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THE KEBABS 録音(追加公演)

 THE KEBABSという得体の知れないバンドのライブに行った。とは言っても、彼らのライブをみるのは二度目だし、自分でチケットを取っておいて得体の知れないはないだろう。説明責任を果たせよ。って、お怒りになるのはごもっとも。だけど弁明くらいさせてくれないかしら。

 今バンドをやっていたり、過去バンドを組んでいたりした4人のミュージシャンによるロックバンド、THE KEBABS。もしあなたがこのバンド名に対して、ダサいと言っていいのか迷ったとしたら、とりあえず言ってみるといい。いやいやかっこいいバンド名じゃん。と思ったならそう言えばいい。理屈とか屁理屈とかの前にある単純な感覚だけを呼び起こして叱らないでいてくれる。彼らはそんなバンドである。
 いやそれじゃあ説明になっていないじゃないか。そう言われるのも当然だ。ではこれならどうだろう。彼らのライブをみているときの感情の7割は、バカじゃねぇの?で、残りの3割は、最高だなおい。である。ここまで書いてみて、纏まりのなさと誰にも伝わらない可能性は自覚しているのだが、的は射たつもりでいるからタチが悪い。

 前にライブでみたときも知らない曲ばかりやっていたが(今までにデモ音源3曲×2枚+配信1曲しか出していないのだから仕方がない)、今夜のライブもそうだった。ライブタイトル、THE KEBABS録音。メジャーファーストアルバムを今日のライブの音源で作っちゃうよ。っていうバカ。そりゃあ曲も知らない訳ですわ。だからリリースするんだし。
ただ、曲を知らないことがライブをみるうえで必ずしもマイナスに作用するとは限らない。寧ろライブで好きな曲に出会う音楽体験には凄まじい破壊力がある。それは「知りたい」という原動力にも、「浴びていたい」という欲求にもなってくれる。聞き取れた歌詞の一部に救われたような気になれたり、口ずさめないメロディーとリズムをモノにする日を夢にみたりする。普段は重い拳を突き上げたい衝動に駆られることだってある。そして未知だった曲たちは、定まったノリよりもずっと尊い自分だけの音楽にもなってくれる。

 ロックンロールミュージックに執着して、バンドはたのしい!ライブはたのしい!音楽サイコー!と叫んでいるだけで成立させてしまう彼らの音楽とライブ。そんなの、最高でしかないでしょう。その裏にある努力やら何やらそんなことよりもただ、ステージ上のイカした奴らとイカれた曲たちのヤバめな妙を語っていたい。

 そしてアルバムリリースツアー、これを引っ提げて全国ブンブンするなんて面白いこと仰って。

 全人類に与えられた音楽という権利と、終わらないロックンロールと、今宵の彼ら。全部纏めてぶっ壊そうぜ、乾杯。

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