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X(旧Twitter)で題詠した短歌--2023年8月7日~9日


はじめに

僕は短歌自体は書いたり書かなくなったりということをもう20年くらい続けているのだけど、最近になって水鳥葛という名前でXにアカウントを作り、そこに短歌を書いています。その短歌や、時々書く俳句などを含めた日記をnoteに毎週投稿しているのですが、それらの生活詠とは別に、題詠ということもやってみたくなり、Xでお題を提供しているアカウントをフォローして、題詠をしてみることにしました。

すると、お題が結構な頻度で投稿されるため、なるべく目についた全てのお題について短歌を書いてみようと思うと、一日にかなりの量を書くようになってしまいました。

今はとりあえず題詠については満足して、これからは時々目についたものについて書いていければいいなくらいの気持ちでいるんですが、意地になって書きまくったこれらの短歌については、日記に載せるより別の記事を作ってそこに載せることにしました。これからも題詠した短歌が溜まっていったら、この記事のような形にまとめていきたいと思っています。

 八月七日月曜

捨てられて摩擦に耐えて幾年か。浜辺に光る宝物だね。
(題詠「波(ただし波という言葉は使わないこと)」)

自分より上手くやってる人の手を見てばかりいて手が止まってる。
(イラストを使用した題詠。箱を高く積む人とそれより少なく積んでいる人)

友達は宿題全部終わらせた、そう言ってもう終活をする。
(上の句指定)

飾らない君の言葉を飾りたい。菩提寺にある掲示板にね。
(上の句指定)

村人が総出で俺を捜索した、一生忘れられない巨峰。
(下の句指定)

市街地より土地が安いというだけで山を選んだ僕の失敗。
(下の句指定)

 八月八日火曜

ついさっき初めて歌壇に投稿した。その日のうちに新聞を読む。
(下の句指定)

台風になってからでも遅くない。草履を履いてお遍路の旅。
(上の句指定)

ひとりだけテトラポッドに残されて、俺は無人機シーガーディアン。
(下の句指定)

生涯の伴侶は海獣と決めてます。七つの海でカメラを向ける。
(下の句指定)

生まれつきだから今更わからない。経験のない経験不足。
(下の句指定)

いつまでも同じ所にあるボトル。中に手紙があるらしいけど。
(上の句指定)

欲しいのは何だったろう昔からずっと探していたはずだけど。
(発句「欲しいのは」)

夏の日の昂りを思わせる雲。夕立になれ、洗い流せよ。
(上の句「夏の◯◯りを思わせる雲」)

ガソリンを入れて準備は万端だ。プレイリストも作ってあるし。
(上の句指定)

乾杯は真空断熱タンブラー。去年はペットボトルでさせた。
(下の句指定)

ほんとうは仕事大好き人間さ。カウンセラーには言えないけどね。
(上の句指定)

人生の教訓を説くアカウント。自分で言って悲しくなった。
(下の句指定)

おじさんもバットを振って走りたい。だから静脈注射をしたの?
(上の句指定)

 八月九日水曜

濡れそぼつ夕暮れの道をことさらにゆっくり歩く。含み笑いで。
(題詠「雨(ただし雨という言葉は使わないこと)」)

そうここが僕の求めていた席だ。水平以上リクライニングする。
(上の句指定)

センサーでなんとかしてよドラえもん。川に砂金があるんだってさ。
(上の句指定)

雲間から出なくてもいい顔が出る。萎れた花がお辞儀している。
(上の句指定)

レース後にノミ屋に肩を叩かれた。予想するから外れるんだよ。
(下の句指定)

着崩れた寝間際と汗が物語る、長く険しい睡眠時間。
(下の句指定)

上の句を書いたまま悩み続けたら日付変わって今日の下の句。
(下の句指定)

食べ終えてすぐに食器を片付ける。本当はまだ食べられるから。
(上の句指定)

服飾によって誤魔化し続けたが観測されて定まる肥満。
(下の句指定)

抱き合って喜ぶほどのことだよね。とりあえずこのクッションを抱く。
(上の句指定)

締切に数日ぶりに間に合った。締切に悩む旨のエッセイ。
(上の句指定)

断熱式タンブラーで持ち運ぶ、令和昭島阿部定事件。
(下の句指定)

竹林に行ってよく見てみればいい。全部まっすぐなんて嘘だよ。
(下の句指定)

どうしてもと言うから店を開けますけど。たった一人のあなたのために。
(下の句指定)

石鹸が小さくたって気にしない。むしろ家では湯シャンだからね。
(上の句指定)

通信がいきなりイマイチになった。ラップが急にたどたどしくなる。
(上の句指定)

夜明け前、マクドナルドの奥の席。うわさのアイスコーヒーキッス。
(下の句指定)

雹がきて車に音を立てて降る。ちょっと動画を撮っちゃおうかな。
(下の句指定)

涼しいと言えないこともない夜風。ビールで火照る頬のせいかも。
(上の句指定)

一駅で十駅分のリラックス。シャッフルでかかるアンビエントで。
(上の句指定)

明日からここに乗らないようにする。今明らかに音が鳴ってた。
(上の句指定)

行き過ぎるおじさんが吹く口笛が今の気分にピッタリの歌。
(下の句指定)

野良猫に目線を合わせ可愛いねとつぶやく前に行ってしまった。
(下の句指定)

特急よ俺を倒してから進め。轢死者たちの声が聞こえる。
(上の句指定)

サバンナのようなサウナは言うなれば規律ゆるめのヌーの大群。
(下の句指定)

最近のかと思ったら幼少期。笑うことしかできない写真。
(下の句指定)

お題を提供してくださるXアカウント

RIUMさん(@R__l__U__M
木野喜久子さん(@omoronine


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