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「セルメン流フォークロック」Sergio Mendes &Brazil’66. Stillness (1971)

本作はブラジル66名義では最後のアルバムです。いままでボサノヴァとポップをミックスしたゴージャスで楽しいサウンドが持ち味のセルメンですが本作ではフォーク(特にアシッドなやつ)やSSWに影響を受けたようなアコースティックで内省的なサウンドの曲が多いです。この後セルメンはソフトロックから離れ、ソウルミュージックやブラジルの音楽に接近していきます。

メンバー
セルジオメンデス:キーボード、パーカッション
ラニホール、グラシーニャラポラーセ、カレンフィリップス:ボーカル
クラウジオストーン、ラウジールソアレスオリヴェイラ、ルーベンスバッシーニ:パーカッション
セバスチャンネト:ドラム
オスカルカストロネヴェス:ギター

ラニホールはレコーディング中、またはレコーディング後〜ジャケット写真撮影の間に脱退したようで声はするけど写真にその姿はありません

Stillness
神秘的なフォークナンバー。セルメンの曲だと知らなければ絶対に気づかないです。

Rigteous Life
フォーキーなソフトロックナンバー。ピアノのジャジーかつおしゃれなタッチはさすがセルメンです。

Chelsea Morning
ジョニミッチェルのカバー。パーカッションを使った弾むようなリズム、鍵盤の上でステップを踏んでいるようなピアノがセルメンらしいポップなサウンドを作っています。個人的にはこのアルバムで1番好きです。

Camção Do Nosso Amor
セルメン本人が歌うブラジル色の強い素朴な曲。セルメンの歌はそこまでうまくはないですがこういう素朴なサウンドの曲によく合っています。

Viramundo
サンバ風のリズムがかっこいいジャジーソフトロック。

Lost In Paradise
カエターノヴェローソのカバー。バートバカラック風のアレンジです。

For What It’s Worth
スティーブンスティルスの曲でこういう曲をセルメンが取り上げるのは珍しい気がします。パーカッションが印象的なセルメンらしくない硬いサウンドです。

Sometimes In Winter
B,S&Tのカバー。オリジナルとそこまでアレンジを変えていませんがコーラスやストリングスの使い方がこちらの方が神秘的かつポップなタッチです。オリジナルでボーカルを歌っていたスティーブカッツとこの曲の男声ボーカルがそっくりです。

Celebration  Of The Summer
ブラジル色の強い素朴ながらもポップな曲。ダバダバコーラスがおしゃれだけど短いのが残念です。

Stillness(リプライズ)
この時代のアルバムは結構最初と最後に同じ曲を持ってくる構成が多い気がします。