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-映画紹介-『子猫をお願い』 子猫のようにじゃれ合っていた仲良し女子5人組が卒業して社会に出たら・・

 《乱れ撃ちシネnote vol.83》

『子猫をお願い』 チョン・ジェウン監督 2001年公開

鑑賞日:2023年4月2日 u-next

【Introduction】
「オールタイム・ベスト恋愛映画 海外編」 佐々木敦
10本目、最後の作品を観ました。

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』 エドワード・ヤン監督   1991年 台湾☆
どんな話が始まるのかいらいらしながら観ていましたが50分で挫折。
まったく共振度の低い作品でした。
ということで、
佐々木敦編「オールタイム・ベスト恋愛映画 海外編」が一段落したのでFilmarksで見かけたタイトルが気になって観たのが本作品です。

終わってみると、っでいったい何だったのと感じる作品でした。
っが、監督のセンスがとてもいいんです。
デビュー作でこんな素敵な映画が撮れるとは恐れ入ります。

そして気になったのが主役のぺ・ドゥナ
平凡なのか個性的なのかよく分からない顔つきの女優です。
セックス・アピールなど全然感じませんしどこにでもいる女の子風なのでつい見逃してしまいますがオーラが凄いんです。

備忘録を検索したところ『リンダ・リンダ・リンダ』、『ハナ奇跡の46日間』、『クラウド・アトラス』、『空気人形』で見ていました。

『子猫をお願い』は、
高校時代の仲良し女子5人組が卒業後社会に出て別々の道を歩み出すうちにそれぞれ壁にぶつかり、
悩み傷つき、互いの友情にも変化が生じてくる物語です。
冒頭のシーン。
海に面した波止場の駐車場で軍歌を歌い写真を撮りあう無邪気な女子高生5人組。その数ヶ月後に商業高校を卒業した5人は大学に進学しないで社会に旅立ったのですが・・・。

【Story】
*商業高校を卒業した仲良し5人組。
明るく行動的なテヒ(ペ・ドゥナ)
実家のサウナを手伝いながら週に1回身障者の詩人のタイピングのボランティアをしている。

ペ・ドゥナ

・証券会社にコネで入社したプライドの高いヘジュ(イ・ヨウォン)
高卒に引け目を感じながら一生懸命働いているが無職のジョンとは常に対立している。

イ・ヨウォン

・無職で絵の上手いジヨン(オク・ジヨン)。
幼いときに親を亡くし祖父母と貧しい生活をしていたジョンは絵が上手く、テキスタイル・デザインの勉強がしたいと思っているがお金がないので友人たちにお金を借りることもある。
ジョンはある日子猫を拾いティティと名付けて育てている。

オク・ジヨン

・双子のピリュとオンジョ(イ・ウンシル、イ・ウンジュ)。
露店でアクセサリーを売っていて正規の仕事には就いてない。

右2人=イ・ウンシル、イ・ウンジュ

ヘジュがソウルへ引っ越したので5人はソウルで再会する。
満月の夜5人は集まって未来の夫が見えるという呪いを試すがテヒが家の扉を閉めたために鍵がかかってしまい5人は1晩中寒い外で朝を迎えることになる。
4人がソウルから故郷へ戻るとジヨンの家は倒壊し祖父母も亡くなり呆然とするジヨン。飼い猫ティティをテヒに預けたが、葬儀の後、警察に容疑者として捕まる。
ジヨンは黙秘を続けたために少年院に入れられてしまう。
彼女を心配して度々面会に訪れるテヒ。
数か月後疑いが晴れて退所したジヨンを迎える、テヒ。

テヒはジョンに一緒に世界中を旅しょうと誘う。
家業を手伝った1年間分の給料を持ちテヒとジヨンは新しい世界へ旅立つ。


【Trivia & Topics】
*地味で素敵なペ・ドゥナ。
この作品はペ・ドゥナがいなければ成り立たない。
というのは言い過ぎきかもしれませんが、
ふつ〜の女子をペ・ドゥナが自然体で演じるふつ〜さ。
ペ・ドゥナはどこにでもいるふつ〜で地味な女子なのになんでこんなに素敵なんだろう。
個性的な目が印象的なんです。

美人じゃないしでどこにでもいそうな普通の女の子を自然体の演技でこなすので女優としては目立たないのです。
それでも個性的な顔つきが忘れられれません。

今や日本映画やハリウッド映画にも出演しています。
是枝裕和監督の映画『空気人形』では第33回日本アカデミー優秀主演女優賞も獲得しています。
この女優はすごいと思います。

『空気人形』

*チョン・ジェウン監督
切ない青春群像劇を淡々とみごとな演出で切り取ったこの作品がデュ−作だというのですから驚きです。
公開当時韓国での興行成績はよくありませんでしたが「韓国女性が選ぶ最高の韓国映画第1位」に選出されています。

*受賞歴。
・2001年 第6回釜山国際映画祭 - アジア映画振興機構賞、最優秀アジア新人作家賞部門 Special Mention受賞。

・2001年 第22回青龍映画賞 - 新人女優賞(イ・ヨウォン)。

・2002年 第38回百想芸術大賞 - 最優秀女子演技賞(ペ・ドゥナ)、新人女子演技賞(イ・ヨウォン)。

・2002年 第1回大韓民国映画大賞 - 新人監督賞。


【5 star rating】
☆☆☆

【reputation】
Filmarks:☆☆☆★(3.8)

Amazon:☆☆☆☆

u-next :☆☆☆★




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