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-映画紹介-『南極料理人』 だってラーメンが食べたいんだもん(泣!)

《乱れ撃ちシネnote vol.10》 22.10.05

南極料理人

【Introduction】

『ハチミツとクローバー』で蒼井優以外に目に止まったのが堺雅人でした。
煙たそうに目を細めてタバコを吸う顔が印象的です。
この人は誰なの?

テレビ・ドラマをほとんど見ないので堺雅人が2004年の大河ドラマ「新選組」に出演したこともその年のテレビブロスで“好きな男”ナンバーワンに選ばれたことも知りませんでした。
彼がお茶の間でブレイクしたのは2013年のテレビドラマ「半沢直樹」
お約束の名ゼリフ「(やられたらやり返す)倍返しだ!」はその年の流行語大賞を受賞しています。

このレビューを書くために過去のブログを検索して驚きました。
堺雅人が何回も登場するからなんです。
ぼくはホントにこの人のことが好きなんだな〜と改めて思ったしだいです。一番好きな堺雅人は『南極料理人』の主役西村淳です。

今回の【Prologue】は2009年8月29日シネプレックス平塚で初めてこの映画を観た日のブログを転載します。

【Prologue】

-前略-

このまま帰宅するのもつまらない。
例えつまらなかったとしても堺雅人が見られるからいいか。
その程度の気分でシネプレックス平塚に向った。
堺雅人に目が止まったのは「ハチミツとクローバー(2006年)が最初で、去年の「アフタースクール」、「クライマーズ・ハイ」、「ジャージの二人」。堺雅人は3本ともとてもいい味を出していた。

『南極料理人』は吹雪く氷原にかすむドームふじ基地のシーンから始まる。

カメラはフィックスで長まわし。
おいおいなんだよこのもったいぶった長まわしはと思い始めた頃、
建物から飛び出した男を3人の男が追いかけて男が取り押さえられる。
「どこに逃げようっていうんだ。お前も強くなるんだよ」と臭いセリフを口にして追いかけていた男が逃げ出した男をぎゅっと抱きしめる。
涙を流してうなずく男。
これは外したかな〜と思った瞬間次のカットバックで見事にその不安は裏切られる。
うまいな〜この導入部のテンポは。

平均気温摂氏マイナス57度、最低気温がマイナス80度前後、日本から14,000Km離れた南極の標高3,800メートルにあるドームふじ基地。
高度4,000メートルの気圧に相当するのでお湯は85度で沸騰。
酸素は通常の6割ほど。
そんな極限状態に閉じ込められた8人の男たちに巻き起こる様々なアクシデント。
1年半の間極北の密室に閉じめられた男たちの唯一の楽しみは食事。
あの手この手を使って隊員たちに喜んでもらえるよう頭をしぼりワザを駆使する南極料理人の涙ぐましい毎日が続きます。

料理人、雪氷学者、雪氷サポート人、気象学者、医療担当、車両担当、通信担当、大気学者というプロフェッショナルな男8人が世間から隔離された特殊な環境の中ではどんな事件が起こりどんな喜劇・悲劇が生まれるのか。

世間から遠く離れた異常な空間の中で鬱になり仕事も手につかず部屋にこもって風邪を引いたと言い訳したところで通じません。
細菌すら生存出来ない極寒地で風邪をひくわけがないのですから。

だってラーメンが食べたいんだもんと中年男が涙したりもする。

極限状態では思いもしないことが起こり「そんなバカな」の笑いの連続。
この完成度で商業映画第一作目の沖田修一監督32才の次回作が楽しみだ。
さっそく帰り道に原作の文庫分を手に入れた。

残念ながらこの作品は現時点ではAmazonPrimeVideoでは有料、u-nextでは配信していませんがNetflixとHuluでは見放題で観られます。



今回は【Trivia & Topics】のかわりに過去のブログを転載しました

✻2011年2月5日付万歩計日和より。

堺雅人に注目したのは2006年公開の映画『ハチミツとクローバー』
素敵な役者だな〜と気になって『アフタースクール』『クライマーズ・ハイ」『ジャージの二人』(2008年)、『南極料理人』『クヒオ大佐』(2009年)、『ゴールデンスランバー』(2010年)、『武士の家計簿』と見続けてきた。『クヒオ大佐」以外すべていい味を出しているけれど、『ハチクロ』以外では『南極料理人』と『武士の家計簿』が特に好きな作品だ。

