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移住生活に憧れて


今回の#日刊かきあつめ のテーマは、#好きなスタイル 

ここ10年くらいで私の周りには「東京」を去る人が増えた。移住ってやつだ。東京から抜け出して豊かな自然を感じながらのんびり暮らしたいってところだろうか。ある人は館山に、ある人は小笠原に、ある人は葉山に…てな感じである。その思いきりがすごいなあ、かっこいいかなあ、と感心しきりである。

そんな中でも山梨に越したとある友人はすごい。自然との暮らしを突き詰めているとでも言おうか。まさに私の好きな(というか憧れの)スタイルである。

30代前半で山梨に単身移住した彼女、しばらくは近隣のスキーや宿泊施設で日銭を稼ぎ生計を立てていた。しばらくすると畑と田んぼを作った。土を耕すところから。

トマト、ネギ、みょうが、じゃがいも、なすなどの野菜やコリアンダーシードなどのスパイス類。
育てる野菜は増えていき、ついにはお米まで。

元々お肉は食べない人だから自給自足に近い暮らしを送っている。味噌、醤油、濁酒、梅酒、ジャム、漬物、なども全部手づくり。

手間暇かけて自分の納得のいく暮らしをしたいのだという気概が伝わってくる。何より楽しいのだろうな。

当たり前のように毎日満員電車に揺られて通勤し、夜帰ってきて、スーパーで買ったお惣菜で空腹と空虚さを満たす毎日な私のそれとすごく隔たりを感じる。

彼女の人生を振り返ってみると、小学生のうちから進学塾に通い(ここで私たちは出会った)進学校から名門大学へ進み、卒業後は、高倍率を突破して大手アパレルメーカーへ。そこで過度のストレスから大病を患ってしまう。仕事を辞め日本全国様々な地を巡り、最終的に現在の山梨に落ち着いたという。

限界まで一度追い詰められた彼女が生き方を見直した結果、納得感を持って命を全うできるのがこのライフスタイルなのだろう。

自分の心の声をしっかり聞き意思やこだわりを持って生きる彼女に憧れる。そういえば昔からそうだったな。努力家で必ず結果を出すひたむきさに私はすごく憧れていたんだ。

ひとりで作れるものには限界があるので、欲しいものがある時彼女がやるのは、「ギフトエコノミー」ってやつ。要は物々交換だ。これはSNSで募る。こないだは自宅のストーブでことこと煮込んだりんごのコンポートと何かを交換していた。 

しばらくぶりにSNSを開くと昨年パートナーとの間に授かった男の子をおぶって畑仕事に精を出す彼女の姿があった。

私の好きなスタイルを生きていく彼女に今後も目が離せない。

文:べみん

編集:アカヨシロウ

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