髪を乾かす気にもなれない

 私は大事なこととどうでもいいことしか言わないけれど、あなたはそれっぽいことを言うだけで、本当に大事なことはいつも言ってくれない。私を安心させるためではなくて自分に保険を掛けるだけの質問に、ちゃんと答えてあげようとした昼間の私が愚かだったのね。気持ちいいだけの関係になりたかったのなら、初めからそうと言えばよかったでしょう。何度も逃げ道をあげたはずだし、忠告もしてあげたはず。苦しいときに理由もないまま拒絶されて、結局一人で枕を濡らす夜を生きる羽目になるのなら、それっぽいだけの言葉の往来なんて要らない。あなたは好きだとかそういうことを軽々しく口にするけれど、私の好きとあなたのそれはあまりにも温度が違い過ぎるから、私は寂しいとも思えなくて辛い。これほどあなたを嫌いと思っているのに、あなたに嫌われるのはまだ怖いから、寂しいとかそんなプレイの一環みたいな言葉を与える。そんなのであなたが悦んだとしても喜ばしくなんてないのに。

 あともう少しで嫌いになれる。もう好きだとか可愛いなんて口が裂けても言えない。それなのに今もこうして連絡が来ていないか確認して、来ていないことに不満足に安心して。こんな自分を生み出したくなかったから、私は散々あなたに釘を刺してきた。自律神経を乱す気圧の変動も、ホルモンバランスを狂わせるあなたの言動も、どちらも言い訳で何の解決にもなってはくれないから、同じくらいに大嫌いだよ。

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