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『朝日のような夕日をつれて2024』 KOKAMI@network vol.20

2024年8月16日(金)19時
8月28日(水)19時
@紀伊國屋ホール
¥9800

今回、2公演分のチケットを購入。先行抽選で第一希望と第二希望を選択したら、両方取れてしまったのだ。おっかしいな、どっちか一方でよかったんだけど。そういうシステムだと思ったんだけど、何か間違えたらしい。
とりあえず一回観て、もういいやって思ったら片方は誰かに譲るかあ・・・ということで1回目観て、まんまと2回めも自分で観た訳だ。ははは。

んで8/16。かなり強い台風が来るって触れ込みで、2日くらい前から新幹線の運休が決まったり、前日には中止を決定したイベントなんかもあって、大丈夫かな~~と危ぶんでいた。とりあえず『朝日~』公式Xでは上演する予定だというので、その上で行くか行かないかは観客の判断ということだ。
もし劇場までたどり着いたとしても、観劇中に電車が止まって帰宅難民になったら辛いな~と躊躇したものの、当日の雨風の感じからして大丈夫な方に賭けてみた。
果たして終演後、ちゃんと電車は動いてた! ありがとう交通インフラのひとたち! ちなみに2回目の28日も台風直撃予報だったけど、サンサン(台風の名)めっちゃ足遅くて余裕で観劇できた。

とゆー訳で、観ちゃったのよ~伝説の舞台を! 実はアタシ、初『朝日』。こんだけ舞台観ておいて(観劇歴30年)、何なら鴻上さんの作品もちょいちょい観てるのに『朝日』を観ていないなんて。何故だか分からないけど、なんとなく食指が動かなかったのかな。あと情報を追ってなくて知らずにスルーした可能性も。
今回は一色くんが出るし、最近めっきり人気者の玲央くんも出る!というので勇んでチケットをゲット!(なぜか2枚も)そしたらナント、この日は最前列?!(ここでチケット運、使っちゃったか)発券せず家を出たんで、席が後方だった時のために双眼鏡を持参したんだけど、全然いらんかったw

~終演~

面白かった! なんかすごいエネルギーを浴びた。昂るわ~~

ストーリー
ベケットの名作『ゴドーを待ちながら』を下敷きにした不条理劇。倒産寸前のおもちゃ会社・立花トーイの社長と社員たちが、生き残りをかけて新しい商品を開発しようとすったもんだするが・・・

「ストーリー」とは書いたけど、まあ不条理劇なんで明確なストーリーはあんまりない。てかアタシが理解できてないだけかも。

演者さんが皆すごくてめっちゃすごかったけど(語彙)、とにかく喋る喋るしゃべる! マシンガンのようにセリフをぶっ放し続け、走るわ飛ぶわ踊るわであっという間に全員汗みずく。喋るたび、頭を振るたびに汗と唾液の飛沫が撒き散らして。
あまりに汗でぐしょぐしょになったんで、途中で着替えてたね。まったく同じ衣装に。スーツの背中まで汗がしみて、肩甲骨の形どおりに色が変わるという。(キャラメルボックスの『また逢おうと竜馬は言った』で、主役の今井くんに天使の翼が生えたっていう話になったのを懐かしく思い出した)

あー、なんか懐かしいこういうの。30年前の小劇場ってこんな感じだった。郡唱とかもめっちゃノスタルジー。ぶっちゃけ古臭いんだけど、なんていうか圧倒的にかっこいい。なんか矛盾してる気がするけど、問答無用なかっこよさ。5人の立ち姿、ダンス(パフォーマンス)ウィスパーな群唱、あれもこれも。80年代に青春を送ったから? いや、若い人たちも皆かっこいいって言ってるもんね。だってスーツにサングラスってやはり鉄板だった。

