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終わりなき旅。音源を通じた音楽との出会い方、探し方 #土曜夜にアイルランドを語る

おうちで楽しむアイリッシュ、5月GW真っ只中の初回は、数多の音楽の中からネット時代での音楽の探し方出会い方について、ご紹介します。

これまでの4月号の記事4本は、都知事もビックリの密な内容なので、初めましての皆さんは是非ご覧ください。
前回の木村穂波さんの記事にまとめがあるので、みなさん是非チェックをお願いします。

~内容~

自己紹介
音楽との出会い方
【1】CDショップ探訪/書籍・まとめサイト探索
【2】好きな音源からの探し方
【3】ライブやラジオからの出会い
【4】ストリーミングサービス/SNSの活用
【5】人と話そう
聴く環境をアップグレード
終わりに

自己紹介

ご覧くださりありがとうございます。”みぞやす”と申します。

アイルランド音楽が好きで、一日の大半を音楽を聴いて過ごし、ライブに行くことを楽しみつつ、アイルランド音楽でギター伴奏をして暮らしています。
冒頭の写真はアイルランドを旅した際、ゴールウェイ州ヘッドフォードのとある丘の上から撮影した雨と晴れが入り混じる模様です。妖精の住まいがある丘で、友人とブランコをして遊んだ忘れがたい思い出です。

アイルランド音楽との出会いは、高校時代、片田舎で色々な音楽を友人たちと聴き語り合う中で、友人から借りたCDと、ブックオフの中古格安CDコーナーからSolas、Dervishを手にとったのが始まりでした。

そんな音源との出会いから始まったもので、ライブやセッションは勿論、音源が好きでして、素敵な先輩方や仲間から教えてもらい実践してきた方法を、今回は簡単にご紹介します。
おうちで音楽を聴いていても、素敵な出会いから音楽の世界が広がった訳で、皆さんとも感想を語り合えたら嬉しいです。

本稿では動画と音源以外は日本語の書籍やサイトを紹介しますが、英語が分からないという方もWeb翻訳は便利で手軽に読めるので、英語のサイト書籍も調べ、是非読んでみてください。

音楽との出会い方

【1】CDショップ探訪/書籍・まとめサイト探索

まず第一歩目として好きなアイルランド音楽の音源を探してみましょう。ネット時代といいながら、一丁目一番地が街に出る方法ですが、歩いて探して購入したCDは思い出に残るものです。

1-1.CDショップ/中古CDショップを訪ねてみる

ケルト音楽専門店や、店主がケルト音楽好きで置いている街のCDショップ、大型CDショップの民族音楽(WorldMusic)コーナーを探してみましょう。
・ブックオフのような中古ショップでは、誰かが海外から買ったのであろう見たこともないようなCDや、相場がないため激安コーナーに置いてたりします。
・店員さんが詳しい場合、お話出来るとたぶんオススメなど教えてくれ勉強になります。掘出物と書籍探索も兼ねて各地の中古ショップを訪ねるのも楽しいかもしれませんよ。

1-2.コンピレーションCDを買ってみる

・初めに何を聴いたらいいか分からないとき、Irish MusicとタイトルについているコンピレーションCDは代表的なバンドや奏者の演奏のものが多く、購入するのも良いでしょう。
・大型のCDショップに行くと大抵販売していると思いますし、ネットショッピングや音楽配信サービスで購入するのも手ですね。

1-3.書籍を買ってみる

・アイルランド音楽の歴史についての書籍や、ディスクガイドなど日本語の書籍を手にとってみましょう。
・紹介されるようなそれぞれの時代の名盤や、ディスクガイドに掲載されるような音源は、好きな人が多い特徴的な音源のはずです。
・アイルランド音楽の発展の事前知識を学んだ上で聴くと、現代の自分の感覚で聴いた感想と、また違った感想が生まれて面白かったり、他にもアメリカやイギリス音楽の歴史、技術発展や政治情勢など色々学ぶことで関連知識が広がり、視点が広がり、ワクワクが広がります。
<近年発売の手に入りやすい日本語書籍>
アイルランド音楽 碧(みどり)の島から世界へ(おおしまゆたか 著)

ヴォイセズ・オブ・アイルランド アイリッシュ・ミュージックとの出会い(五十嵐 正 著)

1-4.まとめ記事やまとめのホームページを探してみる

・アイルランド音楽、ミュージシャン(英語)などで検索してみると、代表的なバンドがまとめサイトで紹介されています。もしかすると、今後動画サイトでアイルランド音楽のオススメを紹介してくれる動画配信者も誕生するかもしれませんね。
・下記サイトでは、演奏もされる日本人の方がおすすめのミュージシャンを紹介してくれています。
ケルトの笛屋さん ”ケルトの音楽家を知るためのコラム”

