ワタナベサトシ

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友達に負わせすぎる幻想

小6の娘がこんなことを言っていた。 「本当の友達なんて、たった一人しかいないよ」 12歳にしてはずいぶん厭世的な物言いだなーと思ったけど、でも言わんとしているニュアンスは伝わってきた。 大人びてきて、何事もなあなあに済ませることができなくなり、友達100人できるかな?などと嘯く欺瞞について彼女なりに真っ当に考えた結果、これまでずっと仲良くしていた大多数の友人が「本当の友達」の枠からこぼれ落ちてしまったのだろう。 12歳の娘がいうところの「本当の友達」とは、「いろいろ腹を割

    • 「○か×か」じゃなくて「!か?か」

      最近こういうイラスト、よく目にしませんか。 たとえば、こんな感じ。 車のおもちゃで遊ぶ子供のイラストで、手を使って車を動かしているほうに「○」、足で動かしているほうに「×」が添えてある。 言わんとしている内容はわかるんですよ。 「おもちゃを手で遊ぶのは正しい。だから○」 「足で遊ぶのは間違っている。なので×」 なるほど。たしかに。納得。 この類いのイラストを見て、もっともだと深くうなずいてしまえるとしたならば、まぁ、それはそれでもいいんですよ。

      • 怒りはすぐに感じた方がいい。嫌いはじっくり考えた方がいい。

        なにかを「嫌い」になることがある。また、なにかに「怒り」を感じることもある。 ※ボクはアップルパイが「嫌い」です。 「嫌い」も「怒り」もネガティブな感情で、日々の心の動きが「嫌い」や「怒り」ばかりで占めるとさすがにちょっと疲れてしまう。だからバランスをとるために「嫌い」の反対の「好き」を楽しんだり、「怒り」を打ち消す「優しさ」を発したりする。 なにかを「嫌い」になることそのものは悪いことじゃない。どうしたって性に合わないものはあるだろう。神様じゃあるまいし、万物を好きで

        • 映画『ある精肉店のはなし』をみた

          映画『ある精肉店のはなし』公式サイト 朝。 下町のあまり広くない舗装道路。 男に引かれて、黒い牛が歩いてゆく。 鼻先を誘導されるがままにゆっくりと歩く黒牛。 矯められていない二本のツノがぐいと前に突き出している。 ほんの少し抵抗するものの、男に引かれて細い路地を右へ左へ折れて歩く。 引かれてゆく牛を追う撮影カメラは2台あるだろうか。ひょっとしたらひとつはスマホのような簡易的なものかもしれない。正面からの姿・カメラが切り替わって横からの姿・そして後ろからの姿。離れた位置

        友達に負わせすぎる幻想

          変わらないことを拒む

          人間の細胞は7年ですべて入れ替わるらしい。 ……という雑学ネタ知識をきいたのはもう30年くらい前のことなので、その時点から数えるとボクの身体は 既に四回以上もすべての細胞が入れ替わっていることになる。全身。くまなく。まんべんなく。 ヒトの身体がいくつの細胞からできあがっているのか知らないけど、きっと膨大な数だ。そのひとつひとつがじわじわと入れ替わり、生まれ変わり、7年で全身がすっかり別の細胞で構成され直す。7年前に自分を形作っていた細胞は、7年後にはもうひとつも残っていな

          変わらないことを拒む

          「動物はおかずだ!大反省会」に行った。息子を連れて

          動物はおかずだ歩き食い祭りの総括|藤倉善郎(やや日刊カルト新聞) @daily_cult|note(ノート) https://note.mu/daily_cult/n/nea50d633f15d 2019年6月12日、こちらの記事にあるトークイベント「動物はおかずだ!大反省会」に行った。高校生になった息子を連れて。 ※写真はイベントとは無関係の、仔馬のミイラです。 xxx 「そもそもヴィーガンって何?」……肉を食べないのがヴィーガン。 「それはベジタリアンとは異なるの

          「動物はおかずだ!大反省会」に行った。息子を連れて

          10年続けたTwitterをやめた

          いきなり大嘘のタイトルだけれど、数を数えるのがとても苦手な自分らしいうっかりなので、そのままに。 ツイッターというのは賢いもので、アカウントを登録して利用を始めた日をきちんと覚えていてくれる。自分の場合は2010年7月29日で、つい先日のことのように思われるが、もう10年も前なのである。 10年……? 今年は2019年。東京オリンピックが2020年。つい先日まで平成31年。そして令和01年。ほらもう数えられなくなった。 ツイッターというものは便利なもので、うっかり記念

          10年続けたTwitterをやめた