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フュージョン、ジャズ

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フュージョンを中心にモダンジャズ、ジャズファンク、フュージョンなどをまとめてあります。
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#フュージョン

Weather Report - Tale Spinnin’ (1975)

Weather Report - Tale Spinnin’ (1975)

 前作に引き続き世界各地のグルーヴをジャズと組み合わせたトロピカルでハッピーな一枚です。ただし曲の背景やタイトルにはニューオリンズ、中南米、アフリカ、スペイン、ポルトガルと具体性を帯びています。メンバーについて触れるとドラムのイシュマエルウィルバーンが極度のあがり症故にツアーではダメダメでスキップハッデンをサポートに入れていましたが脱退、ダリルブラウンが加入するも音が合わず脱退(なんと脱退後は脳外

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Deodato / Airto - In Concert  (1974)

Deodato / Airto - In Concert (1974)

本作はややこしいことにデオダートとアイアートの共演ではなく2人の演奏を2in1にしたアルバムです。だいたいこういうのは同じミュージシャンの演奏を片面に固めて収録するスプリット盤にすることが多いですがなぜか2人の演奏がA面とB面の両方に入っています。さらにややこしいのが同じジャケットでアイアートの演奏をオミットしてLPで削られたデオダートの演奏を追加収録したCDもあります。買う時はよく確認してくださ

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Eric Gale - Part Of You (1979)

Eric Gale - Part Of You (1979)

エリックゲイルのCBSでの3枚目のアルバムです。いままで二枚はボブジェイムズのプロデュースでしたが本作ではラルフマクドナルドが担当。オーソドックスなこの頃のNY制作のフュージョンらしいサウンドですがベースがいない曲やエリック本人がオーバーダブした曲などベースギター的には面白い曲が多いです。僕の中ではリトルウォルターやフィルアップチャーチと3大顔の圧が強いジャケットの一つとしています。

エリックゲ

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Ramsey Lewis. Sun goddess (1974)

Ramsey Lewis. Sun goddess (1974)

このアルバム1番の特徴はかつてのサイドマンであるモーリスホワイトと彼のバンドE,W&Fそしてチェス時代から付き合いのあるアレンジャー、プロデューサー、ソングライターのチャールズステップニーとリチャードエバンスが制作に参加している事です。リチャード=ラムゼイはカデット時代の名コンビだったし、このラムゼイ=アース(モーリス)=チャールズのチームはチャールズが亡くなるまで続き、アースとラムゼイの関係もそ

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もう一つのスタッフ Rainbow. crystal green (1976)

もう一つのスタッフ Rainbow. crystal green (1976)

タイトル見てハードロック紹介するなんて珍しいと思った人もいるかも知れませんが今回紹介するレインボーは同名のフュージョングループです。メンバーは以下にもあるようにスタッフのメンバーがほとんどですがセッションワークとして割り切ったのかキーボードがリチャードではないからなのかスタッフほどクセは無いしキーボードも地味ですがなぜかマイケルブレッカーが熱演しており実質マイケルブレッカーのアルバムと言っていいと

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Wes Montgomery. Road song (1968)

Wes Montgomery. Road song (1968)

 CTIでの最終作は当時イージーリスニング界で人気のあったバロック調のアレンジをウェスの希望で導入しています。ただ個人的にはオーケストラが甘すぎるように思いCTI時代のウェスのレコードで一番最初に買ったものの一番聴いた回数は少ないです。イージーリスニング的にはこれでいいのかも知れませんがソロを増やすとかして刺激を加えた方がよかったかなと思ったりも。本作の録音から一ヶ月後ウェスは急死してしまいます。

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Gabor Szabo - Mucho

Gabor Szabo - Mucho

ボブジェイムズ企画番外編として初期のプロデュース作品である本作を紹介します。本作はエンジニアでCTIのほとんどのアルバムを手がけたルディヴァンゲルダーの名前がなく演奏するメンバーも西海岸を拠点にした人ばかりなのでおそらく西海岸で録音されたものと思われます。ガボールの個性的なギターとこの地のグルーヴはミスマッチなように思いますがそこはボブジェイムズ。しっかりまとめています。

