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『生き様興業株式会社』 社員2名


大人になってできた友達が カラオケスナックを経営しています。
その友達とも 不思議な出会いです。

性格が合うとか合わないとかでいうと たぶん 合わないのだと思いますが、それでも もう 10年近く お付き合いがあります。
不思議です。


もともと ひとり行動が 落ち着くので 友達と会うのも 数年に一度だったりします。
そう決めているわけではないのですが 気がついたら そのくらい会ってないね、となるのです。

それでも会うと 昨日まで 毎日 会ってたかのようにお喋りします。


あ。
今回は この話ではありません。

その友達のお店に ときどき 顔を出していた時期がありました。

カラオケスナックなんて
この友達と会うまで 行ったことがなかったです。

わたしは 盛り上げ役のような立場で 
友達から 連絡あると その頃は 原付に乗っていたのですが 原付で びゅううんと走って行っていました。

そこで、わたしは いくつか ひとりで 自分だけの遊びを見出していました。


まったく 知らない団体のお客さんが 3組くらい来てたとします。
年齢も性別も いろいろです。

どんな歌が好きかなんて見た目ではわかりません。

カウンターの隅っこで なんとなくお店全体の雰囲気を ぼんやりみます。

みんなそれぞれのグループで 盛り上がっています。


んー、何から歌おうかな。


声の出方も その日によって違ったりするので いちばん 歌いやすい曲を選びます。

たいてい 一番最初に歌うのは『心の旅』。
GO!GO!7188バージョンで歌います。

そして、毎回 ステージに上がって歌います。

見て見て!という気持ちではないです。


様子を見るのがたのしいんです。
あと、勇気がいるので
自分の勇気を確かめるのが好きなのです。



知らない人が ステージに上がって 歌ったところで みなさん 最初は 知らん顔で スルーなんです。


次、誰でも知ってそうなその時 流行ってるものを選曲します。
あの頃は 嵐とか 歌っていました。
少しずつ 昭和のアイドル系とか 歌ってみたり 現在の邦ロック系やら 舌がもつれそうなボカロ系やら いろいろなジャンルを 歌います。

その中に Superflyやドリカム、絢香、椎名林檎と 歌い上げるものや その曲の世界観を 少しものまねいれたりしながら 歌うんです。


すると、少しずつ
わたしを知らなかったそこにいるお客さんたちが ひとり、ふたりと 注目してくれるようになるんです。

これおもしろいです。


そうなると、イントロから 
お!ってなるような選曲して ステージに上がると 
『あ、あのひとが歌う』
って言ってもらったりして お酒も入ってるし だんだん打ち解けてくるんです。

そのうち 大盛り上がりになります。


ふふふふふふふん。
んじゃあ おしぼり振り回しながら 歌っちゃおう。

みんな 振ってくれますし、
握手 求められていないのに 自分から 握手しにいったりします。
めんどくさいかもしれませんが みんな酔いも回っているので もう わいわいです。
ライブごっこです。ふふ。


みんな 酔っ払っていて
『何飲んでるの?』
ってなるんですが、
わたしは 飲めないので いつも大ジョッキに 烏龍茶入れてもらいます。

「烏龍茶」


『えーっ! 嘘やろ!いちばん 酔ってるみたいやけど!(笑)』

って 言われることが多いです。




その中で ひとり
よくお店で会う、市内で 人気のお洒落なスーパーの社長が いました。

とても 爽やかな素敵な方で 社長さんとは思えないほど 気さくで 話しやすいのです。

わたしは そういう場で 知り合った人は そういう場だけの情報で 楽しむので 最初 社長さんとは知らなかったのです。

会うと 『おう、会えたね』
って感じで ハイタッチしたりして
その度 冷え性のわたしは 手が冷たいらしくて 
社長さんが
『手 つめたっ』
って言うんです。

そのうち わたしのことを 『死人』と呼んでいました(笑)

 
名前が 『つ』がつく方だったので  わたしも『よ!つくだに!』とか 呼んでました。

わたしが ステージ上がって マイクを持つと 前に来て 踊ったり 手を振ったりして ライブ観客のようにしてくれるんです。


いつの日か
つくだにが言いました。

『みぞちゃん、かっこいいよ』


「え? … あぁ、知ってる知ってる(笑)」
と返していました。
褒められるのが 得意ではなくて 隠れたくなって 落ち着かないので 必ず こういう返し方します。


『みぞちゃんさ、叶えたい夢とか目標ある?』

「んー、ぼんやり こういう感じに 将来したいっていうのはあるかな」


『うん。みぞちゃんは 潔くて ほんとかっこいいから。歌を聴いてて思う。
もし みぞちゃんに叶えたいことがあるなら みぞちゃんは みぞちゃんの言葉を大切にして 周りのふつうに流されず 伝え続けていればいいよ。きっと叶う。』

と言ってくれたことがあったんです。



そして、


『ぼくらさ、ここでしか会わない友達だけど ふたりで 架空の、こころの会社作ろう。生き様を見せてやる会社。そうだな、会社名は 生き様興業株式会社。社長はいなくて 社員 2名だね。』


「おおお!すっごいたのしそう!」


何年かかるとか 関係ないよね、って話で とにかく生き様見せてやろうぜ、って
ふたりで その日 お店の片隅で盛り上がったのです。

イメージで 会社のユニフォームは ツナギがいいね、ってなりました。


他のお客さんたちは つくだにが 社長さんだと知ると 急に 名刺交換を始めたり 
社長社長って なっていたのですが

わたしは 
『ずっと つくだにって呼んでい?』
って話しました(笑)

つくだには 
「そうでいてほしい。そっちのほうがいい」
と 笑っていました。


もう長い間 お会いしてないけど
いつだったか ひょこっと お店で 会って 生き様興業株式会社の話をしたんです。

架空のこの生き様を見せる会社、
これも わたしの心の中に 大切にしているものです。



カラオケスナックでの遊びを
ひとりで始めたのも よかったと思うので 何に繋がるかわからないものです。


暫く 人前で歌っていないので
また 全然 知らない人たちのアウェイな場で やってみる機会に出会えるといいな、と こっそり狙っています。ふふふ。


音楽も もともと好きで ライブもあちこちひとり参戦していました。
そこで たくさんの若いお友達もできました。


歌は むかしのものから
いま現在の流行りのものまで その時の気分で 自由に聴きます。
歌うのも いろんなジャンルのいろんな時代のものが好きなんですが、カラオケスナックとかに行った時に いろんなジャンルを いろんな時代のものを 知っていると、結構 楽しめます。


限界を自分で決めるのは もったいないです。

人と比較するのはなしで
自由になんにでもなって
どんなことでも 遊べば 限界なんてなくなります。

いつの間にか ドア開いてます。


生き様興業株式会社、社員として
これからも どんどん進んでいきます。



ふと思い出したので 記しておきます。








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