見出し画像

『ささやかなものたち』

日々の中に溢れている、取るに足らないささやかなものが好きだ。

 遠くから聴こえてくる電車の音
 道端に咲く名も知らぬ小さな花
 ルリシジミの小さな羽ばたき
 庭で鳴く鳥のさえずり
 歩道橋から見る少しだけ高い景色
 木漏れ日の揺らぎ
 友人のお店で過ごすひと時
 映画の始まる前の一瞬の暗闇と静寂
 歩いていると香ってくる夕飯の匂い
 昼と夜の間の青く染まる時間
 涼しくなった夜に聴く秋の虫の音
 頬を撫でる風
 不意にやって来る沈丁花の香り
 雪の朝
 たんぽぽの綿毛

挙げて行けばきりがない日常を彩る些細なこと
忙しいと、つい忘れてしまう事柄でもある。

気持ちに余裕がないと、無いものとして通り過ぎてしまうささやかなものたち。それらは、ドラマチックな展開が用意されている訳でもなく、社会を動かす大きな何かでもないけれど、世界を構成しているほとんどは、そんなささやかな名も無きもので出来るのではないかのだろうか。

それらを感じられている時は、心の中は穏やかさで満ちている。

日常の中に溢れるきらめきを受け止める心の余裕や、ささやかなものに向ける視線の大切さを改めて想う。

P1020674_足元に咲く


あなたにとっての、ささやかなものはなんですか?

よかったら、そっと教えてくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?