ガボールザボ:ギター

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Bob James - 4 (1977)

Bob James - 4 (1977)

CTI最終作の本作はCTI時代の実験的なアレンジやファンク的なリズムを残しつつもこれ以降のスムースなサウンドやかっちりとしたビートも聞くことができます。(どっちかというと後者の比率高めです)個人的にはタッパンジー時代の作品やフォープレイは洗練されすぎていて好みではないのでこれが実質ボブジェイムズの最終作になっています。ジャケットはスタジオで適当に撮ったような顔写真にパワポでセンスない人が使いそうな

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Bob James - One (1974)

Bob James - One (1974)

ボブジェイムズのCTIでの記念すべきファーストアルバムです。もうすでにこちらで解説しているので詳細は省きますが3度目の正直であると同時に成功が約束されていたといってもいいくらい裏方としての名前を売ってきたのでヒットと後の成功は妥当と言えます。クラシック、ファンク、ジャズ、現代音楽と持てる才能を全て注ぎ込んだ一枚。どことなくミステリアスなサウンドや音圧の強いホーンアレンジも合間って彼のアルバムで一番

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Stan Clarke - Children of forever (1972)

Stan Clarke - Children of forever (1972)

RTFやジョージデューク、上原ひろみ等の著名なミュージシャンと共演し自己名義のアルバムも有名なスタンクラークのファーストアルバムが本作です。デビュー前の彼はロフトジャズやスピリチュアル系の界隈に身を置いていたのでボーカルでアンディベイとディーディーブリッジウォーター濃い2人がボーカルをとっています。アンディベイはホレスシルバーの賛否分かれる人心3部作などで歌っていた人で深みと神々しさがある声です。

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Carla Blue - Dinner Music(1976)

Carla Blue - Dinner Music(1976)

長らくフリージャズをやっていたカーラブレイですが本作ではなぜかスタッフのメンバーを迎えています。なぜ対極とも言えそうなスタッフを迎えたのかは謎ですがミケールズでのジャムを見るか噂を聞いて一緒にやりたいと思ったんじゃないかと予想しています。スタッフを期待すると結構これじゃない感をくらう一枚で結構聞く時の気分でこれはこれでいいって時とホーンが暗くてあんまりだなって時に別れます。(書いている時はあんまの

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川崎燎 - Mirror of My Mind(1979)

川崎燎 - Mirror of My Mind(1979)

学生時代からギタリストとして活躍し渡米後はギルエヴァンスやエルヴィンジョーンズと共演したギタリストの川崎燎。彼が1979年にリリースしたのが本作です。ここではボーカルでインド出身のラーダショッタムを起用した他いままでは使わなかったクラシックギターを導入しています。初めはパティオースティンやチャカカーンを起用する話もあったとかエルヴィンのバンドにいた頃クラシックギターのソロを一曲披露していたなどの面

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笠井紀美子 - Round And Round (1978)

笠井紀美子 - Round And Round (1978)

ジャズシンガーとしてデビューした笠井さんですがこの頃(70s後半)はフュージョンやR&B系の歌を歌うことが多くなりました。本作もクインシージョーンズやマリーナショウといったジャズからソウル寄りのフュージョンに転向したミュージシャンによく歌われたベアードアイグナーやハービーハンコックの曲を録音したりとディスコやフィリーソウルっぽいフュージョンサウンド。それにしてもここまで豪華なメンバーをバックに歌う

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Sonny Rollins - Easy Living(1977)

Sonny Rollins - Easy Living(1977)

ソニーロリンズのフュージョン。しかも一曲目がスティービーワンダーのかなりポップな新曲のカバー。だからなのかやたらと悪く言われる(言われた?)本作ですがメンバーが最高です。実力のあるミュージシャンをバックにサックスを吹くソニー。彼はバックがなんであれ自分のしたい演奏ができれば気にしないんでしょう。小難しく語らず演奏するのみ。本作に限らずそういう姿勢にジャズミュージシャンの意地を感じます

メンバー

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