現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その22)
しばらくすると、奥から人がやって来て女房たちと何やら話をした後に簾《すだれ》を下ろし、女房たちと一緒に部屋の中に入ってしまったため、権中納言《ごんちゅうなごん》は言いようもなく残念に思った。
「それにしても、先ほどの箏《そう》の女は誰なのだろう。あの尼上に娘がいると聞いたことはなく、しかも宮の中納言が亡くなって久しいが、いったい何者なのか」
何としても女のことを知りたいと思う気持ちが抑えきれなかった。
(続く)
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姫君を垣間見《かいまみ》した権中納言の心中が記されています。伯母である尼君の関係者に該当する女がいないため、どうにか知りたいと思っています。
さて、以前にもお知らせしたように、間もなく姫君の素性が明らかになります。当てずっぽうでも構いませんので、関係図の中から両親の候補者を選んでみてください。
この時代の作品としては珍しい、かなりフェアな謎解きだと思いますので、特にミステリ好きの人はぜひチャレンジしてみてください。(ちなみに、わたし個人は初見でさらっと読み流してしまい、当てることができませんでした。)
それでは、また次回にお会いしましょう。
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