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私の同人活動を助けてくれたデザイン本10選

 助けてください!! デザインがようわからんのです!!! ……同人活動をしていて、泣きつきたいような気持ちになること、ありませんか? 私はあります。

 こんにちは。デザイン関係の勉強や仕事とは関わりのない人生を歩んできた、絵を描かないタイプの字書きです。訳あって数年前にAdobe CCを契約してIllustratorをちみちみいじるようになってから、ちょっとずつ自分のオタ活や友達の同人誌のデザインお手伝いなどをしてきました。ここ数年は紙の個人誌は出してないけど、オンラインイベントで無料PDFを配ったり、アンソロのデザイン担当をしたり、友達の本の表紙デザインをしたりしています。

 同人誌の装丁だけでなく、オタク活動をしていると、結構レイアウトやデザインをする機会が多いんですよね。「なんかいい感じにしたいけどぜんぜんわからん!」「色が……色が変……」「ちょっとお品書きぽい告知画像作りたいだけなのに、背景がスカスカで……」そんなとき、「この本があって助かった……!」というデザイン関係本を10冊セレクトしました。

 今はノンデザイナー向けの本がたくさん出ているし、Kindle Unlimited対象だったり定期的に電子セールがあるものも多いので、私はまあまあいろんなデザイン本を読み散らかしています。なので、良かった本は他にもまだあるんですが、今回は「マジでガチで助けられた本」10選なので、局所的なセレクトで「デザインを基礎から学ぼう!」という人の参考にはならないかもしれません。あと小説本の本文組は友達に丸投げしてるのでいまだによくわからない……字書きセレクトですがそのあたりには触れていません。

 基本、以下のリンクは公式ページに繋いでいます。

思わずクリックしたくなるバナーデザインのきほん

 Twitterでの告知画像一枚作るにも手が止まる、それがノンデザイナー。「必要な文字と画像を置いたけど、なんかスカスカで変……」みたいなことがしょっちゅう起きる、そんな時に泣きついて手に取っていた本です。

 アンソロのデザイン周りを担当したときに、告知画像を作る機会が多かったので大変助けられました。あとオンラインイベント参加中のネットプリント番号のまとめ画像とかいろいろ……「WEB用のちょっとした告知画像」を作る時に、紙の判形とはまた違う、中サイズの枠にどう情報を収めて目立たせるかのアイデアが詰まってます。

頑張らなくても速攻できる パパッとデザインレシピ

 いろんなデザインアイデアを分類して紹介した本。この手の本はいい本がいろいろありますが、結局一番しっくり来て繰り返し開いている一冊です。

 本の冒頭にも書かれていますが、あくまで「パパッと」なので解説はざっくり気味。これ一冊で何もかもわかるわけではないけれど、でも大まかに掴んでいる分「あ〜〜この画面が埋まらない〜〜!」というときに開いて助けを求めやすい気がします。

和モダンデザイン 日本の心をひきつけるデザインアイデア53

 和風の……なんか垢抜けててきれいな感じのやつがやりたいんだよ!という時に助けてくれる本です。

 「和風」とか「伝統紋様」で探すと、どうしてもコテコテの和風〜!が出てきがちなんですよね。それはそれでいいものだけど、今欲しいのはそうじゃない……自ジャンルは和物ではない……となりがち。

 私は一時期「中川政七商店みたいなやつがやりたいんだよ……どう探せばいいんだ……」と、検索にきれぎれに現れる類似画像やパッケージをうつろな目で集めていましたが、この本には初めから「そういうの」やもうちょっと別パターンの和モダンがいろいろ載ってて、発売を知った瞬間「これだよ!!」になりました。発売日に買った。

マネするだけでセンスのいいフォント

 日本語フォントは好きでいろいろ試したりして、自分の中でなんとなく好きな傾向が掴めてきたんですが、英語フォントの良し悪しとか全然わからねえ……。ということに気づいて慌てて助けを求めた本です。※日本語フォントも英字フォントもくまなく紹介されています。

 普段は画面上で使いたい言葉にいちいち適用して探したりしてるんですが、やっぱ紙の本でパラパラ探すのはいいですね……。各フォントのデザイン例も豊富です。

 ただ、この手の本のお約束として「Adobe Fontsが使えること」が前提になっているので、それ以外で探したい人はお気をつけて。

色数は少ないほうがかっこいい!

