見出し画像

「Aさんが他利用者Bさんの声がうるさくて頭が痛くなると言われるがどうしようもないよね」

認知症と診断されたAさん(男性)幻視もあったが自覚していたそう。普段はとても穏やかで紳士なのですが、スイッチが入ると抑制きかず怒り出してしまうそうで前のデイでは男性利用者さんともめて行かなくなったとのことで新しく当デイに来てくださいました。
静かな環境で徐々に慣れてよく笑顔をみせてくださっていたところへすごくおしゃべり好きな新しい利用者Bさん(男性)が入られ、、終始大きな声で話されているのが苦痛に感じるようになったようです。

対応できないと思う前に意識しておきたいこと。


認知症の症状を良く知っておく大切さ。

高齢になると、耳が遠くなる、認知機能が落ちるなど、身体機能が低下してきます。本人にとっては不安やストレスを感じやすい状況にあると言えます。

認知症により脳の機能が低下している状態は周囲で大きな音がしているだけでも注意力が散漫になり普段はお箸で食事が出来ていたのがお箸の使い方がわからなくなって食事がとれなくなる方もおられました。
騒音と感じる環境下では考えがまとまらず不安感やイライラが起こりやすくなります。

高齢で目や耳が悪くなり、認知症で脳の機能が低下し錯覚などを起こしやすい状態の上、不安感や恐怖を感じる環境があると、幻覚を起こすことがあると言われています。

本人のわがままや我慢が足らないというのではなく認知症の方にとって騒音は本当につらい状況だという事は理解しておきたいところです。


変えられないものと変えられるもの。


居心地よくいていただけるように対策は考えていきたいところですが、変えられないものと変えられないものがあります。

出来る対策をとってみてどうしても難しそうという場合は最終手段として別の曜日に変更してきていただくのも良いかと思います。一時しのぎとしてもしっかり対策をしてから曜日変更をするなら別の結果が出るかもしれませんしね。

変えられないものとしては音が響くといって建物自体を変えるわけにいきませんし、広さを変えるわけにいきません。席を離したところで狭い部屋なので全体に声が響いているので変わりません。

スタッフからまずアプローチできそうなこととして
・Bさんの声の大きさへの対応をする
   ごく近めで話されると静かに話されるが、遠めの方への話声が大きい
   テンションが高くなると特に大きくなる
   つられてスタッフも周囲も声が大きくなってしまう事への配慮
・AさんとBさんの間を取り持つ
   ほぼ話さない状態での事なのでまずお互いを知ってもらえるところ
   から。Aさんからは騒音のように感じられているので少し難しいと
   ころもありますが、まだ日が浅いので引き離すのでなくスタッフが間
   に入って仲を取り持っていく。

Aさんの訴えの裏には声の事だけではないかもしれませんがまずは出来るところからひとつずつ。
一つ嫌な事を思っているのをほっておくと、徐々にたまってすごく嫌になるものなので早いうちに、、

特にAさんには苦しくて行くのが嫌だとなる前に居心地の良い場になるよう配慮していきたいですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?