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十四才

あの日のレコードプレーヤーは
少しだけいばって僕にこう言ったんだ
いつでもどんな時でもスイッチを入れろよ
そん時は必ずおまえ十四才にしてやるぜ

この歌詞は↑THE HIGH-LOWS↓の十四才という曲のもの。

皆さんは十四才の頃、何をしていましたか?部活に明け暮れてた人。ゲームをしてた人。猛勉強してた人。それぞれだと思う。そして、何を思い出しますか?

僕は中学1年生の冬、つまり12歳の頃、音楽に目覚めて、ロックンロールというものを知りました。そして色んな音楽を知ろうとしてたくさんの知識を詰め込んで、ギターを始めて、音楽にのめり込んでいってたのが13歳とか14歳の頃。

当時の僕はみんなが聴いてるような流行りの音楽には何故かハマらなくて、周りの同世代の子達とのズレを感じて悶々としていました。そんな時に知ったTHE BLUE HEARTS。リンダリンダを聴いた時、初めて音楽に目覚めた時と同じ衝動を感じて。なんでかは分からないけど、すごく良くて、他の曲を聴いているうちにブルーハーツは僕のための歌を歌ってくれていると思うようになった。

ここで少しTHE BLUE HEARTSというバンドについて軽く紹介したいと思う。甲本ヒロト(以下ヒロト)が歌って、真島昌利(以下マーシー)がギターを弾いているバンドです。THE BLUE HEARTS解散後は、↑THE HIGH-LOWS↓というバンドをまた2人で組んで、そして今はクロマニヨンズというバンドをまたまた2人でやってます。2人とも曲を書いてるよ。

話を戻すと、とにかくブルーハーツは、ヒロトとマーシーはありのままのお前でいいんだということを伝えてくれた。そしてそれは今でも続いている。例えば、ロクデナシという曲。

お前なんかどっちにしろいてもいなくても同じ
そんなこと言う世界なら僕が蹴りを入れてやるよ
誰かのサイズに合わせて自分を変えることはない
自分を殺すことはない
ありのままでいいじゃないか
全ては僕のようなロクデナシのために
この星はグルグルと回る
劣等生で十分だ はみ出し者で構わない

この歌詞は僕が抱えていた学生特有の色々なズレを、複雑な気持ちを、全て受け入れて肯定してくれた。人にやさしくという曲では、ガンバレと応援してくれて。学校では友達もいたし、それなりに楽しく生活していたからひとりぼっちじゃなかったけど、ひとりぼっちの心を持っていた僕にブルーハーツは唯一寄り添ってくれていたんだ。芸能人もヒロトとマーシーの事を好きな人が多い。ダウンタウンとか。みんな僕と同じような気持ちを抱えた青春時代を送っていたのかなあ。となんだか嬉しくなる。

少し話が飛ぶけど、中学3年生の頃、合唱コンクールでTRAIN-TRAINを提案したら、何故か採用されて歌うことになったんだ。多分みんな面白がって選んでたと思うんだけど、実はそれは僕にとってはとても衝撃的な出来事だったんだ。みんなに認められた気がして。みんなとは好みがズレてて世間とは違うのかなと考えていた自分を、みんなが認めてくれたような感じがしてとても嬉しかったんだ。そして優勝することも出来たし。

東京に来てすぐの頃も、ヒロトとマーシーは支えてくれた。星をくださいという曲。田舎から出てきた僕にとって、とても刺さる曲で、多分都会でずっと育ってきている人にも刺さると思う。リンクを貼っておくから聴いてみて下さい。解釈は自由だし、正解なんてないけど、僕はこの歌詞に出てくる星を希望とか、夢とかそういったものに置き換えて解釈しています。

https://m.youtube.com/watch?v=hhq4tFJO-2M

初めてヒロトとマーシーのライブを観たのは16歳の頃。徳島の本当に小さなライブハウスにクロマニヨンズのツアーで来てくれた時に行ったんだ。ライブハウスのキャパは200人で、ビーマで普段使ってるライブハウスと同じくらいの広さのギュウギュウのすしずめ状態のフロアで、前から2列目で観た。手を伸ばせば届くところで。その時ヒロトは僕の目を見てしっかり伝えてくれた。お前のままでいいって。あれは僕に向かって歌ってた。勘違いとかじゃないからね。本当に目が合ったんだよ。その日、実は何時間も前からライブハウスの前で入り待ちしてたんだ。そしたら車から革ジャンを着たヒロトとマーシーが降りてきて、手を振ってくれたんだ。ずっと耳元で歌ってくれてた人達が目の前にいて、現実に存在することを知った。

ジョン・ライドンのように歌うヒロトが大好きだし、ピート・タウンゼントのようにギターを弾くマーシーが大好きだし、もう書ききれないほど好きなところはある。そして、そうした行為を通して彼らは僕の好きな音楽を肯定してくれて、僕自身を肯定してくれる。

冒頭に書いた十四才の歌詞は僕を青春時代へと帰してくれて、そして大好きなヒロトとマーシーも十四才の頃、同じような気持ちを抱いていたんだなと思わせてくれるから大好きなんです。


十四才。それは僕にとってとても大切なものです。




はしもと


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