休業手当は思ったほど高くない
「休業手当」は、労働基準法第26条に定められています。
休業手当とは、使用者の責により従業員を休業させる場合、その期間中は「平均賃金」の60%を支払わなければならない、というものです。
「平均賃金」とは過去3か月間に支払われた給料の1日平均額。
月30万円の給料をもらっていた人の場合、
(30万円×過去3か月)÷(過去3か月の総日数)
月によって1か月の日数は異なりますが、話を単純化するために、
平均賃金 = 90万円 ÷ 90日 = 1万円 とします。
例えば、1か月間休業した場合、休業手当は
1万円×60%×30日=18万円(30万円×60%)
となるので、これまでの給料の60%が保障されていると考えがちです。
けれども、この計算は誤りです。
会社は、所定休日分の休業手当を支払う義務がないためです。
週休2日が所定休日の会社の場合(たいていの会社は週休2日)、1か月の労働日数は21~22日ほどです。
仮に21日の場合、1か月30日の70%
休業手当の金額は、
1万円×60%×21日=12万6千円(30万円×60%×70%)
30万円の42%、12万6千円となってしまいます。
そもそも、60%しか貰えないという状況でさえ厳しいのですが、実際には給料の半分にも満たない、という制度なのです。
私が社労士の受験勉強をしていたとき、このようにできるだけ具体的な事例で考えるようにしていました。
社労士試験は、実務経験のない事項についてはイメージができず、とても苦労をするためです。
会社で人事系の経験がない方にとって、学習の難易度は高いと思います。
そのような方々は、できるだけ具体的な事例を設定して考えてみましょう。
「最近話題のニュース」
「自分の会社のルール」
「これまでの自分の経験」
これらの総動員が必要です。
今回事例を挙げた休業手当は「労働基準法」のなかの制度です。
労働基準法は、比較的イメージがしやすい科目です。
賃金・労働時間・時間外労働などは、一般の社会人の方にとっても、日常的に知っている事項だからです。
労災や通災のルールを定めた「労働者災害補償保険法」、健康保険についてのルールを定めた「健康保険法」も、比較的イメージはしやすいかと・・
「雇用保険法」は、離職経験がある方なら、取り組みやすいかも・・
イメージが難しい筆頭は「徴収法」ではないでしょうか。
これは、会社が労災保険料と雇用保険料を国に対して支払う際の計算方法などの細かいルールは定めた法律です。
実務経験がない人には、難解で意味不明な科目・・
「選択式」がなく「択一式」のウエイトも高くはないのが、唯一の救いでしょう。
年金2科目は、私が最も研究をした科目です。
これも難しい科目です。
現役世代にとって年金は、給料から厚生年金保険料を徴収されているだけの存在だからです。
これまで、全く馴染みがない・・
だから意味不明・・
自分が65才になったら、どれくらいの年金が支払われるか、自分の給料明細の「標準報酬月額」を見ながら、シミュレーションをしてみれば、理解が深まると思います。
以上、休業手当から話がそれましたが、思いついたことを思いついたまま書いてみました。
最近また仕事が忙しくなって、投稿が滞ってしまいました。
ここから、がんばって巻き返さなければ・・と思います。