どうしようもない

 あまりにも窮屈な世界で、祈りはただの紙切れになった。風が吹けば飛んでいける。でも、温いだけのこの部屋では、ただ、じっとりと佇むことしかできない、可哀想な紙切れ。私と同じくらいかもっと可哀想。可哀想で可愛い。私の次に可愛い。

 うどんを食べた。平べったいうどん。冷たくして食べてねと書いてあったから、冷たくして食べた。とても冷たくて優しかった、あの人のことを思い出した。道端に落ちていたあの人のことを思い出した。今思えばあれは捨てられていたのかもしれない。あの人は、冷たくて優しくて歯痒くてこしょばゆかった。

 昔撮ったプリクラ。仲良かったのに仲良くなくなったあの子たち。もう必要ないのに捨てられない。私はいつだって情けない。情けなくて可愛い。無駄に多い、ハンガーにかかったTシャツ。私の所有物は私に関心がない。私は愛しているけれど、私は愛されていない。それも良い。

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