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フュージョン、ジャズ

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フュージョンを中心にモダンジャズ、ジャズファンク、フュージョンなどをまとめてあります。
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#CTIレコード

Wes Montgomery. Road song (1968)

Wes Montgomery. Road song (1968)

 CTIでの最終作は当時イージーリスニング界で人気のあったバロック調のアレンジをウェスの希望で導入しています。ただ個人的にはオーケストラが甘すぎるように思いCTI時代のウェスのレコードで一番最初に買ったものの一番聴いた回数は少ないです。イージーリスニング的にはこれでいいのかも知れませんがソロを増やすとかして刺激を加えた方がよかったかなと思ったりも。本作の録音から一ヶ月後ウェスは急死してしまいます。

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Astrud Gilberto & Stanley Turrentine.  Gilberto with Turrentine (1971)

Astrud Gilberto & Stanley Turrentine. Gilberto with Turrentine (1971)

ボサノヴァシンガーのアストラッドジルベルト。彼女のアルバムはほとんどがストリングスを使ったイージーリスニング。一方のスタンリータレンタインはブルーノートに男臭いソウルフルなジャズを数多く吹き込んできたサックス奏者。スタイルが異なりすぎて合わなそうな2人を共演させたのはおそらくクリードテイラーはかつて自分が制作しヒットさせたゲッツ/ジルベルトの二枚目を期待したからではないでしょうか。ヒット、セールス

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Milt Jackson - Olinga (1974)

Milt Jackson - Olinga (1974)

ヒップホップグループのATCQがサンプリングしたレコードを紹介する動画を見た時ミステリアスなジャケットとクールな演奏に惹かれました。本作はCTIからのリリースですがその内容はかなりハードバップ的なサウンド。その中にほんのり顔を見せるグルーヴィなビートや電気楽器がクールかつファンキーなサウンドを作り上げています。ちなみに本作がリリースされた1974年は長く続いたモダンジャズカルテット(MJQ)解散の

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Hubert Laws. Afro Classic(1970)

Hubert Laws. Afro Classic(1970)

ヒューバードロウズはデビュー前のクルセイダーズのメンバーでもありヒューストン青年交響楽団のソロイストでもありジュリアード大学院ではクラシックのフルート奏者のレッスンを受けていたという少し変わった経歴のミュージシャンです。そんな彼がクラシックをジャズ風にアレンジしたりクラシック的なストリングスを使ったレコードを制作していたCTIと契約するのは不思議ではありません。本作は5曲中3曲がクラシックのカバー

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Hubert Lows. The Rite Of Spring(1971)

Hubert Lows. The Rite Of Spring(1971)

本作はCTIからの3作目のアルバムで前の2作はクラシック以外の曲のカバーもあったものの全曲がクラシックのカバーでそのうえクラシックよりの編曲で曲によってはジャズの要素がほとんどないという異色盤です。

メンバー
ヒューバードロウズ:フルート
ジーンパートンシーニ、スチュアートシャーフ:ギター
デイブフリードマン:ヴァイブ、パーカッション
ボブジェイムズ:キーボード
ロンカーター:ベース
ジャックデ

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Paul Desmond. From the Hot Afternoon(1968)

Paul Desmond. From the Hot Afternoon(1968)

ポールデズモンドはデイブブルーベックのグループでサックス奏者として活躍し、その一方で優れたソングライターとしてテイクファイブ他様々な曲を提供しました。デイブのグループを離れたのちは複数のレコード会社を渡り歩き、68年から亡くなる直前までA&M、CTIと契約し、優れたレコードを幾つもだしています。本作はA&Mからの2枚目でポールらしいジェントルでソフトなサックスとクラウスオガーマン(ドンセベスキー?

