見出し画像

#18 "クリーニングレディがやってくれるから"と言われた教育現場


子どもが自分たちの学校を清掃するという国は、世界中でどれだけあるだろう? 今のところ、誰に訊いても、日本以外の国は出てこない。


以前職場だった学校で、ちり取りをもってきて床を掃いていた。

そこに、若いボーイバンド (日本ならアイドルグループ) に居そうな同僚から「ミズカ~、そんなのやらなくていいよ。クリーニングレディがやってくれるよ」と止められた。


イギリスの学校は、清掃会社にお金を払って、毎日放課後に全校舎を掃除してもらっている。
大人である職員ですら、『誰かがやってくれるから』自分たちが掃除する必要はないと思ってる。

でも、床のゴミを放課後まで放っておいたらもっと散らかるではないか‥‥ 自分の出したゴミを大人が始末しなかったら、子どもに示しがつかないではないか‥‥

子どもに掃除をさせないことは、子どもたちが自ら環境を整える可能性を奪っていると思う。

「発展途上国で、子ども達が学校に行く代わりに働いてるでしょ。あれは人道的じゃないわ。」という人たちがいる。
それの延長みたいに思う人もいるようだ。

だからイギリス人に話して聞かせると、最初「日本では子どもが学校の掃除をさせられているの?」って戸惑われることもあった。

でもそこで私はいつも力説した。「だって子どもたちに自分達の生活環境を整える責任を持たせるなんて、本当に素敵なことだから。お金がかからない上に、子ども達自身が教えられなくとも、教室を綺麗に使おうって思うもの」

そもそも子どもにとって、『誰かがやってくれるから、いくらでも汚して大丈夫、明日の朝にはまたきれいになってるのがあたりまえ』ってどうなんだろう‥‥


職員の私たちこそ、放課後、お掃除の方たちと顔を合わせて挨拶もした。だが子ども達は、自分が帰った後に一生懸命床に掃除機をかけ、汚れた机を拭きあげ、ごみを片づける人達が居てくれることは、きっとイメージできてない。
本当は、子どもが自分で当たり前に掃除をしたなら、教えなくても解決する事ってたくさんあるはずなのだ‥‥


SNSでよく話題に上る日本のサポーター達。それは、海外のスポーツマッチの後で、日本を応援した後、自分達の応援サイドだけじゃなく、相手サイドの観客席もきれいに掃除して帰った、という手の話だ。
だから「日本人っていったいどういう国民!?」なんていう驚きの反応が出る。
こういう話は、海外の人から見ると、ありえないことだから話題になるのだ。でも、それは『掃除』という学校教育の成果が、そんなところに自然に出ただけのことなのかもしれない。

海外に住んでると、祖国のこんな話を聞くたびに、
『世界のお手本になってくれてありがとう』って思う。そんな日本が、とっても誇らしい。


ただ‥‥、ダメ出しみたいで申し訳ないが、ハロウィーンの騒ぎの翌朝、渋谷の街に散乱したゴミとか、花見宴会の後の上野公園のゴミ箱周辺の無残さも、テレビに映ってしまってた。
残念だと思った。誇らしい気持ちがシュンとなる‥‥

日本人は、『みんな一緒』なら『赤信号でも渡れてしまう』国民だから?

今日本にいる人たちは、みんな自分の学校で掃除をしてきた人たちなのですよね? 

酔っぱらっててもゴミはきちんと捨てなきゃ‥‥








最後まで読んでいただきありがとうございます。スキのハートは会員じゃなくてもポチっとできます。まだまだ文章書くのに時間がかかっておりますが、あなたがスキを残してくださると、とっても励みになります♥