フィドル(バイオリン)奏者『Taka』のホームページ “アイルランド伝統音楽(アイリッシュ/ケルト)のお勧めCD”

1-5.図書館で探してみる

・近所や大学の図書館でアイルランド音楽を探すと、コンピレーションCD名盤の視聴や貸し出しを行っていることがあります。
・日本だけでなく海外まで検索を広げると、アイルランドなどの図書館のウェブサイトでは、ライブレコーディングなどセッション音源集があったりします。

【2】好きな音源からの探し方

好きな音源が見つかったら、その音源から色々辿ってみましょう。そこで出会った音源からまた色々辿って、その間に新譜が出て、、、尽きることはありませんね。

2-1.好きな音源のミュージシャンを検索してみる

・ミュージシャンの名前で検索してみましょう。ミュージシャン個人のホームページや、記事で紹介がまとまっていたりします。紹介されている他の音源を聴いてみましょう。
・個人のホームページには記載がなくとも丁寧に調べていくと、他の人の音源に参加していたりするので色々な検索ワードを並べて沢山調べてみましょう。
・J-POPのバック演奏に参加していたり、ゲームのサウンドトラックに参加していたりと、同じ曲の違ったアレンジやミュージシャンの新しい一面に驚くこともあるかもしれません。

2-2.好きなミュージシャンの影響を受けた人を辿ってみる

・紹介文の他、インタビュー記事等を探してみると、影響を受けたミュージシャンや、音楽の師匠、そのミュージシャンが音楽一家出身など記載があるかもしれません。
・好きなミュージシャンが何から影響を受けて今の演奏スタイルになったのか、そのミュージシャンはどこから影響を受けたのか、脈々とした歴史を感じることが出来ます。
ケルトの笛屋さん ”ケルト濃度の高いインタビュー”

2-3.好きな音源の参加ミュージシャンを調べてみる

・好きな音源のバンドメンバーや参加ミュージシャンを見てみましょう。CD附属ライナーノーツの一番最後や、紹介しているホームページがあり、楽器ごとに奏者が記載されています。
・良いギター伴奏だと思って、調べたらバンジョーやアコーディオン、フィドル、バウロンが非常にうまかったりと、楽器が多彩な人も多いです。
・アフリカ音楽奏者やブルーグラス奏者、ジャズ奏者など参加ミュージシャンがアイルランド音楽が専門ではなかったりと、音楽世界の広さ可能性を感じます。

2-4.好きな曲の作曲者/作詞家を調べてみる

・アイルランド音楽は、伝統音楽ですが、近代作曲された曲もあり、まだまだ現役で活躍している人も沢山います。
・歌詞はから引用している場合や、背景を調べると、より情景を思い浮かべ、また別の歌と出会えるかもしれません。
・曲名と作曲者(comoser)で調べてみると、作曲者が判明する場合があり、作曲者はミュージシャンが多いので、作曲者音源楽譜を購入しても楽しいですよ。
ブラックバードミュージック アイルランド音楽ノート ”人気の作曲家いろいろ 前編”

2-5.好きな音源のレーベル/プロデューサーを調べてみる

レコードレーベル打ち出したいミュージシャンと契約しており、レーベル毎に傾向があるので、契約ミュージシャンが好きなミュージシャンであることも多いです。
・音の構成等をプロデューサーと相談して作り上げている場合もあり、プロデューサー目線で調べると、好きな音源が見つかることもあります。
・例えばDonal Lunnyはプレイヤー(アイリッシュブズーキ)でもあり、かつプロデューサーとしても非常に有名で、日本のバンドのアルバムにもプロデューサーとして参画していたり、きっと面白い発見がありますよ。

2-6.好きな音源の録音スタジオ/レコーディングエンジニアを調べてみる

・音源が好きな理由のひとつに聴きやすさや歴史あるスタジオで録音して集中力が高まっているなど場所のマジックもあるかもしれません。
・Ed Sheeranの”Galway Girl”(有名な洋楽)はたまたま同じスタジオで録音していたBeoga(アイリッシュ音楽バンド)に声を書けたことで誕生したなど、面白いエピソードもあるかもしれませんよ。
レコーディングエンジニアを辿っていくと、好みの音源の多くに関わっており、新たな音源と出会うなど、音源の良さが引き立つ聴きやすさはエンジニアやミキシングの力もあることを実感します。

番外:【2】を実践してみる

普段CDを買わない方や、ライナーノーツを読まずイメージが沸かない方もいらっしゃるかと思います。定額音楽サービスで聴く場合も、インターネットを活用してどのように調べているのか、実際にやってみました。

