『くまと和歌』コレクションについて
大島紬テディベアで和歌の新たなイメージを紡ぐ
このコレクションでは大島紬テディベア『泥太郎と藍太郎』を
歌人に見立て絵画化し、和歌の情趣を表現します。
絵画で和歌に新たな生命を吹き込む
例として、伊勢物語に出てくる在原業平(ありはらのなりひら)の
和歌をモチーフにした絵画を見てみましょう。
上の絵画は江戸時代に俵屋宗達(たわらや そうたつ)が伊勢物語に出てくる
業平の和歌を描いた物語絵です。
物語絵とは仏教説話や古典文学から象徴的な場面を抜き出して、
それを絵にあらわしたものです。(注1)
この図は『伊勢物語』中、「西の対」の段で、在原業平とされる男が、
かつて懸想した貴婦人(二条后宮)の旧屋を訪ねて物思いにふける
場面であります。
物語絵から見立絵へ
続いて、同じ和歌をモチーフに描いた鈴木春信(すずき はるのぶ)の
絵画をご覧ください。
物語では主人公は男性であるが、本作では女性に換えて美人画としても鑑賞できるような図柄になっており、女性を業平に見立て新たな伊勢物語を
創造しています。(注2)
このように、古典文学をそのまま描く物語絵ではなく、時代概念、服飾などを超越して当世風に描いた絵画を見立絵といいます。
大島紬テディベアを歌人に見立てる
『くまと和歌』コレクションでは、見立絵の手法で
大島紬テディベア『泥太郎と藍太郎』を歌人に見立て、
絵画化し和歌の新たなイメージを紡いでいきます。
『泥太郎と藍太郎』を古典に対峙させる
時代によって、和歌享受の形は変わってきます。
大島紬テディベアなら和歌の抒情性を、もっと引き出せると思います。
〈古典をどう紡ぐか〉
この命題に『泥太郎と藍太郎』と共に挑んでまいります。
それでは、テディベアならではの感情表現をお楽しみください。
瑞穂国謹製 みずほのくま
(注1)出光美術館 物語絵 〈ことば〉と〈かたち〉
(注2)和泉市久保惣記念美術館デジタルミュージアム
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