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この街には私がいる。行き交う誰の目にも映っていない私は、誰かの誰かになれないままだ。だ…
あの子が随分と前にくれた言葉を、食べかけのままにしていることを思い出した。賞味期限は切…
眠れそうだと思った夜ほど、上手くは眠れないものだ。許せないことはいっぱいあるほうが一緒…
初夏を楽しむ気もない真夏日は、いったい誰の思惑だろう。あまりの眩しさに目を細める暇もな…
のど飴を舐めた。甘かった。それなのに苦かった。杏仁味と書かれたそれは、私の知らない誰か…