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産後うつで料理が作れなくなったころの話

できないことは人に頼むのもひとつの解決策です。

16年前に娘を出産したあと、うつを発症しました。

ほかの家事も育児も満足にできなかったのですが、とりわけ料理ができませんでした。

自分の異変に気づいたのも料理ができなくなったからです。

料理上手でもなかったのですが、それなりのものは悩まずに作れていました。

それが、レシピを見ても料理を作れなくなったのです。

例えば

  • キャベツを炒めて、塩コショウをふる。

  • 水を加えて煮る。

というような一行一行が、何度読み返しても頭に入ってこないのです。

今思い返すとその状態の意味がわからないのですが、文字が頭蓋骨に弾き飛ばされているような感覚です。

そんなわけでコンロの前で泣きながら立ち尽くしていました。

「レシピどおりに作れないなら、自分でアレンジすればいいじゃない」

夫はマリー・アントワネットよろしくそう言いましたが、そういうことじゃない。

とにかく手順が組み立てられないので、アレンジどころではありません。

離乳食も作れなかった。薄いお粥をつくるだけとか、人参を茹でてすりつぶすだけなのに。

買い物もできなかった。何が必要かもわからないから。

その頃は夫が仕事帰りに食材を買って帰って、ごった煮にして出してくれていました。

治療を開始して、少し状態が良くなってからは、食材の宅配を利用していました。これは随分助かりました。

カタログが届いて、その中からメニューを選べば、数日分の材料とレシピが届くというものです。

当時はベネッセがそういうサービスをしていました。

他のサービスと違ってよかったのは、大人二人分と子供一人分の材料とメニューが届くことです。

調理の途中で子供用を取り分けて作り、大人用は大人向けの味付けにできるというものでした。

やたらバルサミコ酢をつかったメニューが多かった記憶があります。
ルーロー飯なんてものも作りました。

今、ベネッセはそのサービスをやめてしまっているんですね。

産後うつに悩むママはどうしているんだろう。

調べてみたら、ヨシケイさんに似たようなプランがありました。

実は今も通院しています。

今はレシピを見ながら作れるし、あれとこれを炒めてちゃちゃっと味付けして、なんてこともできるようになりました。

献立とかはまだできないんですけどね。
これはうつの症状とは関係ないかもしれません。

できないことは人に頼もうという話でした。

当時は泣きながら「ツレがうつになりまして」を読んでいました。

確かツレさんは料理はできてたような気がします。

うつの症状も人それぞれなんですよね。

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