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「CTIのソウルジャズ」Stanley Turrentine.   Sugar (1971)

「CTIのソウルジャズ」Stanley Turrentine. Sugar (1971)

足の指を舐める女性。CTIのレコードで1番下品なジャケットな気がします。見てるだけで足の指がくすぐったくなってきますが。需要があるんでしょうか?そんな話はさておき本作の主人公スタンリータレンタインは力強くブルージーなプレイを得意とするサックス奏者(兄のトミーはトランペット奏者です)でオルガンとの相性が良いホンカーよりのプレイヤーです。

Spotifyになかったのでタイトル曲のライブバージョンを貼

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Patti Austin Live at The Bottom Line(1978)

Patti Austin Live at The Bottom Line(1978)

パティオースティンのライブ盤です。前作や前前作の収録曲はなく全てカバーか新曲です。1枚目からの選曲がないのは残念ですがどの曲も素晴らしく、パティのボーカルや演奏メンバーもライブらしい熱のあるパフォーマンスです。ジャケは女性シンガーのライブ盤でちょいちょいある楽屋ジャケです。顔を直接写すのではなく鏡に写った顔を使うところにセンスを感じます。

メンバー
パティオースティン:ボーカル
デヴィッドスピノ

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Phil Upchurch & Tennyson Stephens.  Upchurch / Tennyson (1975)

Phil Upchurch & Tennyson Stephens. Upchurch / Tennyson (1975)

派手なリードも地味ながらもファンキーなバッキングも弾けてベースも弾ける。ブルース、ロックンロール、ソウル、ジャズなんでも弾けるすご腕ギタリストのフィルアップチャーチがシカゴの友人でキーボード兼シンガーのテニソンと連名でリリースしたアルバムを紹介します。ジョージベンソンのバッドベンソンのレコーディングに参加した際、フィルのプレイに感銘を受けたクリードテイラーがフィルにリーダー作を作らないかとオファー

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「ファンキーおじさんのジャズファンク」Hank Crawford. Don’t you worry ‘bout a thing (1974)

「ファンキーおじさんのジャズファンク」Hank Crawford. Don’t you worry ‘bout a thing (1974)

ハンククロフォードはレイチャールズのバンドのアルトサックス奏者として活躍した後、KUDUと契約してファンキーなアルバムを数多くリリースします。本作もニューヨークの一流ミュージシャンをバックにアンクルファンキーのニックネームにふさわしいプレイを披露しています。全5曲と曲数は少なめですがどの曲もボリューミーなので聞きごたえはしっかりあります。

メンバー
ハンククロフォード:アルトサックス
ボブジェイ

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Lalo Schifrin.  Towering toccata (1977)

Lalo Schifrin. Towering toccata (1977)

ラロシフリンはアルゼンチン出身のジャズマンで50年代からディジーガレスピーの音楽監督を務めていました。またヴァーブでの豪快なホーンアレンジも印象的です。しかし彼はどちらかと言うと映画音楽の方が有名です。「燃えよドラゴン」「ブリット」「ダーティーハリー」「鷲は舞い降りた」など映画好きなら名前だけでも知っているようなものから知るひとぞ知るB級まで多くの映画音楽のスコアを手がけています。(おすすめはダー

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Freddie Hubbard. Keep your soul together (1974)

Freddie Hubbard. Keep your soul together (1974)

CTIのフレディハバードのアルバムは電気楽器や8ビート、16ビートを使いつつ正統派のモダンジャズ感の強い作品が多い印象があります。本作が録音された1973年フレディはダウンビートの人気投票でマイルスを抑えて一位を獲得しています。人気、実力ともに最高の時期を記録した一枚です。

メンバー
フレディハバード:トランペット、フリューゲルホーン
ジョージケイブルス:サックス
ロンカーター、ケントブリンクリ

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Joe Farrell.  Out back (1971)

Joe Farrell. Out back (1971)

ジョーファレルというとRTFでの活動が有名ですがCTIやワーナーにソロ作をいくつも残しています。そんな彼の2作目のアルバムはコルトレーンの至上の愛にスピリチュアルジャズやフュージョンの要素を混ぜたような一枚です。

メンバー
ジョーファレル:テナーサックス、ソプラノサックス、フルート、アルトフルート、ピッコロ
チックコリア:エレピ
バスターウィリアムス:ベース
エルヴィンジョーンズ:ドラム
アイア

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George Benson & Joe Farrell. S,T(1976)

George Benson & Joe Farrell. S,T(1976)

今日はCTIのスターギタリストのジョージベンソンとRTFのマルチリード奏者ジョーファレルの共演盤を紹介します。アレンジャーはデイヴィッドマシューズ。ディスコやソウル風のアレンジを得意とする人でディスコ風の4つ打ちは好き嫌いが分かれそうですが本作ではディスコ色はなく、ほんのりファンキーなビートにジョージとジョーの美しいソロが乗っかるCTIらしい一枚です。(ジャケット写真に関してはもっといい写真があっ

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