絶対に必要だった1年間
2023年2月7日。
僕は19歳の誕生日を迎えた。
9時40分。シーンと静まりかえった教室は殺気に満ちあふれている。お茶の水にそびえ立つ駿台予備学校三号館。僕の目の前には「東大物化演習」太字で印刷された問題用紙が鎮座している。
最後の10代のスタートとなる節目のこの日は、人生で最も意識されない誕生日だった。
元々勉強が好きだった。千葉高校に入学当初の自分は、ギラギラしていて、思いのままに好きな勉強ができる夢の学び舎に入学できたと信じ込んでいた。そんな期待は1ヶ月後には形骸化