【3】ライブやラジオからの出会い

偶然の出会いから、聴く音楽が広がることもあります。自分で偶然の出会い広げてみるのはいかがでしょう。

3-1.ラジオ/TV番組を視聴してみる

インターネットラジオでは、世界中ラジオやミュージシャンによる配信を聴くことが出来ます。
アイルランド音楽専門ラジオを聴くことで、知らなかった音源かかったりミュージシャン紹介など偶然の出会いから、広がる音楽があり、またまた世界が広がっていきます。
カスティーズトラディショナルミュージックショップ “アイルランドのラジオを聴こう”

MUSIC-STYLE “ケルト音楽(ネットラジオ)”

CELTSITTOLKE "ケルトリップラジオ"

3-2.音楽雑誌/専門サイトを読んでみる

定期的に更新されるWebマガジンや、ブログを調べて読んでみると、最新リリースやインタビューなど貴重な情報が手に入ることがあります。
・オススメありましたら、ご教示いただけると幸いです。
クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

3-3.来日ライブ情報でミュージシャンを知る

プロモーターや、よく演奏が行われるライブハウス会場などの発信情報を調べてみましょう。
・知らなかったミュージシャンの来日ライブがあり、生で素晴らしい音楽を体験するチャンスです。
・知らなかったミュージシャンの来日が分かり、音源を聴いてみると素晴らしく、そのまま急いで予約、ライブで生演奏感激ファンになるなんてよくあること。生演奏には敵いません。
〈筆者が直近観に行った来日公演の企画が掲載されたHP〉
PLANKTON

THE MUSIC PLANT

Walk Slow

ケルトの笛屋さん-当店のこと

JUNJI SHIROTA(来日するミュージシャンと演奏をされることがあります。)

アイルランド音楽家協会 日本支部(フェーレ・トーキョー(Féile Tokyo)のイベントの中で審査員として来日するミュージシャンの公演があります。)

3-4.コンペティションやアワード受賞者を調べてみる

・アイルランドではフラキオール*(Fleadh Cheoil)というアイルランド音楽祭があります。演奏の大会もあり、歴代優勝者検索すると何か音源を出しているかもしれません。
・フラキオール以外もTG4のグラダムキョールGradam Ceoil)や、アイリッシュ音楽以外もありますがBBC Radio 2 Folk Awardsなどのアワードの受賞者を調べてみると同じく何か音源を出しているかもしれません。

3-5.ケルト音楽フェスティバル/ワークショップの参加ミュージシャンを調べてみる

音楽フェスティバルはアイルランド各地の他、イギリス、スペイン、フランス、カナダなど多くの地で開催されています。企画者のお眼鏡にかなうミュージシャンを聴いてみましょう。
・アイルランド音楽のワークショップも、アイルランド本国でフェスティバルと一緒に開催されることもあり、講師ミュージシャン一流でもしかすると音源を出しているかもしれません。

3-6.好きなDJのイベントやクラブ、喫茶店でかかってる曲を調べてみる

街中でかかっている音楽を、ShazamSoundHoundなど検索アプリを用い、音楽を聴き取らせ、曲を調べてみましょう。
・アイルランド音楽のDJ等はいないと思いますが、アイルランド音楽のライブ直前BGMで、ミュージシャンやライブハウスオススメの音源がかかってることもあり、検索してみると新たな出会いがあると思います。
・好きなBGMがかかってる喫茶店雑貨屋さんで、調べるのもいいですね。とある紅茶屋さんはハンマーダルシマーをBGMで流していて驚きました。

【4】ストリーミングサービス/SNSの活用

ネット時代の醍醐味、定額音楽サービスを活用はいかがでしょう。アイルランド音楽の登録が沢山あり、日本のCDショップでは見かけない音源も沢山あります。またSNSを活用すると情報収集も便利になります。

4-1.プレイリストを聴いてみる

・音楽配信サービスには、”ケルト音楽ベスト”のようなプレイリストがあります。ミュージシャン作成したプレイリストもあり、アイリッシュミュージシャンが作るプレイリストがあれば、是非聴いてみたいものです。
・YouTube等の動画投稿サイトでもプレイリスト自動プレイリスト作成機能があるので、そこにあるミュージシャンを調べてみるのも良いですね。
・下記リンク以外にもミュージシャン自身が音源をアップロードできるSoundCloudBandcamp等もおススメです。
アップルはまさかの5位…人気音楽サブスクおすすめランキング7選【2020年】”

〈"Irish"と検索し、冒頭にリストアップされたプレイリスト例〉
Apple Music

Spotify

Amazon Music

4-2.レコメンド機能を活用してみる

・定額音楽サービスで音楽を聴くと、その音源に関連したオススメのミュージシャンの表示が出てきます。
・好きな音源を”ラブ”など好みを登録し、ひたすら学習させることで、自動的にオススメ音源にアイルランド音楽を提示してくれるようになります。
・CDをECサイト等で選択すると、関連CDオススメされてくるので、こちらも活用してみましょう。

