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コントロールとリフレーミング

鳥羽和久さんの「君は君の人生の主役になれ」を読んで思うこと④

現在、「〜したらダメ」みたいな否定語をポジティブなフレーズに言い換えようと提案する育児本が人気です。このようなリフレーミングがなぜもてはやされるようになったかといえば、親の否定的なコントロールが行き過ぎると、それが子どもの人生を乗っ取ってしまって、ときにめちゃめちゃにしてしまうという反省があるからです。だから、いかに子どもを否定することなく、「自己肯定感」を損なわずに立派に育て上げるかという点に大きな関心が向かうようになりました。

しかし、少し考えてみればわかることですが、リフレーミングを意識する親は、「私が子どもに働きかければ子どもはそうなる」というコントロールの欲望をむき出しにしていますよね。

親は否定語を使うことを無理に抑制する必要はありません。だって、親でなくて誰が否定に対して反発することを子どもに教えるんですか。それに、否定語がポジティブに言い換えられるときには、子どもは言い換えられたメッセージと同時に、そのパフォーマンスに含まれる親の作為を読み取るので、結果的に、見当違いの配慮や詐術を学ぶこともあるでしょう。否定語を直接投げかけられたとき以上に、親の身勝手な欲望に勘づいて反発することもあるでしょう。

鳥羽和久著『君は君の人生の主役になれ』より

 リフレーミングとコントロールは、誰にだって(大人同士でも)行われることだと思います。ただ、その根底にはリフレーミングやコントロールする側の欲望があり、その欲望には強い不安感が隠れている。親切心や優しさの中に…。
 どちらかというとリフレーミングはよい働きかけでコントロールはその反対だという認識でいましたが、深いところでつながっていそうです。
 「自己肯定感」や「リフレーミング」など、ひとつの言葉と出会ったときに、深く掘り下げてみることが大切だと感じました。
 また、ポジティブな言葉だけでなく「否定」することについての意味についても納得!
 否定することの意味なんて考えたこともなかった…。でも、大切なんです「否定」。
 人間は〈共同注視〉〈指さし〉など【共感】から始まります。その後「みてみて!」と感情を共感させますが、いくつかの〈反抗期〉にみられるように【反感】を育てます。
 この【反感】がとても大切。今まで、素直で可愛かった子が、共感を越えて、自分で考え始めるということです。
 人間は身体→感情→思考の順に育ちます。思考を育てるのが【反感】です。
 
 リフレーミングとコントロールは、共感と反感でもありそうですね。
 迷っても大丈夫ですよ。子どもは大人を見抜きます!目の前の子どもをみながら、大人も学んでいきましょう。

 必要な方に届きますように。


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