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Blood, Sweat & tears ST (1969)

今日は血と汗と涙を紹介します。最近あまりロックを聴いていない僕ですがこのアルバムは大好きで去年聴いた回数の多いアルバムトップ5に入っているアルバムです。オリジナル曲のクオリティはもちろんカバーの選曲のセンスもよくここまで捨て曲無しでダイナミックに突っ走るアルバムも珍しいと思います。

メンバー
フレッドリプシウス:サックス、ピアノ
チャックウィンフィールド、ルーソロフ:トランペット、フリューゲルホーン
ジェリーハイマン:トロンボーン、レコーダー(とLPの解説にはありますがリコーダーが正しいと思います。)
デヴィッドクレイトントーマス:ボーカル
ディックハリガン:オルガン、ピアノ、フルート、トロンボーン、コーラス
スティーブカッツ:ギター、ハーモニカ、ボーカル
ボビーコロンビー:ドラム、パーカッション、コーラス
ジムフィールダー:ベース
ファンクバンドかと思うほどの大人数です。あと正式メンバーではありませんがスピニングウィールではチャックウィンフィールドに代わってアランルービンが参加しています。

variations on a theme by eric satie
第一楽章はフルートとハープが美しい曲。第二楽章は熱いホーンやダイナミックなドラムがかっこいい曲。邦題は「エリックサティの主題による変奏曲(第一楽章、第二楽章)」ととてつもなく長いです。

smiling phases
トラフィックのカバー。イントロの熱いホーンやダイナミックにロールする乾いた軽いドラムがゾクゾクしますがデイヴィッドクレイトントーマスのダイナミックなボーカルにはもっとゾクゾクするかっこいい曲。フレッドのジャジーかつクラシカルなピアノソロもダイナミックさはないけどかっこいいです。

Sometime in winter
スティーブカッツがリードボーカルを担当。デイヴィッドのようなシャウト型ではなく渋い声でフォーキーな曲調にあっています

More and more
映画音楽や軍楽隊のようなブラスがかっこいいロックナンバー。サイケに歪んだギターソロがあったりとこの曲もダイナミックです。

And when i die
ローラニーロのカバー。(この人のことはよくわかりませんがこのバンドのリードボーカル候補の一人だったりシグマスタジオでラベルとの共演盤を録音しているらしいのでしっかり聴いてみたいシンガーの一人です)オリジナルはフォーキーな曲調ですが、ここでは拍手やハーモニカがリズミカルなナンバーです。

God bless the child
ビリーホリデイのカバー。ロック的なダイナミックさを残しつつも優しげなアレンジでデイヴィッドのボーカルはとても優しげです。中盤のラテンタッチの陽気な演奏からジャズになってまたラテンになってを繰り返す部分は演奏能力の高さや引き出しの多さを感じます。

Spnning wheel
BS&T最大のヒット曲。ソウルフルでソロパートはジャジーなロックナンバーでJBがカバーしたのも納得です。(僕はJBのセックスマシーン収録のインストバージョンを先に聴いた上にBS&Tのバージョンは詳しい解説のないベスト盤で聴いたのでこのLPを買うまでオリジナルはJBでBS&Tはそれに歌詞をつけて演奏していると勘違いしていました。)

You’ve made me so very happy
モータウンのシンガーブレンダハロウェイのカバー。オリジナルよりも暑苦しいアレンジです。

Blues part2
11分のジャムナンバー。聖歌かクラシックのような重厚なオルガンから始まり、激しいホーンに導かれるようにファンキーなベースソロが始まります。そしてジャジーなドラムソロにつながり、ほんのりジャジーなサスペンス映画のBGMのようなパートへ。そこからクリームのSunshine of your love、ハウリンウルフのspoonful、1stに収録されていたSomethin’ goin’ onとカバーメドレーをしてボーカルパートへ。

variations on a theme by eric satie
一曲目のリプライズ。ただし演奏するのは第一楽章のみです。最後に銃声のようなカタンと音が聞こえますがこれはミスルーシーエンジェルなる人の足音らしいです。

ここからはCDで追加されたボーナストラックでLAにあるThe cafe au go goでの収録です(フルで聴きたい…)

More and more
音がこもり気味なのが欠点ですがそんなことどうでもよくなるぐらい荒い疾走感ある演奏です。

smiling phases
18分のジャムセッションです。オリジナルにはなかった映画音楽風のイントロから始まりオリジナルのイントロが始まるのは5分過ぎてから。数日間続いたライブの終盤に録られたのかデヴィッドのボーカルは疲れた喉を振り絞ったような声ですが演奏は熱いです。そのあともオリジナルにはないフレーズやジャムが続きます。

いままで100枚以上のアルバムを紹介しましたがLP一枚で2000を超えたのは初めてな気がします。