4-3.SNSを登録(フォロー)してみる

・SNSで好きなミュージシャン登録してみましょう。新譜やライブ情報、演奏の投稿を見ることが出来ます。
・音楽好きで情報発信をする個人の方のSNSや、アイルランド音楽専門番組のSNSを登録することで、知らない音源やミュージシャンと出会うことも沢山あります。
・定額音楽サービスでは、設定によって登録者が聴いてる音楽を見る機能もあり、登録者が聴いてる知らなかった音源と出会うこともあります。
〈筆者がよく利用するTwitterとYoutubeより、綺麗な演奏動画が日々更新されるTG4*〉
 *アイルランド放送協会傘下のTeilifís na Gaeilgeが運営するチャンネル

Twitterアカウント

Youtubeアカウント

4-4.好きなミュージシャンの情報を自動収集してみる

・好きなミュージシャンの情報更新される度通知する機能を利用することで、常に最新の情報を手に入れることが出来ます。
・Googleなどでは登録した文言に関する新しいウェブページ誕生すると、通知をしてくれる機能があります。
プログラミングを用いて登録したアーティストが掲載されてるニュースを毎日自動抽出するなんて方法もあります。
Goolgeアラートの作成

【5】人と話そう

5-1.レッスンや練習会に参加して先生に聴いてみる

日本でも、アイルランド音楽を演奏し、かつアイルランド音楽のレッスンをされているミュージシャンがいらっしゃいます。レッスンを習い、オススメの音源や最近聴いている音源を質問するのも勉強のひとつになると思います。
・日本に限らずアイルランドに渡航し、ワークショップ参加するほか、海外の好きなミュージシャンオンラインレッスンを受講するのもネット時代の醍醐味ですね。
アイルランド音楽家協会 日本支部-Music Class

ケルトの笛屋さん-全国のレッスン情報

5-2.パブでミュージシャンに聴いてみる

セッションを聴き、終わった後でミュージシャンの方とお話してみてオススメの音楽を聞いてみるのもいいかもしれません。
・勿論、演奏後に話し、礼儀尊敬を持ちつつ、話してみたいという熱意があれば多くの人は答えてくれると思います。
ケルトの笛屋さん-全国のセッション情報

Session Go

5-3.友達とオススメの音楽を話し合う

・最後は好きな仲間オススメの音楽と、音楽の好きな部分語るのはいかがでしょうか。
・自分の知らない音楽や、知ってる曲でも自分になかった視点、そして友人の音楽の好きな部分が垣間見えたり、新たな発見があってとても楽しく、何より好きな仲間好きなことを話せる楽しい時間は代えがたいものです。

聴く環境をアップグレード

旅の準備は整いましたね。この道中、折角出会った音源。ちょっと贅沢して、いいイヤホンヘッドホンで聴いてみませんか。いままで意識せずに聴こえなかった音が聴こえてきて新たな発見があります。スピーカーコンポを贅沢してみるのもどうでしょうか。空間に音が広がることで、ヘッドホンでは感じられない部分が全身に感じられます。

お家で大音量で聴けなかったら、イベント体より大きなスピーカーや、高級スピーカーで好きな音源を大音量感じてみてください。初めて好きなライブアルバムのレコードに針を落とした時、目の前の黒い箱からは奥に響くベース、真ん中からドラム、手前にギターとボーカル、音が震え、心の震えを感じた瞬間は忘れられません。

自分はまだまだ勉強中ですが、好きな音楽を味わえる空間を作り、好きな仲間と聴き楽しみたいなと思っています。

最後に

最後になりますが、好きな音源を見つけたらじっくり聴きこんでみるのもいかがでしょう。手軽に調べ手軽に聴けるとても良い時代になりました。でも手軽に聴ける分、その時の気分で聴きやすかったものを聴いているかもしれません。少し聴いて、そのままにした音源も、また聴いてみる新しい発見があり、好きな音楽が増えたらそれも楽しいですね。

こんな方法もあるよというコメントお待ちしています。非常に長い文書となりましたが、ご覧いただきありがとうございました。

聴くほど好きな音楽は増え、また生活と共に好みや聴き方も変わっていくこともあるのではないでしょうか。新たな音源との出会いと、過去の振り返り。
I Still Haven’t Found What I’m Looking For
タイトルはU2の邦題からいただきました。今日みたいな日々に聴きたい曲です。

次回予告

来週は、帰ってきた城ひろし。「今こそ覚える、ウェストクレアバタリング」
流星キックのごとく素晴らしい脚さばきを目指し、紹介してくれることでしょう。
次回もぜってぇ見てくれよな。(野沢雅子風)

↓土曜以外も"お家でたのしむアイリッシュ"マガジンは日々更新されています。要チェックです。

↓補足記事


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