『骨と軽蔑』 KERA CROSS第五弾
2024年3月20日(水・祝)18時開演
@シアタークリエ
¥12,500
いやはや。
書いてない観劇メモがいくつかあったなあ、1、2ヶ月経っちゃったよな?と思って遡ったら、なんと3月と4月の分だった・・・。え、いつのまに?!?!
とゆわけで、5ヶ月近く経ってからのメモ。当然もう記憶はとおく彼方に霞んでしまい・・・
脳みそ脆弱ゆえこのメモを残そうって決めたのに、ダメじゃん。(x回目)なので、とりあえずふわっとだけ残しておこう。
まず、配役ドン。
マーゴ(小説家) 宮沢りえ
ドミー(マーゴの妹) 鈴木杏
ネネ(メイド) 犬山イヌコ
ミロンガ(編集者) 堀内敬子
ソフィー(秘書) 水川あさみ
グルカ(マーゴの母) 峯村リエ
ナッツ(マーゴのファン) 小池栄子
どう、このメンツ! 7人のキャスト全員が魅力的でとんでもない芸達者。これだけ揃ったらチケット取るのが大変だろうと、早々に有料観劇会員に登録してチケットを確保したのだ。やはり正解だったわあ。
<STORY>
東西に分かれての内線が続く、とある国の田舎町。作家の姉マーゴとその妹ドミー、母のグルカ、長年この家に仕えてきた家政婦のネネは、町の人から「お城」と呼ばれる巨大な邸宅に暮らしていた。
グルカの夫は軍需工場で財をなしたが、今では夫婦仲は冷え切ったまま寝たきりに。秘書兼愛人のソフィーがつききりで世話をしている。
そこにマーゴのファンであるナッツ、マーゴの担当編集ミロンガが加わり、長引く戦争で男がいなくなった女だけの物語が描かれる。
オールフィメールの設定はここに繋がるのか。なるほど!
KERACROSSとはケラさんの過去戯曲を他の演出家が作り上げる、というシリーズ。けど最後だけは新作でケラさん自身が手掛けるという。
それはもうKERACROSSではないのでは・・・と思ったけど、このシリーズを始める時からそういう予定だったんだそう。
常に戦時中の不穏な空気が背後にあって、重苦しくなりそうなんだけど基本はコメディ。ちょっとブラック、且つちょっと不条理で。
ふわっとな記憶しかないんで順序立てたストーリーとか考察とか無理だわ(情けない。が、いつものこと)箇条書きで覚えてることだけ取り留めなく記しておくか。。
・マーゴとドミーの姉妹は常にマウント取り合い、いがみ合い
・クッションや靴、マーゴの夫(失踪)も取り合っている
・マーゴの小説は驚くほど売れてない様子
・会話から察するにヘンテコすぎて、絶対に面白くなさそう
・ナッツほど熱心なファンがいるのが不思議
・軍需産業で儲けているらしいのにお金に困っている家族。儲けは社長が独占?
・ネネの給金も滞ってる上に、クッキーにまぶす砂糖さえもない
↓(敬称略だったりするけど、悪しからず)
・宮沢りえは美しいな。目が悪くて顔など見えないのに美しい
・峯村リエ・犬山イヌコは流石の安心感。盤石
・杏ちゃんもめちゃ安心感。何だかんだで結構見てるなあ
・ナッツが小池栄子だってこと、途中まで気づかず。何度も舞台で見てるのに
・堀内敬子は映像でしか知らず、舞台で見るのが楽しみだった。声ですぐわかった!
・↑編集者役なんだけど、最初に登場した時は「虫」役だった。虫、とは
・彼女ミュージカルの人なのね、全然知らんかった~(無知すぎる)
・水川あさみも舞台では初見。声が何となく苦手。綺麗だしうまいのに、ただ個人的に好みじゃないだけでご本人に非はない。申し訳ない・・・
公式サイトやチラシになかったのであらすじを自分で書こうとしたけど、話の筋には関係ないやりとりばかりで3時間5分(休憩込み)が構成されているんだなあと気づく。ケラさんの作品はわりとそんなのが多い。枝葉ばっかりたくさんあって、でもそれが面白かったり。
・お金も夫の愛も何もなく酒に溺れるグルカが、夫が死んだらコロッと元気に!
・遺産を当て込んでいたソフィーは、遺言で何も貰えず絶望・・・と思いきや
・社長が生きていた時は敵対していたグルカとソフィーが意気投合?
・グルカはバリバリのやり手社長に大変身、ソフィーと一緒に会社をブン回す
・あろうことか西側だけでなく敵である東にも武器を売って大儲け
・マーゴの小説が賞をとったがミロンガは離れ(売れたら興味が失せた)
・それまでは唯一のファンだったナッツは疎外感
・ソフィーは徴兵される
・受賞の祝電の中にマーゴの夫からの手紙が!
・東で従軍しているという彼から「お城」を爆撃する予定だとの知らせ
・その予定日が記してあり「これって、今日よ!」で終幕
面白かった~。
面白かったけど、どこがどう面白いかって説明ができない。こういうのを言語化できる人が批評家とか文筆家になるんだろうね。
戦争してる国なのに、のほほんと生きている人たちばかりなのが薄ら寒い。ラジオではきょうは何人死んだと伝えられているのに。ラジオを叩くとアナウンサーが痛いとか言うし、それについて「(叩くのは)よしなさいよ、痛がってるじゃない」とか何の疑問もなく答えてるし、可笑しくて笑っちゃうんだけどシュールだなあと思う。
助けてくれたお礼に望みを叶えるという「虫」が、「世界平和は?」と提案するとグルカは「世界が平和になったら会社が儲からない」と断るくだりがあった。これは今の日本の政治家と同じ思考だな。とんでもないぜ。
ケラさんはそういう世の中を憂えているのだろう。
しかしケラさんはすごいな。アタシがこのメモを書き終わる前に『江戸時代の思い出』を上演しちゃってるんだから。
あ、そうそう。大千穐楽はきのう無事に終えたらしい。おめでとうございます!『江戸時代の思い出』はすでに観劇メモを書いてあるのでよかったらどうぞ(→コチラ)どうぞと言いつつちょっと好みじゃなかったので、正直にそう書いてありますが・・・。
『骨と軽蔑』公式サイト
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