『嵐になるまで待って』　ナッポスプロデュース

2023年7月28日（金）
19時開演
＠サンシャイン劇場
￥8,000

キャラメルボックスの代表作の一つで、繰り返し再演されていて、今回は6演め。
アタシも93年の初演こそ映像でしか観ていないけど、再演以降はすべて劇場で体験しているくらいに好きな演目。今回は劇団公演ではないけれど、キャラメルから俳優も出るし、演出は劇団代表の成井さんだし、ほぼキャラメルと言っていいかと。
人気の「波多野」役を多田くんが演るとあっては見逃すわけにはいかぬ！

STORY
声優志望のユーリは、TVアニメのオーディションで見事合格する。
その顔合わせで、作曲家の波多野とその姉・雪絵と出会う。
波多野は、雪絵に乱暴をしようとした俳優・高杉に対し、「やめろ！」と叫ぶ。
だが、ユーリの耳には「死んでしまえ！」というもう一つの声が聞こえた。
翌日、高杉は行方不明になる。
本当に死んでしまったのか…。その夜、波多野から電話がかかってくる。
イルカのペンダントを拾ったので、取りに来てくれという。
それは、ユーリが元家庭教師・幸吉にもらったものだった――。

今回もたいへんにおもしろうございました。
そりゃもう、圧倒的にホンがいい。
キャストさんは皆しっかりとしていて、ヘタな人がいないw（気が散らず話に入り込めるからコレ大事）
ストーリーの改変などはゼロで30年変わらず面白いのってすごいな。電話事情は激変してるけど（固定電話→ポケベル→携帯電話→スマートフォン）、その辺りはうまく修正してあった。それでちゃんと通用するんだもんな～～

主役のユーリと幸吉ペアは見目もそこそこ良く、演技もソツがない。良かったんだけど自分の中では印象が薄いかな。マイナス点無しだとひっかからないというか。
下っ端弄られキャラ勝本はNORDの舟木くん。イケメンの勝本とは新しい。背が高い！
高杉の牧田氏は名前を知らず、初めましてかとおもったら柿喰う客の人なのか。『フランダース～』で観てるわ。根性悪のイケメン、よかった。
滝本＠クボカン、めっちゃうるせーw　大体滝本さんはどの代も騒々しいw
チカちゃん、津田は安定のキャラメル陣。美咲ちゃん、想像通りハマってる。この先は石川さんほどの強烈さを期待。津田は謎の愛されキャラだと思ってるので、関根くん良き。ちょっとふっくらした？

粟根さんの広瀬教授、めちゃ欲しがりだと達也汁で言及されてたけど、ホントその通りだった。好きあらばボケてやるってカンジ。笑った。関西人だなあ。
そしてこの演目で一番人気のある波多野姉弟。毎回良いんだけど、今回はまた佳き･･･。
姉の雪絵さん。嫋やかで芯があって、美しい。雪絵さんの美しさがなくてはこのストーリーは成立しないのよ。
そして、波多野。多田くんの波多野なんて良いに決まってる。期待しかなかったけど、その期待を裏切らない魅力的な波多野だった。
見る前にふんわりイメージしてたのは、もっと冷たい感じで。でも実際の多田波多野は、姉への想いを拗らせた利かん坊のこどもの様だった。普段のさらりとした雰囲気と豹変した時の狂気のギャップよ。
あとスタイルが良い。姉弟そろってめっちゃ細長い･･･美しい･･･

セリフもちょいちょい記憶しちゃうほど何度も観た演目だけど、飛び降りようとした幸吉くんを止めるユーリが声を取り戻すシーン、妙にあっさりすぎない？
初演で見た時のハラハラ感ったら半端なかった。何度も突き飛ばされるユーリに手に汗握り、必死になってついに叫びが声になった瞬間（わあああ声が出たああああ！）という心の叫びが、めっちゃ薄くなった気がして。やっぱり何度も見て薄れちゃったのかなあ。初演を見返したいけどあのビデオテープ生きてるのかな･･･。

そして初演から気になってるのがチカコちゃんの「バッカみたい、おどおどしちゃって」ってセリフ。ちょっと暴言すぎない？　あんな言われ方したら腹立たんか･･･中三でもあの言い草は無いだろユーリ人が良すぎるなって毎回思う。

けどその後のオーディションで読まれる物語は『銀のいす』！　これは嬉しい驚きだった。『ナルニア国物語』は初演の時点では映画化もされてなかったから、こんなところで会えるなんてと驚いたのよねえ。
ナルニアは大好きなのに、映画はイマイチだったんでがっかりした。それももうかなり昔。


登場人物と配役
ユーリ（声優） 田野優花
幸吉（新聞記者） 土屋神葉
波多野（作曲家） 多田直人（キャラメルボックス）
雪絵（波多野の姉） 関口秀美
滝島（ディレクター） 久保貫太郎（クロムモリブデン）
勝本（AD） 舟木健（NORD）
チカコ（中三の声優） 石森美咲（キャラメルボックス）
津田（幸吉の同僚） 関根翔太（キャラメルボックス）
高杉（俳優） 牧田哲也柿喰う客
広瀬教授（精神科医） 粟根まこと（劇団☆新感線）