とはいえ時事ネタはてんこもり。浅学かつ時事に疎いアタシにはすでについていけない。IT用語とか、現代用語が難しすぎる。新しいおもちゃの企画対案でアレコレ挙がるけど、何が何やらピンとこない。全部コンピューターのゲームじゃん。CMソング?を次々歌うコミカルなシーンも、普段テレビを観ないアタシにはほとんどわからない。置いてけぼり~。辛うじてたらこのやつは聞き覚えがあったので、CMだってことが分かった。
そういえばそうだった、鴻上さんってこういうの書く人だった。『もうひとつの地球の歩き方』でシンギュラリティって言葉を聞いて、あとで調べたっけ。あれももう6年も前だって。物書きってすごい。鴻上さんてすごいな・・・

すごいばっか言っててアレだけど役者さんもすごい。5人とも、ほんとすごい(語彙消失)
なんだけど、やはり玉置玲央のすごさに圧倒されてしまった。贔屓目? 特に顔が好みとかじゃ絶対ないんだけどな。なんと言うか、あの雰囲気、立ち姿、動き、声、喋り方。魅力的すぎる。
一色くんはめちゃくちゃ熱かった。初めて『朝日』を観てから14年、憧れ続けた場所に立てる喜びが漲っていたんだと思う。嬉しそうでピカピカだったよ。出番が少ないってぼやくメタなシーンで笑いをとっていたけど、本当は少年役やりたかったんだよね? 煉獄さんや虎杖、アーニャ、VTuberのリンダリンダも良かったよ~

小松準弥くんは仮面ライダーリバイスで知った。おお、まんまだ~背が高い!
あとのおふたりは初見(・・・とおもったら稲葉さんは『露出狂』と『飛龍伝』で観てるっぽい。どっちも芝居自体あんまり記憶なくて)。がんばっていらっしゃった。今後どこかで見かけたら、あの時の・・・と思い出せますように。
安西さんには「何を待ってるか」と訊かれて、とっさに「今は特に待ってない」と答えてしまった。何か面白い返しをしたかったw

おもちゃについては初演から時代に合わせて変化していて、パンフによると下記の通り。ルービックキューブ→ビデオゲーム→コンピューターゲーム→ネットワークゲーム→オキュラスリフト→MR(複合現実)(VRとかARとは違うんだそうだ)
うーむ、むずかし。ルービックキューブ以外は全部電子機器やん。メカメカしすぎてときめかない(駄洒落に非ず)! そして金かかりすぎ。子供のものじゃないよね。
エスカワとウラヤマが遊び倒すシーンの、ダーツ(客席から舞台上に投げる!)やドッジボール(だんだんボールが大きくなる)(ドリフか)、フラフープ(一足飛びに大きくなる)(3mくらいあるのを回して客席がどよめく)とかが本来のおもちゃでは。

どかっと降ってくる大量のボール、紙吹雪ならぬ銀テ吹雪、恋愛心理学、ぼっちの会(会に入ったらぼっちじゃなくなるよね)、2.5次元病、シチュー溶かし中・・・

全編を通して笑いが多いんだけど、ラストの「みよ子の遺書」ですうっと空気が沈む。登場しないけれど、たびたび会話の中に出てきた社長の娘だという人物。リインカネーションを信じてこの世を去った彼女。2時間の物語は、すべて彼女の夢だったんだろうか。
緩やかな傾斜の八百屋だった舞台が、ぐーっと奥の方が迫り上がっていき、急斜面になった上で5人が郡唱するという印象的なラストシーン。芝居の真意とかメッセージとか、ちゃんと自分が理解してるかよく分からないけど、とにかく感動してしまう。

観劇の感想をネットで拾い読みしたけど、たまにものすごい深い考察してる人もいて興味深い。言葉が難しすぎて理解できないようなのもあった。芝居の内容より、どれだけ待ったか、どれだけこの演目が好きかってのを熱く語ってるものも多い。
アタシのこの文章も、頭悪いトンチンカンなこと書いてるなって感じだけど、とりあえず自分のために思い出忘備録として残しておく。


ウラヤマ/部長 玉置玲央
エスカワ/社長 小松準弥
ゴドー1/研究員 安西慎太郎
ゴドー2/マーケッター 稲葉友
少年 一色洋平


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