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【読書】風の海 迷宮の岸 小野不由美

十二国記シリーズ エピソード2。

前作で王と共に行方不明と示唆されていた戴国、そして泰麒の物語。

陽子と同様、蓬莱へ流されてしまっていた泰麒。蓬莱では自分の居場所がなく、本当の子ではなかった、人間ではなかったという事実にすとんと納得しながらも、母は恋しく、そして麒麟らしさもない自分に苦しみ、王を天命で選ぶという役目と葛藤する。

自分とは何者か。
自分は何のために存在するのか。

ひたすらその問いと対面する。

それにしても……ほんとうに可愛い。
泰麒が可愛い。
素直さ、優しさ、思いやり、純粋さの塊。
軽率に女仙になりたくなる。
優しく、幼いが故に際立つ、自信のなさや麒麟の役割が果たせるのか悩み、不安に陥る姿。

それと反対に黒麒というこれまでの麒麟には見られぬ異質さと、「とうてつ」を使令に下してしまう、得体の知れない「何か」がある。

たまらない!

でも前作で示唆されているが、ようやく巡り会えた王と共に行方不明なんですよね……。
こんなにも戴国が前向きに、良い方向へと変わる序盤が見れたのに、不穏さが後を引く。

それにしても景麒は泰麒に出会い、丸くなったのね……それでもあれか……正直、陽子との初対面の印象はあまり良くないのです。ツンツンしてる。
この泰麒との出会いを読むと、一周回って可愛いく見えます。

また延王と延麒はいいキャラしてる!
このコンビがメインの話も楽しみ。

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