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【紺屋町コトマスの体験ツアー】香川・東かがわ市で手袋をつくってみよう!

香川県」と聞くと、どんなものが思い浮かびますか?

讃岐うどんや金刀比羅宮(こんぴらさん)、瀬戸内国際芸術祭などが、まず出てくるかもしれません。

さらに、香川県は、漆器や陶芸など、工芸も盛んな地域です。

こんな香川県の魅力を、深く味わえるイベントを企画しているのが、高松市の「紺屋町コトマスです。

体験ツアーを提供するコトマスとは?

JR高松駅から徒歩10分ほどにある「コトマス」は、高松出身の山本賢二さん、中国出身のリサさんのご夫婦が手がける多目的スペース。

お2人は、高松の人気宿泊スポット「紺屋町ゲストハウス 久々(くく)」や「瓦町ドミトリー」、中国茶の専門カフェ「ショワシノワ」なども運営しています。

今回、筆者は、「コトマス」による東かがわ市での手袋づくりの体験ツアーに参加させてもらいました。

日本一の手袋の生産地、東かがわ市とは?

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東かがわ市は、日本の手袋の90%をつくっている一大生産地です。

東かがわ市は、もともと砂糖や塩づくりで栄えた地域。しかし、明治時代にそれらの産業が衰退したとき、代わりに始まったのが、手袋づくりでした。

以後、すばらしいモノづくりの技術によって、誰もが知る欧州の有名ブランドも発注するような、手袋づくりの聖地となっていったのです。

「ミシンの音が鳴り響く町」を取り戻したい

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コトマス体験ツアーで訪問したのは、東かがわ市の手袋ブランド「佩(ハク)」の工房です。

今回は、高松市から5人の参加者が、手袋づくりを体験しました。

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「佩」を手がける江本手袋株式会社は、1939年に創業。すばらしい技術によって、数々の有名ブランドの手袋の生産を請け負ってきました。

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しかし、近年、手袋づくりの中心は、労働力の安い海外に移っています。東かがわ市の手袋メーカーでも、海外の工場に生産を委託することが増えてきました。

江本手袋の3代目、江本昌弘さんは、「自分が子どもだったとき、この町のあちこちから、いつもミシンの音が響いていた。それが、今はもの静かな町になってしまい、寂しく感じている」と語ります。

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そんな問題意識から始まったブランド「佩」が目指すのは、「人が人らしく生きるものづくり」。

お客さんを笑顔にしつつ、職人たちが誇りを持って生きれるようにしたい。そんな思いが込められています。

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「佩」を立ち上げるとき、江本さんたちは、いくつかの課題にぶつかりました。

お客さんが手に取りやすい価格にしつつ、職人も適正な収入を得られるようにしたい。

手作りの暖かみと高品質にこだわりつつ、後進の職人の技術習得のため、デザインをシンプルにしたい。

そんな矛盾しあう思いについて、江本さんたちは何度も議論を重ねました。

そして「佩」では現在、25色のカラフルな手袋とリストマフラー、18色のマフラーを販売しています。

品質にこだわった手袋は、1組あたり3000円程度。カラーのバリエーションを増やすことと、組み合わせできるリストマフラー、マフラーを用意することで、お客さんが自分に合ったファッションを楽しめるようにしています。

手袋づくりを体験!

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手袋づくりは、大きく分けて、布の裁断、縫製と、2つの段階から成り立っています。

ここで「佩」の職人、新一さんと繁子さんが、手袋づくりの様子を見せてくれました。新一さんは約40年、繁子さんは約50年働いている大ベテランです。

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裁断や型を取るのは、新一さんの仕事。

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それを、繁子さんがミシンで縫い、形にしていきます。

1つの手袋をつくるのにかかるのは、約10分。お二人の作業の手際の良さに、参加者からは感嘆の声が上がりました。

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見学の後は、早速、参加者たちも自ら制作。

最初は、布選びから行います。

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布も糸もバラエティに富んでいて、とってもカラフル。それ自体が1つの芸術作品のよう。見ているだけで、ワクワクしますね。

自分がどんな色が好きか、自分にどんな色が合っているか。いろいろ考えながら、使う布を選びます。

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参加者もみんな、真剣な表情で裁断し、縫っていきます。新一さんと繁子さんが、それを適宜サポートしてくれます。

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手袋は指の形の裁断などが難しいことから、今回は手首に付けるリストマフラーをつくってみました。

最終的にこんな形に。

つくり手の人たちの、手袋にかける思いを聴き、自分でつくってみると、愛着もひとしおですね

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最後は、みんなで集合写真。

なお、大規模な生産工場と異なり、熟練の職人が布の裁断から縫製まですべてを1人で手がける「」では、個々の人の手の大きさに合わせた、微妙な調整もできます。

そんなことから、近年はオーダーメイドの手袋を依頼されることも増えているよう。

「コトマス」のイベントをチェックしよう!

香川の魅力をより多くの人に知ってほしいと、「コトマス」では2019年から、瀬戸内の島々を撮ってきたフォトグラファーの講演や、お箸づくり体験など、さまざまなイベントを開催しています。

「コトマス」のFacebookから、イベント情報をチェックしてみてくださいね!


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