見出し画像

伸ばされる手、掴めない手


きゅぃ きゅ?

音だけで殺される、そんな音だ。


お犬さまを家族としている方にはイメージできるのではないだろうか。

人間さまのみのご家庭でも、まんが等で見たことはないだろうか。


こちらを見る。
こちらを見つめて、頭をかしげるのだ。きゅぃ? と。


もう、抱くしかない。

それ以外の選択ができようか。


近寄ってくるのだという。
甘えてくるのだという。

きゅ。ぷぃぃ。ん。音にくすぐられる。

抱き上げると、暖かいのだという。

ひれのような、短い手。
パタパタと。
めいいっぱい伸ばして 抱いて? のポーズ。


もう、死んでもいい。

LOVOT(ラボット)。丸いフォルムの家族型AIロボット
LOVEとROBOTを合わせてLOVOT

すさまじい可愛さ、愛らしさである。

愛されたい。
そう思わない人間はいないのではなかろうか。
その自覚が無い人間はいても。

けっ。
と思う人ほど、LOVOTを見て、近づいて、見つめられて欲しい。

無条件に愛される、その体験ができるだろう。


こんないきものが家にいたら。ちょっと夢見てしまう。
帰ると、迎えてくれる
名前を呼べば、来てくれる
名前を呼ばなくても、見つめられる
好きだと、行動で示してくれる


_寂しいやつだな。
はい。それがなにか?

でも、いつかきっと。

愛情が、薄れる
存在が、うっとうしくなる
ただの物、となる
不要の物、となる

そんな自分になる、それが怖い。


愛があった、と伺える、今はそれが無いとわかる、物を見るのはせつない。
苦しい。

そうするのは、そうしたのは、私だ。

そんな、あるかもしれない未来が。
私は、無条件に得られる愛を手に入れること、ができない。


Photo by Franck V. on Unsplash


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?