 2色+無彩色の配色アイデアを集めた本。私は本当に配色が苦手でいろいろ読んで試したりしたんですが、もうね、3色ですら持て余すんですよ。基本が白黒単色デザインの人間なので……。

 でも……2色ならまだ……+無彩色の部分はテキストをあてはめるそうなので、イラストではなく文字メインにしがちな人間としてそこもありがたかったです。

 あといつか多色刷りに挑戦したいので、その参考にもなるかな〜と思ってます(混色するならまた別の選び方が必要かもですが)。


色の大事典 DIGITAL COLORS for DESIGN

 こちらは色の基礎から色見本までしっかりと解説された本。私はこれまでWEBや画面上の配色しかしてこなかったので、いざ同人誌でやるとなったときに「印刷した時どのくらいの色味になるのかわからない……!」となって、紙の本で確かめられるものがほしくて買いました。

 通読して覚えるのではなくて、傍に置いておいて、困った時にすぐ開いて確かめるお守りのような本です。実際どんな色がいいかわからーん! となったらとりあえず手を出している。

 個人的にはグラデーションの配色見本のページに大変助けられました。あとは真っ白じゃなくて微妙にニュアンスをつけた白にしたいとき、白色の見本ページを見てわずかな違いを比べられたのがとてもよかったです。


GRAPHIC DESIGN METHOD

 井上のきあさんの本にはいつも助けられているので、10選の中に3冊入ってます。これもその一つ。ただしこの本は同人販売で、紙のものは完売したらしく、現在は電子版のみです。
 
 井上のきあさんの本のありがたいところは、何より「同人誌を作る人」が(も?)対象読者として想定されているところです。「そう、それが知りたかったんです!」というポイントがいろいろある。この本はデザインやレイアウトの基本・方法がわかりやすく解説されたものですが、この本の冒頭でも同人界隈に触れられています。とはいえ同人誌のデザインのやり方の本ではなく、もっと根本的な「センスで片付けられがちな部分を、理論としてわかりやすく」教えてくれる本です。

https://note.com/nokiainoue/n/n7e6942b516ae

 この本は第4章の部分がnoteに掲載されています。私はこの記事を読んで購入を決めました。

新・文字組みとレイアウト

 実際にある(あった)雑誌の文字組みを、フォントサイズなど細かく分析して解説した本です。時を経て、今はない雑誌がだいぶ多い……。

 オンラインイベント合わせで、推し作家の作品を紹介するブックガイドPDFを作成したのですが、版面を作るのに困ったのが、あんまり見本となるものが見つからなかった(見つけられなかった)ことなんですよね。

 小説の本文組みともまた違う、雑多な情報をまとめるにはどんな感じでやればいいのかを参考にできて助かりましたし、雑誌の版面をこういう風に見たらいいんだ!と、応用して現行販売雑誌の好みのページを確かめるクセがつきました。オレンジページが好きです(余談)。

入稿データのつくりかた

 タイトル通り、印刷所に入稿するデータを作るときのハウツーが詰まった本です。これもお守り的にパソコンのそばに置いておいて、わからなくなったり、不安になったら開いています。
 
 載っている例を読みながら、「いやいや箔押しなんてする予定ないし〜」と思っていても、実際のところいつ必要になるかわかりませんからね……。いざという時に、この本に書いてあった! と把握しておけるのはとても安心できます。もちろん普段のシンプルな印刷作業に必要な情報もたくさん載っています。

STEP UP! 同人誌のデザイン 作りたくなる装丁のアイデア

 同人誌「らしい」装丁デザインって、やっぱなんか商業誌とはちょっと違うよな……と最近よく思います。もちろん商業誌そっくりにした同人誌もあれば、同人誌のようにフリーダムな商業誌もあるわけですが、なんとなくメインストリームに違いがあるような……。

 餅は餅屋、同人誌のことは同人印刷所と同人誌デザインの本。この本はしまや出版さんが協力していて、そのためコンセプト通り「同人誌のデザイン」に特化した解説が読めます。ちょっと同人誌印刷所のマニュアルと似たような内容もありますね。

 この本で嬉しいのは、作例を元にデザインの作り方が順を追って説明されているところですね。友達からの依頼デザインで手書き風文字を使うことになり、この本の解説を元に文字を加工したりしました。リアルに助けられている。

 他、商業誌にはないデザインの同人誌らしい部分を味わうのが好きなので、いろんな同人誌の装丁が載っているのも嬉しいです。


 以上、私が助けられたデザイン本10選でした!
 デザイン本は読む人の好みや、やりたいデザインの方向性によって合う合わないが違ってくるものだと思います。

 今回はあくまで「私の場合は」でお話ししましたが、どれも良い本ですので、試し読みなどでピンと来たらどうぞお手に取ってみてください。