志向してきた神亀酒造のスピンオフ的な酒だからこそできた、絶妙の香味バランスをもっていると思います。そして、今や、時代は一周して、神亀 純米清酒 辛口 のスピンオフどころか、神亀を代表する銘柄になったのではないかと自分は思っています。

2 合わせるつまみ、温度を選ばない
ウマイはアマイで、フルーティーさがない分、ほとんどご飯のようなものなので、ご飯に合うものならなんでも合います。ご飯に合わないおかずというのは、和洋中華エスニックを通じて考えられないので、つまりどんなつまみにも合います。少なくとも私は、神亀 純米清酒 甘口 と合わない と思ったつまみと出会った記憶がありません。
ウマイはアマイなので、そのまま冷やで飲んでも美味しいですし、ぬる燗だと、甘口の酒質をそのまま楽しめます。温度を上げると、甘みが飛んで、爽快な辛口の酒として口の中を洗い流してくれます。

ここで、私が燗のつけ方を教わった、熱燗DJつけたろうさんの師匠にあたる、渋谷にある日本酒バー ガッツ の主人がお勧めする 神亀 純米清酒 甘口 のオススメの燗のつけ方を紹介します。

神亀(しんかめ) 純米酒 甘口のつけ方
お酒を錫のちろりに入れる
湯せん(90°C)で73°Cまで上げる
常温のお酒を少し足して65°Cまで下げる
あらかじめ温めておいた徳利に静かに注ぐ
口径が5cmの小さめの平盃で飲む
https://retty.news/26552/
より

実際、自分もこのようにつけて見たのですが(ちろりの部分は熱燗DJつけたろうさんの教えに従い、ビーカーで代用しました)、ぬる燗と熱燗のいいとこ取りの味わいになります。つまり、爽快かつ甘い。ぬる燗は甘みを強調、熱燗は甘みを飛ばして爽快な辛口、と万能の酒質のある一部を強調するような感じだったのですが、このようにつけると万能の酒質をそのまま燗に移行したような味わいになります。一手間かけても試す価値ありだと思います。

3 抜栓後の耐久性が半端ない
ウマイはアマイで、抜栓後放置しても、劣化を感じることがありません。私の記憶ベースなのですが、抜栓後、少なくとも半年、もしかしたら1年以上常温で放置したであろうものを飲んで見ても全く劣化を感じませんでした。逆にいうと、抜栓後の空気酸化による味わいの変化は感じにくい銘柄と言えるかもしれません。いつ飲んでも、まろーんとした酒質を楽しめます。

私は現在、30代後半ですが、20代の頃は、ストレッチの入ったジーンズを履くのは負けだ と思っていました。現在、20代の頃に買ったタイトなブランドジーンズはタンスの奥で眠り、代わってヘビーローテーションしているのが、ユニクロのストレッチの入ったスキニージーンズです。履きやすい。動きやすい。綺麗に見える。ついでに安い。これ以上何を望みましょうか。

甘口 ということで 神亀 純米清酒 甘口 をまだ試していない日本酒好きの方がいらっしゃったら勿体無いことです。神亀 の他の銘柄が好きならまず後悔しません。神亀ってどんな銘柄か特徴を知りたい方にもオススメです。飲みやすい。食事に合わせやすい。どんな飲み方をしてもいい。劣化しにくい。ついでに安い。これ以上何を望みましょうか。

#買ってよかったもの #日本酒 #酒 #神亀  

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