✻2011年4月1日付万歩計日和より。

このところぼくがレンタルDVDで追いかけているのは堺雅人満島ひかり石井裕也監督作品だ。

堺雅人が出演している映画でぼくが観た作品のリストがこれだ。
『火星のわが家』大嶋拓監督(2000)
堺雅人映画初出演作品。
堺雅人の印象は薄いけれど、冒頭から何て下手な演技なんだといらいらさせた主役の女優がだんだん素敵に見えてくる。
彼女はジャズ・ヴォーカリストの鈴木重子だった。

『ひまわり』行定勲監督(2000)

堺雅人がメイクアップ・アーティストというのはミス・キャストでしょ。
麻生久美子はどんな映画に出ても素敵。

『張り込み』 篠原哲雄監督(2001)
ミス・キャストというか堺雅人である必然性がないような。
小市慢太郎の異常ぶりはいいな。

『ココニイルコト』長澤雅彦監督(2001)
堺雅人の関西弁がひょうひょうとした味わいを醸し出していて面白い。

『ハチミツとクローバー』 高田雅博監督(2006)
蒼井優の存在感はビックリしたけれど、常にタバコの煙に目を細めている先生を演じた堺雅人がちょっとクサいけれどうまい。
初めて堺雅人が目についた映画。

『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』三池崇史監督(2007)
退屈なので最後まで見なかった。

『壁男』早川渉監督(2007)
退屈なので最後まで見なかった。

『アフタースクール』内田けんじ監督(2008)
大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人。
このところお気に入りのバイ・プレイヤー三人のそろい踏みが嬉しい。

『クライマーズ・ハイ』原田真人監督(2008)
命がけで取材した記事を踏みにじられて憤慨する新聞記者を演じた堺雅人がとてもいい。

『ジャージの二人』中村義洋監督(2008)
脱力系映画でもいい味出すな〜堺雅人は。

『ラッシュライフ』東京芸術大学映像研究学科(2009)
退屈なので最後まで見なかった。

『南極料理人』沖田修一監督(2009)
堺雅人のキャラクターがピッタリはまっている。
原作よりも映画の方が面白い希有な例。

『クヒオ大佐』吉田大八監督(2009)
退屈。堺雅人ミス・キャスト。

『ゴールデンスランバー』中村義洋監督(2010)
爆破事件の犯人に仕立て上げられた堺雅人の困惑ぶりは面白かったけれど、連続殺人犯を演じる濱田岳のあっけらかんとしたキャラクターが強烈に印象に残る。

『武士の家計簿』森田芳光監督(2010)
堺雅人はまり役。出来不出来の激しい森田監督の当たり作品。
ちなみに森田監督作品マイベスト3は『ライブイン・茅ヶ崎』(1978年)『の・ようなもの』(1981年)『家族ゲーム』(1983年)。

以下2本は2013年のブログに書いてあったものを加筆しました。
『ツレがうつになりまして。』佐々部清監督(2011)
突然ウツになってしまった夫(堺雅人)と優しくダンナを介護する妻(宮崎あおい)の物語。宮崎あおいも素敵。地味ながら良い作品だ。

『鍵泥棒のメソッド』内田けんじ監督 (2012)
全く正反対の性格の2人に起こったアクシデントが巻き起こすコメディ。堺雅人と香川照之が絶妙なコンビネーションで笑わせてくれる。

✻2013年11月27日付万歩計日和より。

「2013年ブレイク俳優」首位は堺雅人〜2位以下に圧倒的大差!!〜
ということで良かった良かった。
やっぱりテレビの力は圧倒的!
「半沢直樹」が堺雅人大ブレイクにつながったということだ。

テレビドラマを見ないのでそのドラマでどれだけ堺雅人が素晴らしかったのかは分からないけれどご贔屓俳優のブレイクは嬉しい。

年末に「半沢直樹」のDVDがレンタル開始なので見てみようかな。


【6 star rating】
☆☆☆☆

【reputation】
Filmarks:☆☆☆★(3.8)
Amazon:☆☆☆☆★
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ちょうど今回が10回目です。
10日間毎日書いてきましたが、
ここらでちょっと一休みさせていただきます。
次回はどの作品にしようか悩むところです。

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